研究課題/領域番号 |
23K20555
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補助金の研究課題番号 |
21H00644 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
松田 素二 総合地球環境学研究所, プログラム研究部, 特任教授 (50173852)
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研究分担者 |
川田 牧人 成城大学, 文芸学部, 教授 (30260110)
平野 美佐 (野元美佐) 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40402383)
山本 めゆ 立命館大学, 文学部, 准教授 (40843743)
中野 康人 関西学院大学, 社会学部, 教授 (50319927)
中川 加奈子 追手門学院大学, 社会学部, 准教授 (80782002)
古川 彰 関西学院大学, 特定プロジェクト研究センター, 客員研究員 (90199422)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 集合的創造性 / 恒常性と再帰性 / アフリカ / 南アジア / 日常人類学 |
研究開始時の研究の概要 |
現代世界は、膨大な情報と富を享受する人々と同時に、生存と生活を日々根源的に脅かされる人々を大量に生み出している。こうした混沌と危機の時代を生きる人々は、何に依拠して何を活用してこうした状況を生き抜き、厳しい困難を克服していくことができるのだろうか。とりわけ国家からの扶助がほとんど期待できない、アジア・アフリカ社会の周縁部で生きる圧倒的多数の人々は、どのようにして自分たちの力でこの時代をよりよく生きることを可能にすることができるのだろうか。本研究は、こうした問いに対して、人々の集合的創造性に着目し、小さな共同体の現場からその答えを見出そうとする試みである
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研究実績の概要 |
2023年度は、これまで実施できなかった海外フィールド調査をメンバー間で順番に実施する体制を構築した。松田は、2022年の大統領選挙後のポピュリズムの浸透と並行して顕著になったスラム住民、とりわけナイロビで生まれ育った若者の権利要求の実践と、それと対照的に農村部で進行する失業と生活困難を対象にして調査を行った。古川は、これまで20年余り研究を続けているネパールのカトマンズ盆地に位置するパタン地区の「小さな信仰共同体」であるイラナニ・コミュニティの現状と彼らがあらたに取り組んでいる伝統を活用したコミュニティづくりを、月1~2回の頻度でZOOMミーティングを行い研究協力者たちから丁寧に聞き取りをし分析を行っている。川田は、昨年に引き続き奄美群島において芸能表現を通した共同体の再創造について、平野は、昨年から取り組んできた、沖縄における伝統的互助を改変して新しい仕組みを創造する過程を解明した。中川は、ネパールカトマンズにおいて社会的には低位に置かれながら経済的には上昇してきた特定のカースト集団が儀礼をどのように変容させているかについての調査を行った。また、中野は、データ標準DDIに準拠してテキストデータや画像データを整理集約する作業を行った。山本は、これまでフィールドで得た資料等の整理を行った。 2023年11月に中間報告会とそれをもとにしたシンポジウムをアフリカ、フィリピンの研究者、およびネパールの民俗写真家を招いて「International Seminar on Collective Creativity 2023、Overcoming the Crisis in the World and Everyday Life through Collective Creativity」を開催し、集合的調査結果や問題点の共有と社会への発信をはかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナによって中断していた海外調査も再開しはじめ、コロナ期間に蓄積したデータの再確認をすることができた。その成果をメンバーが持ちよって11月の中間報告会で共有を行ったところ順調な進展が見られた。また海外研究者や国内研究者から多数の意見を聞くことができ、今後の成果に反映していく準備ができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年11月の中間報告会で研究成果の共有をし意見交換を行った結果をもとにフィールド調査をおこなう。松田はケニア・ナイロビの若者と農村部の生活困難を対象に、川田は奄美群島における芸能表現を通した共同体について調査を行う。平野は、沖縄諸島における生活組織の調査を行う。中川は、カトマンズにおける肉を扱うカーストの調査を行う。山本は、南アフリカにて台湾出身の住民に調査を実施する。古川は、カトマンズにおいての祭祀地縁組織の変化を調査する。中野は、調査データの標準化・規格化を行いネパールでの現地調査による検証を行う。 2024年度は、引き続き調査を行うとともに資料のまとめをおこなう。その成果をメンバー間で共有し、刊行にむけた検討を行う。社会への発信をはかる。
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