研究課題/領域番号 |
23K20629
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補助金の研究課題番号 |
21H00749 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鄭 有希 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (00468828)
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研究分担者 |
竹内 規彦 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (40387569)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 組織魅力 / 道具的属性 / 象徴的属性 / 企業イメージ / 日本文脈 / 採用活動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の最終年度である2024年度は、企業側のイメージと求職者が感じる企業イメージとの関係を調整・媒介すると想定される企業の採用活動の仮説モデルを構築し、定量的に分析することを主な目的とする。具体的には、2021年度から2023年度にかけて実施した調査の結果をもとに構築した仮説モデルを検証するために、日本企業(経営・人事部門)と求職者(大学生・大学院生)を対象とした縦断調査を実施し、収集したデータを分析し、その結果に基づいて論文化を進め、海外のトップジャーナルに投稿を予定している。
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研究実績の概要 |
「企業の採用活動と組織魅力に関する統合的研究:道具的―象徴的枠組みからの接近」という題名で、2021年度から4年間の計画で研究を進めている。本研究課題の主な目的は、企業イメージを構成する道具的属性(給与、勤務地など)と象徴的属性(家族的企業、創造的企業など)の概念的枠組みを用いて、多様な採用形態(新卒採用、中途採用、再雇用など)に対応できる新たなモデルを構築するための理論的・実証的研究を行うことである。 上記の研究目標を達成するため、2023年度では、企業側の自社イメージと求職者が知覚する企業イメージの関係を調整もしくは媒介すると想定される企業の採用活動(採用方針、採用ツールなど)に関する仮説モデルを構築し、定量的調査を実施した。具体的には、2022年度まで実施した研究で得られた知見に基づき、企業(経営者・人事部)及び求職者(大学生・大学院生)から得られる定性・定量データで検証可能な複数の作業仮説を設定し、作業仮説に沿った測定尺度を盛り込んだ質問紙(企業用・求職者用)の設計及び求職者を対象に実施する質問紙の作成を行った。 2023年度の研究成果の一部は、国際および国内の学術会議で報告され、特に東京都立大学南大沢キャンパスにて開催された経営行動科学学会第26回年次大会では、「組織社会化戦術の隠れた効果:入社前の組織魅力は入社後の社会化に影響を及ぼすか」のタイトルで報告した論文が大会優秀賞を受賞した。本受賞論文では、企業の採用活動が入社前の企業イメージだけではなく、入社後の組織社会化にも重要な影響を与えることが示唆され、本研究課題の仮説モデルを裏付ける重要な知見が得られた。 ・鄭有希・竹内規彦「組織社会化戦術の隠れた効果:入社前の組織魅力は入社後の社会化に影響を及ぼすか」経営行動科学学会第26回年次大会, 2023年10月, 東京都立大学南大沢キャンパス.【大会優秀賞受賞】
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で上述したように、2023年度は、①2022年度まで実施した研究で得られた知見に基づき、企業(経営者・人事部)及び求職者(大学生・大学院生)から得られる定性・定量データで検証可能な複数の作業仮説を設定、②作業仮説に沿った測定尺度を盛り込んだ質問紙(企業用・求職者用)の作成を行うことであった。 実際、2023年度前半期には、①採用・広報戦略・組織行動研究に関する文献レビューとデータ収集、②企業側の自社イメージと求職者が知覚する企業イメージの関係を調整もしくは媒介する要因を明らかにすることを目的として、求職者だけではなく企業(経営者・人事部)を対象とした定性調査(半構造化インタビュー)を実施した。また、2023年度後半期には、上記①②の研究成果を踏まえ、作業仮説に沿った測定尺度を盛り込んだ質問紙(企業用・求職者用)の質問紙の作成を行った。ただし、企業側(経営者・人事担当者)を対象としたヒアリング調査では、十分なサンプル数が確保できなかったものの、2023年度は概ね計画通りに進捗したと評価できる。2023年度の研究成果の一部は、以下のように国内外の学会で報告された。 ・鄭有希・竹内規彦「組織社会化戦術の隠れた効果:入社前の組織魅力は入社後の社会化に影響を及ぼすか」経営行動科学学会第26回年次大会, 2023年10月, 東京都立大学南大沢キャンパス.【大会優秀賞受賞】 ・Takeuchi, T., Takeuchi, N., & Jung, Y. "Effects of Newcomers’ Induction Training on Socialization Outcomes: Evidence from a Japanese Organization" The 6th International Conference on Contemporary Issues in Economics, Management and Business 2023年11月, National Economics University and Australian National University【国際学会】
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、まずは、企業の採用活動や採用方針に関する洞察を深め、研究結果の信頼性を高めるためには、企業側の視点をより十分に把握するために、企業側(経営者・人事担当者)に対するヒアリング調査のサンプル数を増やす必要がある。具体的には、本研究課題の代表者と分担者が勤務する大学のOB・OGネットワークを活用し、企業経営者・人事担当者へのアプローチを検討している(既に、大手銀行、小売業、IT企業の人事担当者からヒアリング調査への協力の意向を得ている)。また、来年度(本研究課題の最終年度)に予定している定量調査・実験では、仮説モデルの検証のため、企業・求職者双方から定量的なデータを収集すると同時に、得られた結果をもとに、国内外の学会や学術誌で積極的な報告を行う予定である。
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