研究課題/領域番号 |
23K20525
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補助金の研究課題番号 |
21H00604 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
宮城 弘樹 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (70757418)
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研究分担者 |
武井 基晃 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00566359)
山田 浩世 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (00626046)
渡辺 美季 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60548642)
竹中 正巳 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 教授 (70264439)
日下 宗一郎 東海大学, 人文学部, 准教授 (70721330)
片桐 千亜紀 九州大学, 比較社会文化研究院, 共同研究者 (70804730)
前川 佳文 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 主任研究員 (80650837)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 琉球史 / 歴史考古学 / 墓 / 厨子 / 出土人骨 / 琉球 / 近世 / 学際的研究 / 人骨 / 銘書 / 葬墓制 / 社会史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、墓の出土品、葬儀に関わる古文書、あるいは民俗調査記録などの「葬墓制資料」を対象に研究を行う。葬墓制資料の中でも銘書の年代、型式学的な厨子の年代観を用いて、これまで琉球史では十分に明らかにされてこなかった社会史、文化史について研究分析を行った。厨子甕の年代観を用いて、これまでに知られていなかった指輪などの装身具文化、髪結いの文化や、百姓身分の食生活に関する分析、あるいは出土厨子を用いた死者数の集計などについて明らかにしてきた。 また、これらの研究の基礎資料となるデータの収集を行った。
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研究実績の概要 |
本研究は、主として琉球王国時代の葬墓制資料から琉球史を再構築することを目的とする。対象とする葬墓制資料とは、墓の出土品、葬儀に関わる古文書、あるいは民俗調査記録などの総称として用いる。主に①銘書及びその周辺の文書や金石文資料を用いた身分、中央と地方、家族史など近世社会に焦点をあてた実践的研究。②被葬者である人骨等資料を用いた理化学的分析と食事や健康、婚姻や子ども、平均余命やライフコースに焦点をあてた研究。③葬墓制資料のデータ化を推進し、地域や時代ごとの比較資料の拡充。④文化財科学による顔料や漆喰などの分析及び画像の解析などの博物館等収蔵資料の鮮鋭化及び資料化と分析。考古学にはもとより文献史学、民俗学、自然人類学、保存科学の垣根を越え、新しい琉球史の再構築を目指すことを目標としている。 本年度は、現地調査として県外に所在する厨子甕の収集及び、今帰仁村の池城墓の調査を行った。 研究分析として、厨子に記載される銘書資料を用い、死亡・洗骨年が記された紀年銘厨子を利用し、死去年の件数から人口動態研究に関する予備的研究を行った。他に研究集会をオンラインで実施した。分担者の主な研究実績に限り以下に記載する。 分担者である日下は、前田・経塚近世墓群とヤッチのガマより出土した髪の毛資料の炭素・窒素同位体分析を行った。その結果、続成作用などの影響は残るものの、全体としてはC3生態系の陸上植物や陸上哺乳類の摂取割合が高い傾向が復元された。このデータ解析やメンバー内での会議で結果の共有を行い、課題を整理した。 分担者である武井は、子孫たち自らの手によって近世琉球王国の士の一門の歴史がいかに表象されるか学会発表した。近世琉球における姓・家系のあり方や女性の役割について、東アジアの比較家族研究および儒教研究の文脈で考察し分担執筆する。他各分担者でそれぞれ資料整理と分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はコロナ感染状況の高まりを回避しながら墓調査等の現地調査が断続的ではあったが実施することができた。また、沖縄県立博物館・美術館の収蔵資料の調査を完了しデータの拡充を図ることができた。毛髪等の分析調査や、葬墓制に関する基礎的文献史料の読み込みなど、研究者間で共有することができた。 銘書を使った分析では、死去年件数をカウントし、通時的にその数量変化をみることで、人口動態に迫る研究について発表、投稿することができた。これにより課題も明確になったため、家譜を用いた分析と相互比較することを目的として、基礎的データの収集を行っている。これらの課題についても研究期間内に取り組む計画である。 研究会等は当初対面で行う予定であったが、オンラインを用い分担者及び研究協力者間の調整が充分に図られている。一部実物資料を扱う人骨や厨子の分析においては資料収集で予定通りいかないものもあるものの、概ね計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き博物館収蔵資料の収集を図ることを目的に、県外、県内離島の資料収集を行うことを計画していく。 銘書を用いた人口動態の研究では、家譜データとの比較することが望ましく、銘書が描く死亡クライシスが、家譜からも読み取れるかどうかについて検討していく方針である。 出土結髪以外にも、厨子(蔵骨器)と人骨及び銘書を用いた遺物の検討として指輪の検討を計画する。 出土結髪の分析及び、文化財科学、人骨の研究についても適宜資料を選抜した上で、分析研究を予定する。
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