研究課題/領域番号 |
23K20711
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補助金の研究課題番号 |
21H00874 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 友弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (90280552)
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研究分担者 |
平山 祐一郎 東京家政大学, 家政学部, 教授 (10299894)
佐藤 純 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (20327266)
銀島 文 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 部長 (30293327)
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 教授 (30542328)
服部 環 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (70198761)
久保 沙織 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (70631943)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | メタ認知 / 主体性評価 / 高校生 / 標準検査 / CBT / 主体的に学習に取り組む態度 / 項目反応理論 / 調査書 / コンピュータ適応型テスト |
研究開始時の研究の概要 |
現在、高校教員には生徒の「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性)」を的確に捉えた調査書の作成が求められている。そこで、本研究では、「主体性」を支えるメタ認知に着目し、高校生向け標準検査を開発する。その際、項目反応理論(item response theory:IRT)に基づく項目プールを構築し、CBT(computer based testing)システムに実装する。これにより、高校教員の実施負担、高校生の回答負担を軽減しながら、メタ認知の効率的かつ高精度での測定・評価が可能となる。大学入学者選抜の資料として、調査書の妥当性・信頼性が高まることが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では,CBTによる高校向け標準メタ認知検査の開発を目的に,3つの班(標準検査開発班、統計分析班、システム開発班)を組織し,相互に連携させながら進めている。令和5年度の各班の成果は次の通りである。 (1)標準検査開発班:メタ認知と非認知能力の関連について文献研究を行った。また,発達的様相と海外の動向についての情報収集(国内の保育者,高校教員,海外の高校生,高校教員,大学教員等に対する聞き取り調査)を実施した。それらの結果に基づき,メタ認知の概念構造の精緻化と内容についての再検討を行い,前年度収集した標準化のための予備調査データを再分析するための枠組みを作成した。また,標準化のための本調査計画の見直しを図り,確実な実施のための準備を進めた。 (2)統計分析班:上記(1)で作成した分析枠組みに基づき,前年度収集した標準化のための予備調査データを再度分析し,メタ認知の因子構造の検証と下位尺度構成を行った。また,IRTに基づくCBT(リニア方式)のための,統計的品質のそろった複数の項目セットを作成した。 (3)システム開発班:主に高校教員を対象にCBTシステムの使い勝手と高校での運用について聞き取り調査を行った。その結果に基づき,CBTシステムの操作インタフェースの改良を行った。また,クラス単位での一斉利用にも対応できるよう,サーバの容量・機能等の改善を図った。さらに,システムの操作と結果の見方についてのユーザ用マニュアルの策定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた標準化のための本調査が延期されたが,基盤となるメタ認知の検査項目の精緻化と,CBTシステムの改善が図られたため,「やや遅れている」と評価した。 標準化のための本調査が延期された理由は,まず,標準検査開発班において,非認知能力との関連や発達的様相等を踏まえて,メタ認知の概念構造と内容の見直しを図ったからである。それと連動するかたちで,分析枠組みも見直され,統計分析班においては標準化のための予備調査データの再分析を行うこととなった。その結果,本調査で使用するIRT-CBT(リニア方式)のための項目セットの作成が遅れるに至った。 また,標準化のための本調査の実施時期が変更となったため,当初予定していた高校での実施が難しくなった。そのため,新たに調査協力校を確保せざるを得ない状況となり,調査計画の見直しを行うこととなった。一方では,高校教員からの聞き取り調査で,CBTシステムにも改良の必要性があることが判明した。 以上から,総合的に判断して標準化のための本調査を延期することとした。
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今後の研究の推進方策 |
各班において,延期された標準化のための本調査を確実に実施するために,次の推進方策を講じる。 (1)標準検査開発班:標準化のための本調査の確実な実施のための準備を整える。とくに調査参加者の確保を最優先にする。高校単位での依頼に加えて,オンライン調査である利点を生かし,調査会社を通して調査参加者を広く募る方法も採用する。また,調査実施後の分析指針を策定し,統計分析班との連携を強化する。 (2)統計分析班:メタ認知検査の複数セットと妥当性検証用の心理尺度等をCBTシステムに実装し,想定通りに動くかについて確認する。また,標準化のための本調査の際,一定程度のデータが蓄積され次第,適宜,分析を行う。 (3)システム開発班:高校生向けのCBTシステムの使用マニュアルを完成させ,標準化のための本調査の際,配布する。また,システムの運行状況についてモニタリングを強化する。 以上に加え,研究成果の発表についての打ち合わせを開催し,雑誌論文への投稿等を推進する。
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