研究課題/領域番号 |
23K20721
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補助金の研究課題番号 |
21H00890 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 鎮西学院大学 (2024) 佐賀大学 (2021-2023) |
研究代表者 |
松山 郁夫 鎮西学院大学, 総合社会学部, 教授 (90363415)
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研究分担者 |
日高 茂暢 佐賀大学, 教育学部, 講師 (20733942)
後藤 和彦 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 助教 (50907235)
中村 理美 福岡女学院大学, 人間関係学部, 講師 (60826593)
芳野 正昭 佐賀大学, 教育学部, 教授 (70284619)
井上 伸一 佐賀大学, 教育学部, 教授 (80260727)
山津 幸司 佐賀大学, 教育学部, 教授 (90299579)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
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キーワード | 発達性協調運動症 / 書字動作の視覚的モデル / 書字動作のイメージトレーニング / 書字活動に伴う眼球運動 / 書字活動に伴う脳血流活動 / 発達性協調運動症(DCD) / 事象関連電位研究 / 内部モデル障害仮説 / 病態から指導までの連続したDCDの理解 / 不器用 / 日本語書字動作 / 運動制御の内部モデル / 書字指導法 / 脳血流動態 / 脳波μ波 / 眼球運動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、次の3点について研究する。DCDの日本語書字動作における運動特徴から,運動制御の内部モデル障害仮説の検討を行う。DCDの日本語書字動作において,運動制御の内部モデルの獲得・修正を目標とした書字動作イメージの支援法について検討・開発を行う。DCDの日本語書字動作における介入の前後で,運動制御の内部モデルの獲得・修正がDCDの脳機能の変化に及ぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、書字動作の視覚的モデルやイメージトレーニングの指導項目を検討した。その際、書字活動に伴う眼球運動や脳血流活動に関する実験を調整しながらすすめた。書字の不器用さは注意の影響を受けるため、DCD児の注意機能を評価する目的で、オドボール課題を用いた事象関連電位研究の準備を行った。また、DCD児の書字指導について附属教育実践センターでのケースも交えながら検討を進めた。臨床経験と近年の心理学研究を踏まえ、内部モデル障害仮説(Internal modeling deficit, IMD)の観点からDCDにおける書字困難の論点整理を行った。その結果、DCDの書字困難について、学習障害やワーキングメモリ障害における書字困難である漢字の想起に関するものと混同し、筆記スキルという運動面への研究・支援が少ない可能性が示唆された。そこで、IMDの修正を目標としたMotor Imagery Training法をレビューし、病態から指導までの連続したDCDの理解について研究を進めた。その一端を論文化している。(「手書きの心理運動モデルと内部モデル障害仮説を用いた発達性協調運動症の書字困難に関する検討」(2023)(日高茂暢・後藤和彦・中村理美・山津幸司・井上伸一・芳野正昭・松山郁夫)九州生活福祉支援研究会研究論文集 16(2) 1-11.(査読付)に掲載した。) また、発達性協調運動症の論文を調査し、本研究と同様な研究がなされていないことを確認した。DCD の研究は、診断評価の研究、生理学的研究、心理学的研究、介入研究の 4 つに分類されると示唆された。このことについては、「発達性協調運動症に関する 2023 年の研究における知見」(2024)松山郁夫 九州生活福祉支援研究会研究論文集 17(3) 31-44.(査読付)に掲載した。 以上が令和5年度に行った主要な研究である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先述したが、書字の不器用さは注意の影響を受けるため、DCD児の注意機能を評価する目的で、オドボール課題を用いた事象関連電位研究の準備を行った。また、DCD児の書字指導について附属教育実践センターでのケースも交えながら検討を進めた。臨床経験と近年の心理学研究を踏まえ、内部モデル障害仮説(Internal modeling deficit, IMD)の観点からDCDにおける書字困難の論点整理を行った。その結果、DCDの書字困難について、学習障害やワーキングメモリ障害における書字困難である漢字の想起に関するものと混同し、筆記スキルという運動面への研究・支援が少ない可能性が示唆された。そこで、IMDの修正を目標としたMotor Imagery Training法をレビューし、病態から指導までの連続したDCDの理解について研究を進めた。また、本研究と同様の研究がなされていないことを関連文献をレヴューして確認した。新規性の高い研究が進行している状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、運動制御の内部モデルに働きかける日本語書字動作の指導法の効果測定を行う。日本語書字動作における運動イメージトレーニング法の効果の検証するために、調査予定期間は、2024年6月から2025年3月までとする。対象者は、特別支援学級・通級指導教室に在籍する書字困難のニーズをもつ児童とする。方法としては、運動イメージトレーニング法を実施する。効果の指標として書字の速さ、正確さ、脳血流動態、書字に対する自己認識、教師・保護者評定を用いる。 また、DCDの日本語書字動作における運動特徴から、運動制御の内部モデル障害仮説の検討を行う。DCDの日本語書字動作において、運動制御の内部モデルの獲得・修正を目標とした書字動作イメージの支援法について検討・開発を行う。日本語の書字動作の支援に関して、内部モデルを獲得・修正するのに有効なイメージトレーニング法が開発できれば、学校現場において活用しやすい支援プログラムとなる。さらに、DCDの日本語書字動作における介入の前後で、運動制御の内部モデルの獲得・修正がDCDの脳機能の変化に及ぼす影響を明らかにする。 これら2024年度の研究から得られた結果、および2021年度から2023年度に得られた結果ををまとめて研究報告書を作成する。その際、研究報告書については、関連機関に送付する。
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