研究課題/領域番号 |
23K20516
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補助金の研究課題番号 |
21H00592 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 金沢大学 (2022-2024) 名古屋大学 (2021) |
研究代表者 |
市川 彰 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 准教授 (90721564)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | メソアメリカ / 古典期 / 民衆 / 生活変化 / 気候変動 / 考古学 / 庶民 / オアハカ / リオ・ビエホ遺跡 / 古典期後期 / 生活 / 発掘 / 住居 / 編年 / 衰退 / 都市 / 干ばつ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、人類史と環境史の編年を高精度で比較し、民衆の生活という視点から、紀元後700~1000年頃に起きたメソアメリカ古典期社会の衰退の実像を解明することである。特に、紀元後800年頃に起きたとされる干ばつ前後のオアハカ地域の民衆の生活変化に着目して研究を進めている。具体的な課題としては、1)人類史の高精度編年の確立、2)民衆の経済活動の通時的変化の解明、3)民衆の生業と食生活の通時的変化の解明、4)紀元後800年頃に起きたとされる干ばつとベルデ川流域社会の衰退との因果関係の解明である。
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研究実績の概要 |
3年目である2023年度は、2024年1月から開始予定のメキシコ、オアハカ州のリオ・ビエホ遺跡第二次発掘調査にむけて、調査計画書を策定し、許可の申請をおこなった。無事に調査許可が下り、2024年1月から発掘調査を開始した。発掘調査は3つの居住地区を層位的に発掘し、本研究が目的としている古典期後期から後古典期前期に相当する居住址、墓、ゴミ捨て場、炉跡などを検出した。また大量の土器片、石器、土偶、土製品など多種多様な遺物も回収することができた。特に重要な発見は、古典期後期の墓とそこから出土した古人骨である。なぜなら第一次調査では、後古典期前期の古人骨は十分なサンプルを得られたが、古典期後期の古人骨サンプルが得られていなかった。これにより今後は、古典期後期から後古典期前期にかけての古人骨の健康状態や安定同位体分析をおこない、食性の変化などを明らかにする予定である。また、後古典期前期に相当し、直径2mを超す大型炉の発見も重要である。第一次調査では古典期後期の大型炉を検出したが、今回の発見は後古典期前期になっても複数世帯が祭祀や饗宴に使用したとされる大型炉の発見は庶民の生活変化を考えるうえで示唆的である。今回発見された大型炉からは、現在までに20種以上の植物の種、カニ、魚、シカなどの動物骨も大量にみつかっている。また厚さ30㎝にもわたって、燃料に使ったと思われる薪材が炭化して残っており、これらは樹脂同定と年代測定にかけられる予定である。このように第二次調査では、さまざまな考古遺物が得られており、2024年度はこの整理を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
古人骨や植物遺体の理化学的分析の進行が待たれるが、予定通り発掘調査が進んでおり、データを獲得できているからである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現地での遺物整理作業をおこなうために経験豊富な人材に協力を仰ぎ、効率よくすすめる。発掘調査データや遺物整理作業のデータは、3Dデータを含めて多くはデジタル化し、日本に帰国後もさまざまな角度から検証ができるようにする。また古人骨サンプルなどの輸出許可などについて早めに現地当局と相談し、許可を得られるように行動する。
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