研究課題/領域番号 |
23K20504
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補助金の研究課題番号 |
21H00579 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
石原 美奈子 南山大学, 人文学部, 教授 (20329741)
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研究分担者 |
吉田 早悠里 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (20726773)
眞城 百華 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (30459309)
松波 康男 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (90811125)
大場 千景 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 客員研究員 (90637688)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | エチオピア / ティグライ / オロモ / 多元的な歴史認識 / 地方史と郷土史 / 口頭伝承と文字資料 / ベニシャングール・グムズ / 郷土史 / 地方史 / 歴史認識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、エチオピアにおける地方史(外部世界との関係性を示唆する、民族や宗教に関する文字資料やモニュメント)・郷土史(地域住民が口頭、あるいは身体所作を介して伝えられる、特定の人物や集団、土地の歴史に関する語り)の体系的収集・分析を通して、多元的な歴史認識の実相を明らかにすることを目的とするものである。つまり、文字が生み出す歴史と、モノや身体所作、口頭で伝えられる歴史が相互に作用し合いながら創造的に再編される動態的様相を解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度は、コロナ禍の制限が緩和され、エチオピアの国内情勢も一部の地域で改善されたので、エチオピアでの現地調査が可能となった。石原は、2022年8月にオロミア州ジンマ県に赴き、ジンマ市の宗教施設(モスク、教会、墓地)を訪れ、史資料の所在を確認し、一部を「保存(デジタル画像保存)」した。また、ジンマ県内のティジャーニー教団のザーウィヤ(修行所)やモスクを訪れ、歴史に関する聞き取り調査を実施した。眞城は、ティグライ州における1975-91年の内戦に参加した女性兵士に関する史資料の翻刻、翻訳を行った。その上で、同資料とオーラルヒストリー調査の結果を分析し、内戦下における女性兵士の活動、女性解放思想の浸透について分析を行った。吉田は、オロミア州ジンマ県ゲラ郡にて、ムスリム聖者をとりまく社会の実態や歴史に関する調査を実施した。また、2021年に南部諸民族州から独立の州として分離した「南西エチオピア諸民族州」のカファ県に赴き、南部諸民族州からの分離・独立にあたって、カファ県の歴史がどのように州の独立の語りと結びついたのかについて、聞き取り調査を実施した。松波は、2022年9月下旬から10月初旬まで、エチオピアの首都アディスアベバで開催された国際エチオピア学会で研究発表を行った。同学会での議論はのちのワークショップに繋がり、調査地やその周囲での宗教現象の理解を深めることができた。また、2023年1月の渡航では、アディスアベバ、アダマに滞在した。政情不安が続く国内各地、とくにベニシャングル・グムズ州における民族政治、宗教実践等について、事情に通じた人々を対象に聞き取り調査を行った。大場は、まずオロミア州アルシ県における初等・中等教育における歴史教育の在り方をさぐるために連邦政府指定教科書の収集と分析をおこなった。また、アルシの若者や古老による歴史に関する自主出版物の収集と分析も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、ティグライ州とベニシャングル・グムズ州は依然として政情不安定のため現地調査はできなかったものの、当該地域を調査対象とする眞城と松波は、これまでの調査研究を論文や学会発表の形で公開することに専念できた。また、ベニシャングル・グムズ州での外国人による調査は不可能ではあったものの、松波は、首都アディスアベバでかつてのインフォーマントと接触し、現地の状況の聞き取り調査を行うことができている。オロミア州南西部と南部における現地調査は実現できているので、「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度同様、エチオピア国内における現地調査が、一部地域を除き可能になるので、代表者・分担者はそれぞれの調査地に赴き、地域の郷土史・地方史関連の史資料の「収集」と「保存」につとめる。並行して、オンラインで何度か読者会を開き、地域に対する理解を深めるとともに、年度末に全員対面による研究会を実施する。さらに、最終年度には出版物を制作する予定なので、それに向けた話し合いを開始する。
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