• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

聴覚障害幼児に対する「読み聞かせ」の指導スキル確立に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K20718
補助金の研究課題番号 21H00883 (2021-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2021-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分09060:特別支援教育関連
研究機関筑波大学

研究代表者

左藤 敦子  筑波大学, 人間系, 准教授 (90503699)

研究分担者 庄司 和史  信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (20528640)
武居 渡  金沢大学, 学校教育系, 教授 (70322112)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
キーワード聴覚障害幼児 / 絵本の読み聞かせ / 相互作用 / 読み方のスタイル / 指導スキル / 視線行動 / 読み聞かせ / 聴覚障害 / 特別支援学校(聴覚障害)幼稚部 / 絵本 / 発達段階 / 読み聞かせのスキル
研究開始時の研究の概要

本研究は、聴覚障害幼児に向けた絵本読み聞かせ活動に焦点をあて、聴覚障害幼児に対してどのような読み聞かせ方をし、どのような配慮や教育活動の工夫を行っているのかに関するエビデンスを明らかにすることを目的としている。
これまでの検討より、「聴覚障害幼児の絵本のストーリー理解を深めるように、絵本の読み方を絵本に書かれている文表現をかえて、やりとりを工夫をする読み方」と、「絵本の世界観や絵本に書かれている文表現を味わうことを楽しむ読み方」の2つの読み方のスタイルが明らかとなった。子どもの実態や教育活動に対する目的にあわせて、教員が絵本の読み方を変えていることが示された。

研究実績の概要

本研究は、効果的な読み聞かせ活動の指導スキルをエビデンス化し、言語発達初期段階にある聴覚障害幼児に対する絵本の読み聞かせ活動の特徴を実証することを目的としている。
昨年度の予備調査をもとに、読み聞かせ活動を行っている読み手の発話の特徴と視線行動について分析を行った。絵本の表現にそって読み聞かせを行った5歳児の活動では、絵本に対する停留回数と停留時間が長い傾向にあった。一方、絵本の内容をわかりやすく表現を変え、やりとりを楽しみながら読み聞かせを行った4歳児の活動では、聞き手の聴覚障害幼児に対する停留回数と停留時間が長い傾向にあった。また、5歳児では、活動の導入の「表紙の絵」をもとにしたやりとりで絵本の内容への興味関心を高め、読後の「物語の振返り」によって絵本の世界観と子ども個々の実体験を結びつけ、理解を深めていく様子がうかがえた。本分析でとりあげた活動の特徴の差違は、絵本の読み聞かせ活動を行う上でのねらいに起因するものと考えられ、絵本の読み聞かせの目的や聞き手である聴覚障害幼児の発達段階など様々な要因が読み方のスタイルに影響を及ぼすことも示唆された。
さらに、聴覚障害(幼稚部)を担当している教員を対象としたインタビューの予備調査を行った。聴覚障害幼児に対する絵本の読み聞かせの配慮に関して、3歳児では絵本を介したやりとりを楽しむことや、内容理解を深めるためのことばや表現への配慮、ペープサートの活用などが挙げられたが、5歳児では絵本の表現をそのまま読むように意識されていることが示唆された。さらに、選書の基準についても、3歳児段階では、読み手とのやりとりが活発となるような選書(単純でわかりやすいストーリー、オノマトペ、文表現が単純で短い等)をしているのに対して、4歳児および5歳児段階ではストーリー性や挿し絵の使い方などを意識した選書が行われていることがうかがえた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和3年度および4年度に実施予定であった特別支援学校(聴覚障害)における実地調査を令和5年度に行ったが、予備調査の段階にとどまり、本調査の実施ができなった。

今後の研究の推進方策

探索的調査で示された指摘をふまえて、聴覚障害(幼稚部)を担当している教員を対象とするインタビュー調査および質問調査を実施する予定である。特に、聴覚障害幼児に対する読み聞かせの特徴が明確になるように、特別支援学校幼稚部の教員とともに、幼稚園および保育所の教員も対象として調査を実施する予定である。
また、読み聞かせ活動を行うねらいの違いにより、教員がどのように読み聞かせを行うのかについて、相互作用および視線行動の分析を進める予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] ことばを育てるための指導(その2) -話し合い活動について-2024

    • 著者名/発表者名
      庄司和史
    • 雑誌名

      聴覚障害

      巻: 796 ページ: 14-19

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 難聴のある子どものことばの指導に関する様々なこと2023

    • 著者名/発表者名
      庄司和史
    • 雑誌名

      教職研究

      巻: 14 ページ: 1-18

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] ことばを育てるための指導(その1) -話しかけのポイントなど-2023

    • 著者名/発表者名
      庄司和史
    • 雑誌名

      聴覚障害

      巻: 795 ページ: 14-19

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 難聴のある子どもの聴覚活用のポイント とくに乳幼児の段階を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      庄司和史
    • 雑誌名

      教職研究

      巻: 13 ページ: 35-43

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 特別支援学校(聴覚障害)幼稚部における絵本活用 -幼稚部教員への面接調査による予備的検討-2024

    • 著者名/発表者名
      榎戸里佳・左藤敦子
    • 学会等名
      障害科学学会 2023年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 聴覚障害幼児に対する絵本読み聞かせの意義 -経験豊富な教員の視点から-2023

    • 著者名/発表者名
      左藤敦子・庄司和史・手塚清・菅原充範・山中健二
    • 学会等名
      日本特殊教育学会 第61回大会 自主シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 聴覚障害幼児に対する絵本の読み聞かせの特徴(2) -聴覚障害幼児の発話の特徴-2023

    • 著者名/発表者名
      左藤敦子・榎戸里佳・庄司和史
    • 学会等名
      障害科学学会 2022年度大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 聴覚障害幼児に対する絵本の読み聞かせの特徴 (3) -読み聞かせ活動における教員の発話の意図-2023

    • 著者名/発表者名
      庄司和史・左藤敦子・榎戸里佳
    • 学会等名
      障害科学学会 2022年度大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 聴覚障害幼児に対する絵本の読み聞かせの方略の分析観点に関する文献的検討2023

    • 著者名/発表者名
      榎戸里佳・左藤敦子
    • 学会等名
      障害科学学会 2022年度大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 聴覚障害幼児に対する絵本の読み聞かせ活動の特徴 -読み手の発話形態と発話内容-2022

    • 著者名/発表者名
      左藤敦子・庄司和史
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第60回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 聴覚障害幼児に対する絵本の読み聞かせの特徴に関する 予備的検討 -絵本のストーリーに関する表現-2022

    • 著者名/発表者名
      左藤敦子・庄司和史
    • 学会等名
      障害科学学会 2021年度大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi