研究課題/領域番号 |
23K20576
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補助金の研究課題番号 |
21H00669 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
小塚 荘一郎 学習院大学, 法学部, 教授 (30242085)
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研究分担者 |
松中 学 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20518039)
木戸 茜 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (30803043)
梅村 悠 上智大学, 法学部, 教授 (50439329)
胥 鵬 法政大学, 経済学部, 教授 (60247111)
曽野 裕夫 北海道大学, 法学研究科, 教授 (60272936)
杉山 佳子 東北学院大学, 情報学部, 講師 (60965177)
松井 智予 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (70313062)
大杉 謙一 中央大学, 法務研究科, 教授 (80233112)
高橋 秀朋 法政大学, 経済学部, 教授 (90583659)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | コーポレートガバナンス / 契約ガバナンス / サステナビリティ / 実証研究 / 法と経済学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、企業の経済活動がグローバルなサステナビリティ(持続可能性)を実現するものとなるために求められるガバナンス・メカニズムを解明する。会社法学ではコーポレートガバナンス(とりわけ取締役会・監査役会の構成)が企業活動に与える影響、契約法学ではサプライチェーンの契約の仕組みとサステナビリティの実現、経済学からは金融・資本市場によるサステナビリティの実現に対する評価の実証分析を行う。その上で、超学際研究(フューチャー・アース・プログラム)と会社法学・契約法学を接合して、地球社会のサステナビリティを実現するためのガバナンス・メカニズムに関する実践的提言に結びつけることを目指す。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、研究代表者及び各研究分担者において、以下のように研究が進展した。 第一に、サステナビリティに対する取り組みが日本でも進展を見せていることをふまえ、それを日本のコーポレートガバナンスに位置づけて記述する作業を行った。これは、令和3年度に米国中心のオンライン学会において研究代表者が行った報告をベースとしつつ、学会において参加者から受けた指摘への対応を盛り込んで論文の形にしたものであり、ドイツで発行される日本法の専門誌に掲載された。 第二に、「ビジネスと人権」に関するサプライチェーンの管理が日本でも急速に問題とされた中で、この問題に関するガイドラインを策定する会議の座長に研究分担者の松井が任命されたことから、松井が論文を学術雑誌『ジュリスト』に執筆し、また研究代表者の小塚が国際取引法学会で基調報告を行った。 第三に、サプライチェーンの管理は契約法の問題でもあることから、契約チームにおいてこの問題に対する海外のアプローチを調査した。そして、それらをふまえた考察を研究分担者の木戸が論文として執筆し、学術雑誌『ジュリスト』に掲載した。 第四に、取締役会における女性の任用を中心としたダイバーシティの問題に関しては、会社法チームの杉山が実態調査をふまえた学会報告を日本経営学会及び人材育成学会で行い、また論文を執筆した。経済分析チームでは、女性取締役の存在がコーポレートガバナンスに与える経済効果について、胥・高橋・松中が学会報告を行った。 第五に、コーポレートガバナンスと地球環境に関する理論について、梅村が機関投資家の責任に関する論文を執筆したほか、大杉及び松中が基礎的な考察を論文として執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、「コーポレートガバナンスにおけるサステナビリティ」と「取締役会のダイバーシティ」という二つの点に対して問題意識を持ち、株主利益を中心とした近時のコーポレートガバナンス改革との連続性を検証しているところ、この二つの問題領域の双方において、学会報告と論文執筆が進展している。また、アプローチとしては、会社法の理論、契約法の理論、経営学をふまえた実証研究、法と経済学の方法論による実証研究を併用することとしているところ、それらすべてのチームにおいて実績が報告されていることから、順調に進展していると評価することができる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ここまで順調に展開してきた研究成果を海外の学界に対して提示し、評価を受けることを大きな目標とする。すでに、2023年10月に台湾の国立中興大学において開催される「比較コーポレートガバナンス」のコンファレンス及び2023年11月にマドリッド第三大学において開催される「サステナビリティとグローバル・サプライチェーン」というシンポジウムに研究代表者の小塚が招待されているので、その機会にこれまでの研究成果を公表することとする。このうち後者においては、令和4年度に契約チームが検討したサステナビリティを実現するための契約ガバナンスの議論をコーポレートガバナンスの議論と接続した上で、その考え方について批判を受けることを試みたい。また、経済学の実証研究としては、これまで主として取締役会のダイバーシティに関する研究を行ってきたが、CDPの実証データの分析も進め、経済理論から見た「サステナビリティ・ガバナンス」の実証分析にも着手したい。
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