研究課題/領域番号 |
23K20634
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補助金の研究課題番号 |
21H00758 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
高嶋 克義 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (30197090)
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研究分担者 |
南 知惠子 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 教授 (90254234)
平野 光俊 大手前大学, 現代社会学部, 教授 (10346281)
松尾 睦 青山学院大学, 経営学部, 教授 (20268593)
西村 順二 甲南大学, 経営学部, 教授 (60198504)
清水 信年 流通科学大学, 商学部, 教授 (70330529)
金 昌柱 立命館大学, 経営学部, 教授 (40580501)
小宮 一高 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (90335836)
結城 祥 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10554321)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 仕入プロセス革新 / 小売業 / マーチャンダイジング / サプライチェーン / EC / プロセス革新 / 仕入活動 / 組織構造 / 企業間関係 / 情報化 / PB |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では、小売企業が仕入活動におけるプロセス革新を通じて競争優位性を構築する局面を考察する。仕入活動のプロセス革新とは、PB開発やサプライチェーンの改善などの取組みであり、社会における情報化の進展や環境意識の高まりとともに重要な経営課題となっている。本研究では、仕入プロセス革新が小売企業の組織体制や仕入先との企業間関係によって規定されることを実証研究によって明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、小売仕入活動におけるプロセス革新を通じて小売企業が競争優位性を構築する行動を考察することにある。2022年度では、小売企業を対象とする質問紙調査による定量的データに基づく小売仕入活動におけるプロセス革新に関する仮説の検証を行った。具体的には、Kim, Ishii & Park (2022)では、小売企業における仕入プロセス革新の一つとしての共同仕入組織の構築を取り上げ、小売企業が共同仕入組織を戦略的に構築し管理することが、共同仕入組織のブランド資産をもたらすことで、小売企業間の水平的な戦略連携による経営成果を高めることを実証研究に基づき明らかにしている。 また、Dessein, Lo & Minami (2022)では、小売企業の組織的条件に関する視点から、小売企業における部門間調整の必要性が低い状況では、分権的な組織構造であるほど局所的な環境変化に対応できるが、部門間調整の必要性が高い状況では、集権的な組織のほうが、むしろ、局所的な環境変化に対応できることを実証研究から明らかにした。 そして、プロセス革新を支える組織的条件の一つである人材育成の課題に関しては、組織学習、チームのビジョン共有の視点から、Matsuo (2022)などの研究が行われた。また、小売業における仕入プロセス革新への情報技術革新の導入の影響に関しては、高嶋(2022)が流通モードと取引費用の概念を用いた理論的研究を行い、小売業における情報技術革新の導入が、汎用的なデジタル技術のもとでの事業規模拡大への志向を強化し、小売サービスの同質化を通じての価格競争をもたらすだけでなく、この価格競争を回避するために、競合企業に対する排他性を確保する後方組織化が展開され、それが汎用的な技術の採用や事業規模拡大の制約になることを説明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定量的なデータの分析作業をはじめとする本研究課題に関する研究は順調に行われ、2022年度における研究の成果が、海外の査読雑誌に掲載となり、研究成果の海外への発信という点での実績が積み上がりつつあるため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究においては、小売企業の仕入活動に関する理論研究を進めるとともに、これら諸研究に基づいた仮説モデルを検証する定量的な実証分析を中心に取り組む計画である。この実証分析で取り組む具体的な研究課題としては、仕入プロセス革新がいかに導入・展開され、優位性に結び付くのかなどの研究課題について、とくに仕入プロセス革新を促進する小売企業の組織的条件に関する研究を行うことにする。また、これまでの研究から近年の仕入プロセス革新が小売企業におけるサステナビリティの追求に伴って行われる傾向があると示唆されることから、サステナビリティ追求に関わる仕入プロセス革新に関する組織的条件についても考察を行う。そして、これらの領域の研究については、高嶋、南、金が中心となって取り組む計画である。 さらに、2023年度では、企業組織の権限構造や部門間関係、仕入担当者の人的資源管理様式などの組織的要因がプロセス革新をいかに動機付けるのかという視点での実証分析を進める計画であり、この課題については、平野と松尾が中心となって取り組む計画である。 それに加えて、仕入プロセス革新を推進するうえでの仕入先に対する企業間関係の管理に関して、仕入プロセス革新の推進が仕入先とのパワー関係や協調的関係を管理する行動や仕入先に対するチャネル交渉戦略といかに関連するかという仮説を洗練化させて、分析を進める。この領域の研究については、結城、西村、小宮、清水が中心となって取り組む計画である。
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