研究課題/領域番号 |
23K20724
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補助金の研究課題番号 |
21H00894 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
野坂 大喜 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (80302040)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 複合現実 / 仮想現実 / 人工知能 / 現任教育 / 医学教育 / シミュレーション / OJT |
研究開始時の研究の概要 |
複合現実(MR)技術は保健学系学生の仮想化医療OJT技術として有用視されているものの,視覚に限定されており,採血など触覚を伴った仮想化医療OJT技術の確立には至っていない。本研究では,MR技術と3D造形技術の融合により視覚と触覚を統合した仮想化医療OJT技術と,個々の患者症例データを基に教育用のMR化を行う仮想化医療OJT教材作成技術の研究を行い,MR技術と3D造形技術を高度に融合させたハイブリッド式の仮想化医療OJT基盤技術と本技術を用いた新たな次世代医学教育手法を確立する。
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研究実績の概要 |
複合現実(MR)はVRとARの融合技術であり,操作者に危険を伴わず限りなく現実に近い仮想空間シミュレーション環境の構築を可能とする。MR技術は保健学系学生の仮想化医療OJT技術として有用視されているものの、視覚に限定されており、採血など触覚を伴った仮想化医療OJT技術の確立には至っていない。本研究では、MR技術と3D造形技術を高度に融合させたハイブリッド式の仮想化医療OJT基盤技術と本技術を用いた新たな次世代医学教育手法を確立することを目的とし、MR技術と3D造形技術の融合による視覚と触覚を統合した仮想化医療OJT技術と、個々の患者症例データを基に教育用のMR化を行う仮想化医療OJT教材作成技術の研究を行った。 本事業年度においては、前年度に研究したハイブリッド式仮想化医療OJTシステムと本システム用の仮想医療学習教材を使用し、仮想化医療OJTとフィジカル医療OJTの連携によるアクティブラーニングプログラムの研究を実施した。学習方法の比較検討を行うため、従前より行われている動画学習後のフィジカル医療OJTを対照として、動画学習・MR技術を用いた仮想OJT・フィジカル医療OJTを実施した。使用者のPDCAを実施すべく、両OJT実施者に対して実技動作を撮影し、フィジカル医療OJT後に医療行為動作の自己評価と、指導者側からの評価を実施した。その結果、仮想化医療OJT受講者の自己評価結果は有意に高く、本法の有効性が示された。特に仮想OJT受講者は仮想OJT時に自己の医療行為動作についてMRゴーグルを介して比較しながら動作したことで、適切な動作をトレーニングしたことがアンケートにより明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021から2022年度研究において3Dスキャンデータの収集と加工に時間を要したため、仮想化医療OJTの試作システム開発に遅延を生じた。3Dスキャンデータの収集と平行して仮想化医療OJTとフィジカル医療OJTの連携によるアクティブラーニングプログラムの研究を実施し、本プログラムの有効性について初期評価に至ったことで、OJTシステムとしての技術的改良点は見受けられるものの当初予定技術レベルには到達しているほか、OJTプログラムとしての有効性評価についても当初計画を達成した。しかし、本OJTトレーニング技術開発においてはトレーニング者が自己評価のみならず客観的な指標に基づいてPDCAを実施すべく、仮想化医療OJTにおける臨床スキルスコア評価技術の研究を行うこととしているが、指導者によるスコア化までは至っているものの、自己評価結果と指導者スコア結果に乖離を認めている。これは指導者視点とトレーニング者の評価視点が異なることが一因として考えられ、アクティブトレーニングの評価視点についての検討が別途必要となっている。 以上のことから、現在までの進捗状況はやや遅れが生じているものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においては、2023年度と2024年度の2カ年で仮想化医療OJTにおける臨床スキルスコア評価技術の研究と仮想化医療OJTシステムの実践的検証と改良を行うこととしている。仮想化医療OJTにおける臨床スキルスコア評価技術の研究においては、指導者によるスコア評価化までは至っているものの、トレーニング者の自己評価結果と指導者スコア結果に乖離を認めており、これは指導者視点とトレーニング者の評価視点が異なることが一因として考えられる。そのためスコア化においては、自己評価と指導者とが同一の視点から評価を行うための、動画採点システムについて追加検討を実施する。また、仮想化医療OJTシステムの実践的検証と改良においては客観的臨床能力試験への応用化を目指しており、医療系学生を対象として客観的臨床能力試験前に、同試験内容を反映させた仮想化医療OJTシステムを用いた実践的検証を行い、評価者の採点結果と臨床スキルスコア評価結果の相関を明らかにし、仮想化OJT技術の有用性とスコア評価技術の精度を検討する。
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