研究課題/領域番号 |
23K20735
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補助金の研究課題番号 |
21H00908 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
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研究分担者 |
大西 峻 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10614638)
村上 雅一 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (40825361)
加治 建 久留米大学, 医学部, 教授 (50315420)
植村 宗則 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50636157)
武藤 充 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70404522)
春松 敏夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70614642)
山田 耕嗣 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80528042)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 小児内視鏡外科手術 / 疾患特異的シミュレータ / オンラインコーチングシステム / 網羅的シミュレータ / 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術 / ワークショップ / 臨床導入 / オンラインコーチング / Validation Study / トレーニング効果 |
研究開始時の研究の概要 |
疾患特異的なシミュレータ作成の試みは小児外科領域では行われているもの、実臨床での有効性も含めた報告はそれほど多くなく、またオンラインコーチングとチェックリストを併用して術者の技量評価を行うシミュレータの報告はない。 本研究では、実際の小児内視鏡外科手術における高難度手術に必要な手技を習得でき、またシミュレーション手術とチェックリストによって術者の技量を実際の執刀前に評価できる疾患特異的シミュレータを開発し、国内若手小児外科医や発展途上国の小児外科医にオンラインコーチング・テレシミュレーション教育を行い、小児内視鏡外科手術の導入及び普及に寄与することを目的とする.
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研究実績の概要 |
我々は疾患型シミュレータを用いたトレーニング行い、それを遠隔地からのオンラインコーチングで技術的に向上させる取り組みを行ったので報告する。 【対象と方法】被検者は先天性胆道拡張症に対する腹腔鏡下肝管空腸吻合術の未経験者(筆頭演者)で、方法は肝管空腸吻合シミュレータを鹿児島大学から現地に送り、オンライン(ZOOM)で未経験者が肝管空腸吻合を体腔内結紮で行い、指導者および経験者からZoomのアノテーション機能を用いた指導を受けた。オフラインでは、未経験者がシミュレータで反復練習し、現地経験者が監督した。 【縫合スキルの評価】Para-axial positionで、吻合部の前壁を空腸から肝管の順に3か所の運針と結紮を行い、縫合時間と運針(空腸/肝管の各0-2点)の精確性・結紮(0-2点)の確実性をスコアリングした(1針6点/合計18点)。 【オンラインコーチングの実際】未経験者の肝管空腸吻合を供覧後、参加した指導者と経験者がアノテーション機能を用いて、鉗子の方向、針の把持、運針の角度などを具体的に指導した。加えて遠隔地の指導者が同型のシミュレータで運針・縫合をデモンストレーションし参加者全員に共有した。3週間で3回のオンラインコーチングを行った。 【未経験者への効果】 初回は全く指導を受けないまま縫合し、縫合時間47分、スコア5点であった。課題は、1.左手把持鉗子で針先を持つ際のジョー先端の方向(上向き) 2.右手持針器で針を持つ角度3.運針前に運針位置を確認 4.結紮直前は糸のテールを左手把持鉗子で把持し、テールがでるまで左手把持鉗子は8時方向に回内しながら引く(ジョー先端下向き) 5.結紮時は左手把持鉗子を1時方向に押し、右手持針器を7時方向牽引などであった。2回目/3回目のオンラインコーチングでは、縫合時間は24分/21分と短縮、スコアは7点/14点と向上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内におけるオンラインコーチングを宮崎ー鹿児島間で疾患型シミュレータを使って行った。被験者の技術は有意差をもって向上し、その後に被験者が執刀した高難度手術は、オンサイトで指導を行った指導医が交代することなく独力で完遂した。また術後経過も問題なく経過し、患者は無事に退院している。本実証に関しては英文論文で公表予定としている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は国内の複数地点および海外小児病院の小児外科医を対象としたオンラインコーチングの実証を行う予定である。
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