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日米中の保育者の多様な声に基づく「文化的営みとしての保育」概念の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K20692
補助金の研究課題番号 21H00842 (2021-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2021-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分09030:子ども学および保育学関連
研究機関広島大学

研究代表者

中坪 史典  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (10259715)

研究分担者 内田 千春  東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 教授 (20460553)
肥田 武  一宮研伸大学, 看護学部, 講師 (30774955)
加藤 望  名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 准教授 (60734473)
ポーター 倫子  北陸学院大学, 教育学部(幼児教育学科), 教授 (70194496)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワード文化的営みとしての保育 / 日本 / 米国 / 中国 / 保育者
研究開始時の研究の概要

本研究は、子どもに対する保育者の介入の有無や度合いに注目し、日米中でそれぞれどのような特徴を有しているのかを検討する。それによって保育者の行為や保育の仕方は、文化によって異なること(「文化的営みとしての保育」であること)を実証する。本研究が文化によって異なる保育のありようを描き出すことで、各国で「適切」とされるケースについて、異国の保育者は、それがどのような点で自分たちと類似し共感するのか、どのような点で自分たちと異なり違和感を抱くのかなど、国際的な議論を拓くことができる。

研究実績の概要

本研究の目的は、子どもに対する保育者の介入の有無や度合いに注目し、日米中の保育者の特徴を明らかにすることで、文化によって異なる保育のありよう (「文化的営みとしての保育」)を描き出すことである。当該年度(2023年度)における研究実績の概要として、次の点を挙げることができる。
第一に、2021-2022年度に作成した国内3園(「東京:佼成育子園」「広島:かえで幼稚園」「広島:広島大学附属幼稚園」)の映像データについて、上記3園以外の保育者(日本、米国、中国)に視聴してもらい(「当事者と同国で異なる園の立場」当事者とは異国の立場」)、子どもに対す る保育者の介入の有無や度合いなどについて、園単位で自由に語り合ってもらった(Focus Group Interview: FGI)。
第二に、以上のようなインタビューデータの収集を行うとともに、「広島:かえで幼稚園」の映像データとそれに対するインタビュー データについて、運動会のクラス対抗競技における子どもに対する保育者の介入に着目して分析を行なった。その結 果、「なぜ日本の保育者は、運動会で子どもたちを競争させるのか?」というリサーチクエスチョンが浮かび上がった。これについて共同研究者間で検討したと ころ、このリサーチクエスチョンを明らかにすることで、日本における文化的営みとしての保育の一端を描き出すことができると判断した。
第三に、「東京:佼成育子園」の映像データとそれに対するインタビュー データについて、乳児(0-2歳児)クラスにおける子どもに対する保育者の背中を用いた介入に着目して分析を行なった。その結 果、「なぜ日本の保育者は、自らの背中を用いて子どもたちとかかわるのか?」というリサーチクエスチョンが浮かび上がった。これについて共同研究者間で検討したと ころ、このリサーチクエスチョンを明らかにすることで、日本における文化的営みとしての保育の一端を描き出すことができると判断した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究初年度は、COVID-19の影響により、海外への渡航や国内の感染拡大地域への移動が困難であったことから、国内3園のフィールドワークに従事して研究を進めることとした。その目的は、日本の保育者の特徴が含有されていると思われる映像データを作成することであった。実際に、「東京:佼成育子園」「広島:かえで幼稚園」「広島:広島大学附属幼稚園」について、子どもに対する保育者の介入の有無や度合いの様子が収められた映像データを作成することができた。また、「広島:かえで幼稚園」の映像をもとに、「なぜ日本の保育者は、運動会で子どもたちを競争させるのか?」というリサーチクエスチョンを浮かび上がらせるとともに、インタビューデータの質的分析を通して、結果を示すことができた。この研究結果は、現在、SSCIジャーナルであるEarly Childhood Research Quarterly (ECRQ) に投稿中である。さらに、「東京:佼成育子園」の映像をもとに、「なぜ日本の保育者は、背中を用いて子どもたちとかかわるのか?」というリサーチクエスチョンを浮かび上がらせることができた。従って本研究は、当初の予定と変更はあったものの、おおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

