研究課題/領域番号 |
23K20511
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補助金の研究課題番号 |
21H00587 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
齋藤 晃 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (20290926)
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研究分担者 |
近藤 康久 総合地球環境学研究所, 経営推進部, 准教授 (90599226)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ラテンアメリカ / ペルー / ボリビア / 植民地時代 / 史料学 |
研究開始時の研究の概要 |
スペイン統治下のアメリカでは、タサとは先住民が支払うべき租税の種類と数量を査定した文書を指す。南米アンデスでは、最初の全国的タサは1570年代、第5代ペルー副王フランシスコ・デ・トレドの命令で作成された。150万人の先住民を約550の徴税単位に分割し、社会組織や人口構成、居住形態や経済活動などの情報を記載したこの文書は、総数7千葉に及ぶものだった。本研究は人文情報学の道具と方法を活用してこの史料の体系的分析を試みる。それにより、16世紀後半にスペインの植民地統治が「近代的」と呼びうる方向へ転換したことを示すとともに、先住民社会が細分化し、系譜集団から地縁共同体へ変貌していく過程を描き出す。
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研究実績の概要 |
本年度の研究では、①海外の図書館・文書館におけるタサの現存史料の追加調査、②収集済みのタサ史料の解読と分析に基づく目的別データベースの作成、③目的別データベースを活用したネットワークグラフ型総覧図のプロトタイプの作成、④研究成果の英語論文へのとりまとめを実施した。以下、個別に詳述する。 まず①についてだが、南米ペルーのアヤクチョ市の農業会議所の文書館にタサ史料のコピーが保管されているという情報を入手し、海外共同研究者に調査と収集を依頼した。成果としては、アヤクチョ市を中心とするワマンガ地方のレパルティミエントとレドゥクシオンに関して、これまで調査した史料にはなかった新たな情報を入手することができた。 ②については、③のネットワークグラフ型総覧図の作成に必要なデータを抽出し、整理した目的別データベースを複数作成した。この作業の過程で、必要に応じて、総合的データベースの改良も実施した。 ③については、専門業者の協力を得て、ネットワークグラフ型総覧図のプロトタイプを作成した。最初のヴァージョンとしては、完成度はまずまずだが、見やすさや扱いやすさの点ではまだ改善の余地がある。また、ネットワークグラフと地図を連結させるという重要な作業がまだ残されている。 ④については、新たなタサ史料の入手や既存のデータベースの改良により、論文で提示するデータ、およびそのデータに基づく見解を部分的に修正しなければならなかった。そのうえで、執筆作業をさらに進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年の研究期間のうちの2年目にして、本研究プロジェクトの最重要課題であるレパルティミエントとレドゥクシオンのネットワークグラフ型総覧図のプロトタイプを完成させることができた。まだ改善の余地は多いが、必要なデータはすでにそろっており、技術的な問題もおおむね解決のめどが立っている。
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今後の研究の推進方策 |
タサ史料の収集と分析、および各種データベースの構築はすでに完了している。ネットワークグラフ型総覧図のプロトタイプも仕上げることができたので、今後はネットワークグラフと地図との連結も含めてその改良を進める。また、執筆中の英語論文も完成させる。
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