研究課題/領域番号 |
23K20749
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補助金の研究課題番号 |
21H00925 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
三宅 志穂 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (80432813)
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研究分担者 |
向 平和 愛媛大学, 教育学部, 教授 (20583800)
藤井 浩樹 岡山大学, 教育学域, 教授 (30274038)
大貫 麻美 白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (40531166)
出口 明子 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (70515981)
三好 美織 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80423482)
中城 満 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (80610956)
高岡 素子 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (60310463)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | バイオリテラシー / 環境倫理 / 行動変容 / 絶滅危惧種 / SDGs / 生物多様性保全教育 / 地域環境問題 / オンラインツアー / 野生動物 / 遺伝子組み換え / 市民教育 / 地域教材 / 野外教育施設 / 国立公園 / 自然保護区 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,SDGs世代の市民教育モデルを構築する手立てとして,バイオリテラシー(生物多様性の科学的知識・技能をさまざまなドメインに応用して保全行動に転換できる素養)に着目して,具体的な育成プログラム開発・評価と理論化を目的とする。 教育開発経験豊かな研究者がチームを組み,未だ市民の間で意識低迷がつづく生物多様性保全という世界理念の惨状を克服し,その教育の体系化にむけて,人々の関心を高める効果的プログラムの提案に臨む。幅広い年齢層をターゲットにして訴求力をもつコンテンツ・教材・教授技法について,プロトタイプモデルを構築しながら実証的に編み出す。
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研究実績の概要 |
SDGs世代市民のバイオリテラシーの育成に向けて,国内外における環境教育施設,地域の生物多様性保全と教育に関わる資料収集を行った。さらに,コロナ禍を経て実施されるようになったオンラインツアー(海外)の活用を事例とした教育実践の試みを行った。日本科学教育学会の年会において代表者と分担者はその成果を次のようにとりまとめて公表した。 旅行代理店の企画する南アフリカの野生動物保護施設見学ツアーを一般の人々向け生物多様性保全に関する学びの場へと転換させる方策について報告した。オンラインツアーはコロナ禍を経て,民間企業が新しく取り入れた企画商品である。それを学びに活用する手法の探求により,今後,さまざまなオンラインツアーを教育に取り入れていく視点となっていくことが期待された。また,オンラインツアー参加者らへアンケートではバイオリテラシー育成の観点から,野生動物の保護・保全,生物多様性の意識や理解の変化を検討した。 国立青少年教育施設の活用例について提示した。豊かな自然環境に囲まれて,人々の体験を促す充実した設備のある施設をバイオリテラシー育成の場として活用する方向性が示された。 さらに,バナナを題材として,大量生産・消費される現実の背景にある遺伝子組み換えの問題に着目するESDプログラムの事例を報告した。一般市民への関心の持ちやすさを具体的に反映しており,学びのプロセスを明らかにできる良質な素材となることが見いだされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国内外での成果発表を当初の計画以上に実施することができた。さらに,昨年度からの引き続きとして国内外の文献資料を行い生物多様性保全教育現場(連携先等)での実地調査により必要な情報を得た。また,地域で話題の環境問題など固有な文脈に関わる資料収集を行った。 特に,コロナ禍で新しく提供されるようになったオンラインツアー(海外の野生生物保護施設)を活用して,一般向けに参加者を募り,参加者の意識について調査することができた。各分担者らのフィールド調査により,国内外で自然環境や野生動物と人との関わりについて教材化あるいはプログラム化できる地域の選定とコンテンツの洗い出しを行うことができた。これらの成果について日本科学教育学会(年会)において,研究メンバーらが集まり本科研課題の進捗について公表した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で設定している目的の3つの観点について,文献,現地調査を継続するとともに,実践的プログラムへの展開を視野に入れたプロトタイプの策定をすすめていく。こどもから大人まで幅広い年齢層を対象とするバイオリテラシーに関するフレームワークを提示できるよう研究を進める。幼児期,学齢期,青年期,など年齢層に応じたリテラシーの探究,そして,各地域の問題としての野生動物と人との軋轢や関係性を教材化する視点を模索していく。2年目以降に教材開発やプログラム開発を進めていくことができるように,教材化の要素を構成していく。研究メンバーでのディスカッションを深め,研究成果の集約をすすめる。各分担者が行ってきた調査の論文投稿,学会発表等を促進する。これまでに未調査な箇所(地域,動物園)を洗い出し,本研究に必要なデータを取得する。海外専門家とのディスカッションや国際会議でのディスカッションを進め,研究の総括と新たな研究への展開視点を見出す。
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