本研究課題の今後の推進方策について、次の点を挙げることができる。第一に、既述したように「東京:佼成育子園」の映像データの分析に着手したとこ ろ、「なぜ日本の保育者は、運動会で子どもたちを競争させるのか?」というリサーチクエスチョンが浮かび上がった。今後は、SCAT(Steps for Coding and Theorization)と呼ばれる質的データ分析法を用いることで、リサーチクエスチョンを明らかにする必要がある。第二に、「広島:広島大学附属幼稚園」の映像データとそれに対するFGIデータから分析に着手することで、リサーチクエスチョンを立てる必要がある。第三に、米国と中国の園を対象にフィールドワークを実施することで、それぞれの国の保育者の特徴が含有されていると思われる映像データを作成する必要がある。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (20件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (7件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] Qingdao University(中国)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] San Francisco State University/Pierce College/University of Mississippi(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] Chang Gung University of Science(台湾)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] Qingdao University(中国)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [国際共同研究] San Francisco State University/Pierce College/University of Mississippi(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [国際共同研究] Qingdao University(中国)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [国際共同研究] San Francisco State University(米国)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] なぜ日本の保育者はクラスのすべての子どもが当番活動を行うことに肯定的なのか?2023

    • 著者名/発表者名
      加藤望・肥田武・中坪史典
    • 学会等名
      日本子ども社会学会第29回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 保育士が乳児に「寄り添う」とはどういうことか?:入園時に泣きじゃくる生後10ヶ月の女児に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      水野佳津子・中坪史典
    • 学会等名
      日本子ども社会学会第29回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 日米の保育者は「背中の保育」をどう捉えるのか?:乳児に対して保育者が背中を用いるアプローチをめぐる語りから2023

    • 著者名/発表者名
      中坪史典・肥田武・ 加藤望・内田千春
    • 学会等名
      日本教育学会第82回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] How Do the US Nursery Teachers View the Japanese Nursery Teacher using her back to interact with infants and toddlers?2023

    • 著者名/発表者名
      Fuminori Nakatsubo, Nozomi Kato, Hehong Quan, Takeshi Hida, Chiharu Uchida
    • 学会等名
      The 43rd Annual Conference of the International Association of Early Childhood Education(国際学会)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 保育者の実践知を探る質的データ分析法としてのSCAT2023

    • 著者名/発表者名
      中坪史典・肥田武・ 加藤望・内田千春
    • 学会等名
      日本乳幼児教育学会第33回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Why do the Japanese Early Childhood Teachers Give Young Children Compete in the “Sports Day”?: Focusing on the Case of Class Competition?2023

    • 著者名/発表者名
      Fuminori Nakatsubo, Nozomi Kato, Takeshi Hida, Hehong Quan, Jingyu He , & Chiharu Uchida
    • 学会等名
      The 21st Annual Hawaii International Conference on Education
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 保育の見守る場面における「最小限の一時介入」2022

    • 著者名/発表者名
      上田敏丈・中坪史典
    • 学会等名
      日本質的心理学会第19大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 米国の保育者は日本の幼稚園における当番活動をどのように捉えるのか?2022

    • 著者名/発表者名
      加藤望・中坪史典・肥田武・内田千春・何京玉・権赫虹
    • 学会等名
      日本質的心理学会第19大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 保育士が乳児に寄り添うとはどういうことか?-排泄をめぐる絵本の読み聞かせに着目して-2022

    • 著者名/発表者名
      水野佳津子・中坪史典
    • 学会等名
      国際幼児教育学会第43回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] なぜ保育者は運動会の「クラス対抗競技」で子どもたちを競争させるのか?-ある幼稚園の事例から-2022

    • 著者名/発表者名
      中坪史典・肥田武・加藤望・内田千春
    • 学会等名
      日本教育学会第81回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 幼稚園におけるクラス対抗競技をめぐる日本と米国の保育者の考え方2022

    • 著者名/発表者名
      中坪史典・肥田武・加藤望
    • 学会等名
      日本子ども社会学会第28回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] How Do Early Childhood Teachers in the U.S. View the Class Competition by Five-Year-Olds at a Japanese Sports Day?2021

    • 著者名/発表者名
      Fuminori Nakatsubo, Nozomi Kato, Hehong Quan, Takeshi Hida, Chiharu Uchida, Jingyu He
    • 学会等名
      The 42nd Annual Conference of the International Association of Early Childhood Education
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会・シンポジウム開催] The 42nd Annual Conference of the International Association of Early Childhood Education2021

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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