研究課題/領域番号 |
23K20693
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補助金の研究課題番号 |
21H00843 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
竹内 日登美 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (10770620)
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研究分担者 |
川俣 美砂子 中村学園大学短期大学部, 幼児保育学科, 教授 (20462096)
中出 美代 東海学園大学, 健康栄養学部, 教授 (80352855)
原田 哲夫 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (60260692)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 子ども学 / 幼児 / 生活リズム / 生活リズム管理能力 / 保護者の睡眠衛生 |
研究開始時の研究の概要 |
就学前の子どもが保護者と協同して生活リズム改善に取り組み、子どもが生活リズムを自己管理する力を身に着けると同時に、保護者自身の睡眠衛生を改善するプログラムを策定するため、まず、質問紙等による基礎調査によって、日常生活で子ども・保護者それぞれの生活リズムと、その乱れの要因となる具体的事柄を調査する。この結果から生活リズムの乱れとその要因のタイプ分類を行い、生活リズムの乱れとその要因を簡易に判定するチェックシートと、それぞれのタイプに適した改善方法を策定、適切な教材を作成する。協力園でこれらを使用した介入調査を実施、親子の生活リズム、保護者の睡眠負債や育児ストレスについても改善効果を検証する。
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研究実績の概要 |
2021年度に高知県内で実施した先行調査(質問紙調査)のデータ(3歳以上の未就学児)を分析し、保育保健学会にて特にワンオペ育児の保護者では帰宅時刻の遅れが子どもの就寝時刻の遅れにつながることや、幼児でも、寝る大切さなどの理由を併せて説明することで早寝などの生活習慣作りにつながることを報告した。また、睡眠学会では2022年度に行った全国調査データを分析し、高知県で行った先行調査と同様に、理由を併せて説明することが、子どもの生活リズムの定着に役立つことを報告した。時間生物学会では、2022年度に行った全国調査データを分析し、男性保護者より女性保護者は平日・休日ともに早寝・早起きであることや、若い年代ほど社会的時差が大きいこと、同じ育児期であっても保護者の年代が異なれば睡眠衛生上の問題は異なることを報告した。生理人類学会では、甘い菓子を取る幼児は夜更かし朝寝坊型が多く、また、睡眠負債を蓄積させるような保護者の不健康な睡眠習慣は不適切な食習慣につながる可能性があることを報告した。 さらに、2022年度に実施した全国調査データと、同時期に高知県で同じ項目の質問紙を用いて行った調査データを併せて分析し、3歳以上の未就学児の睡眠・生活リズムは、大きく5つのパターンに分かれること、また、そのパターンに特に影響する生活習慣があることが明らかになった。これらの結果から、保護者と幼児がともに生活の見直しをするためのワークシートの概略を策定するとともに、そのワークシートを使用する際、保護者に配布する解説書の原稿を作成し、保護者版については、次年度の介入調査に向けて印刷物を作成した。またこの分析結果は、2024年度の睡眠学会での発表登録を行っている。併せて、高知県と全国の幼児の睡眠パターンや、それに影響する生活習慣の違いについては、2024年度の保育保意見学会で報告すべく、発表登録を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度末に大学の所属部局で急な欠員が出て、2023年度はその選考業務にあたるとともに、欠員分の教務・校務を分担することになり、研究のための時間の確保が困難であった。また、共同研究者も校務の増加と家庭の事情が重なって、研究に充てる時間を確保することが難しい状況となり、打ち合わせや調査・分析がなかなか進まなかった。これらの事情が重なったことにより、当初予定の教材開発はおおむね実施できたものの、介入調査まで進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度試作した保護者向け教材に加えて、現在作成中の子ども向け教材を完成させる。子ども向け教材は、生活リズムの乱れとその要因を見直すためのチェックシートと、改善プログラムへの参加時に使用する教材の2つになる。チェックシートの項目を用いた質問紙調査を行い、弁別力の検証も実施する(乳幼児の保護者500~1000名対象、回収率は40~60%を想定)。併せて、作成した教材を用い、(a) 保護者自身の生活リズム・睡眠衛生上の問題、(b) 子どもの生活リズムの問題、(c) aとbを改善するための生活時間や生活習慣、生活習慣作りにおける保護者の子どもへの関わり方、における見直し点を家庭全体で話し合いながら把握し、(d) 改善するための取り組み項目の決定を順番に行う、ワークシートのような形式を予定している。なお、このワークシートに付属する保護者向け解説書 (2022年度に実施した全国調査の分析結果をもとに、子どもの睡眠・生活リズムのパターンとそれに影響を与える要因にについて説明したもの)は2023年度に作成済みであり、この解説書と呼応する形になるよう、開発を進める。 また、前後での質問紙調査を含む、教材を用いた介入調査を行う。比較的少数が対象となるものの、対象者を追跡できる形での介入調査を行い、効果を検討する予定である。 既に登録している睡眠学会、保育保健学会での発表も実施するとともに、学術論文として成果を公表することを目指す。
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