研究課題/領域番号 |
23K20517
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補助金の研究課題番号 |
21H00594 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
柴田 昌児 愛媛大学, 埋蔵文化財調査室, 教授 (10735286)
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研究分担者 |
中村 豊 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (30291496)
宮里 修 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (60339645)
笹田 朋孝 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90508764)
遠部 慎 島根大学, 法文学部, 客員研究員 (50450151)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 山住みの弥生集落 / 山稜と山間 / 移動と交流 / 多様性と多義性 / 弥生時代 / 山稜性集落 / 石器製作 / 生業 / 移動 / 交通 / 交易 / 縄文・弥生時代 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では弥生集落の立地選定原理から大きく逸脱した標高1000mを超える四国山地山稜の弥生遺跡に着目し、その実態解明に取り組んでいる。その結果、縄文時代晩期・弥生時代前期・後期後半に山稜に沿って遺跡が点在していることがわかり、キャンプ地としての様相を明らかにしつつある。 本年度はこうした遺跡を点・線・面でとらえ、発掘調査や踏査、出土遺物の分析を通じて、その実態や相関性を実証的に解明することで多義で多様な弥生社会の実像を明らかにする。そしてその研究成果を公開する。
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研究実績の概要 |
弥生集落の立地選定原理から大きく逸脱した標高1000mを超える四国山地山稜の弥生遺跡に着目し、その実態解明に取り組んだ。その結果、縄文時代晩期・弥生時代前期・後期後半に山稜に沿って遺跡が点在していることがわかり、発掘調査からキャンプ地としての様相を明らかにした。さらに山稜沿いに分布する遺跡の延長には谷部があり、同時期の岩陰遺跡が点在することが判明した。こうした成果を8月21日高知県にて「四国山地の山稜・山間部に展開した弥生時代遺跡について」と題し科研検討会を実施した。 発掘調査は山稜部の弥生遺跡として愛媛県赤蔵ヶ池東遺跡の継続調査、猿楽遺跡第2地点の試掘調査を行った。関連する高知平野の遺跡として高知県居徳遺跡の調査を行い、縄文晩期出土遺物の実態を検証した。徳島県では山間部の先史時代遺跡の調査として、那賀町鮎川所在西宮遺跡の第1次調査をおこなった。特に猿楽遺跡第2地点では弥生時代後期の遺物が発見され、弥生文化稲作開始期及び後期の山稜部での活動実態が明らかになった。 2023年7月8・9日、第2回科研研究会を広島県庄原市時悠館で実施し、中国地方山間部の弥生時代遺跡と弥生土器の様相を明らかにすることができた。また帝釈峡遺跡群の弥生土器出土地点を踏査し、立地環境を確認することができた。 岩陰遺跡や洞窟遺跡が歩行ルートの逗留地となることは多くの研究者がすでに指摘していたが、その多くは点としての調査研究に留まっていた。本研究ではこうした遺跡を点・線・面でとらえることができた。 今後も発掘調査や踏査、出土遺物の分析を通じて、その実態や相関性を実証的に解明する。そして多義で多様な弥生社会の実像を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遅延していた第2回科研研究会を2023年7月8日から9日、広島県庄原市時悠館で実施し、中国地方山間部の弥生時代遺跡と弥生土器の様相を明らかにすることができた。また帝釈峡遺跡群の弥生土器出土地点を踏査し、立地環境を確認することができた。このことにより四国地方山間部の弥生遺跡との共通性と相違性を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
四国山地の山稜・山間に展開する弥生遺跡の発掘調査及び周辺遺跡の試掘・踏査を実施する。とくに猿楽遺跡第2地点および徳島県域の岩陰遺跡の時期・規模・性格・立地環境を知るための最小限度の発掘調査及び試掘調査を継続する。四国山地の山稜部と山間部に営まれた弥生遺跡の実態解明のため、高知県・徳島県で分布調査を行う。高知県の山稜の弥生遺跡である鷹之巣山遺跡、洞窟遺跡である龍河洞遺跡や鬼ヵ岩屋遺跡の出土遺物を調査する。引き続き、高知県居徳遺跡、徳島県西宮遺跡の調査を継続する。 広島県帝釈峡遺跡群出土弥生土器を再評価するため、庄原市時悠館にて資料調査を行う。 遺跡の性格や立地環境を知るために発掘調査や踏査で得られた資料(土器や土壌サンプル)を用い、分析機関に依頼し、加速器質量分析による年代測定、同位体分析による食生活や移動履歴の復元、植物珪酸体分析、花粉分析などによる古環境復元を実施する。岩陰遺跡形成岩塊・石器石材の岩石学的分析による石材利用の実態を解明する。
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