研究課題/領域番号 |
23K20556
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補助金の研究課題番号 |
21H00645 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱谷 真理子 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任助教 (80750356)
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研究分担者 |
池亀 彩 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40590336)
藏本 龍介 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (60735091)
中村 沙絵 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80751205)
梅村 絢美 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (80870261)
飯塚 真弓 高崎商科大学, 商学部, 講師 (90822966)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 贈与 / 慈善/博愛/人道主義 / 価値 / 想像/創造 / 社会 |
研究開始時の研究の概要 |
インド発祥の宗教においては伝統的に、「自己放棄」や「自己犠牲」という理念に基づく宗教的贈与がみられる。しかし近年、これらの宗教的贈与は儀礼的贈与という枠をこえ、ヒト・モノ・カネの新たな循環――本研究ではこれを「徳の経済」と措定する――をもたらしている。それでは、「徳の経済」の内実とはいかなるものか。それは当該地域でどのように発展してきたのか。どのように社会関係や行為を媒介し、いかな る社会を創造しているのか。本研究では、インド、スリランカ、ミャンマー、英国、日本における現地調査を通じてこれらの問題を実証的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、全体研究会とフィールドワークを実施した。
(1)全体研究会:全5回の研究会(2022年6月3日(ボランティア論)、7月15日(貨幣論)、11月1日(ガンディー研究)、12月13日(宗教の経済学)、2023年1月26日(オカルト研究)を実施し、関連する先行研究を全員で検討した。同時に各自のフィールドワークや文献研究を行った。
(2)フィールドワーク・文献研究:全体研究会での議論を踏まえつつ、各メンバーがフィールドワーク・文献研究を実施した。濱谷は、英国レスターにおいてヒンドゥー系新興教団を中心にインド系移民の慈善活動に関する8ヶ月間のフィールド調査を実施した。飯塚は、日本の宗教系社会福祉法人にインタビュー調査を行い、南インドのヒンドゥー寺院と巡礼地における宗教的贈与に関して文献研究を実施した。池亀は、インド各地で先住民とその宗教美術に関するフィールド調査を行った。梅村は、ロンドン大学東洋アフリカ学院において、スリランカにおける献血事業に関する文献資料を収集した。また、スリランカ北部ジャフナ県において、献血行動に関するフィールド調査を行った。藏本は、日本における仏教寺院と神社を対象として、宗教的贈与に関する文献調査・現地調査を実施した。また、インド・日本においても同教団のネットワークに関するフィールド調査を実施した。中村は、スリランカで高齢者女性らの巡礼に同行する調査を行い、関連する文献調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)全体研究:全5回の研究会を実施し、宗教的贈与及び贈与経済に関連する先行研究を全員で検討した。それによって今後の個別フィールドワーク、及び共同フィールドワークに向けて理論的土壌が固まり議論の方向性を確立することができた。 (2)個別研究:池亀は雑誌論文を刊行し、藏本、中村は著書を刊行した。梅村は学会発表を行なった。 (3)問題点とその対処法:問題点としては、2022年度は引き続き新型コロナウィルス感染症の影響下にあったものの、各自調査テーマ・方法に微修正を加えるなどしながらフィールド調査・資料取集などを実施し研究を遂行した点が評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症が収束へ向かいつつあり、研究代表者・研究分担者の多くは海外でのフィールドワークの再開に着手しつつある。そこで、今後の推進方策として以下を措定する。 (1)インドでの共同フィールドワークの実施 (2)各研究分担者による個別フィールドワークの実施 (3)フィールドワークの成果をもとに現在までに積み重ねてきた議論の検証及び理論の再構築 (4)最終年度に向けて研究成果を国際学会及び海外学術雑誌で発表する準備
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