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多元的無知が環境配慮行動を阻害するプロセスの解明-国際比較調査・実験による検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K20755
補助金の研究課題番号 21H00932 (2021-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2021-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分10010:社会心理学関連
研究機関奈良女子大学

研究代表者

安藤 香織  奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (40324959)

研究分担者 杉浦 淳吉  慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70311719)
大沼 進  北海道大学, 文学研究院, 教授 (80301860)
神原 歩  京都先端科学大学, 人文学部, 准教授 (30726104)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード環境コミュニケーション / 多元的無知 / 国際比較 / 省エネ行動 / ゲーミング / 社会規範 / 気候変動 / コミュニケーション / 環境配慮行動 / 国際比較調査
研究開始時の研究の概要

本研究では、「他者は環境配慮行動に関心がないだろう」と誤って推測する多元的無知により、各国で環境コミュニケーションが少なくなっているという仮説を検証する。そのため、研究1では複数の国においてオンライン調査を行い、多元的無知が環境コミュニケーションに及ぼす影響を検討する。研究2では、ゲームを用いた国際比較実験により、ゲームで他者と環境コミュニケーションを取ることにより、他者は環境問題に関心がないという認知が変化するのか、またそれが環境コミュニケーションの意図に結びつくかを検討する。

研究実績の概要

本研究では、多元的無知が各国で環境コミュニケーションが少ない原因であるという仮説を検証する。そのため、2022年度には、複数の国においてオンライン調査を実施し、多元的無知が実際に環境コミュニケーションを取る意図に影響を及ぼしているのかを検討した。
まず2022年度前半には、国際比較調査の質問項目の検討と翻訳を行った。2021年度に実施した予備調査の項目を参考にして日本語で調査票を作成した。そこから、英語、ドイツ語、韓国語に翻訳を行い、さらにそれぞれバック・トランスレーションによって内容を確認した。インターネット調査会社に依頼し、日本、韓国、ドイツ、アメリカにおいて同時に調査を実施した。対象者はそれぞれの国の20代から60代とし、性別、年代が均等になるように割り付けた。有効回答者数は日本608人、韓国638人、ドイツ642人、アメリカ628人であった。
自身の省エネ問題に関する会話意図を従属変数とした階層的重回帰分析の結果、他者の会話行動の認知がすべての国において重要な規定因となっていた。省エネ問題について話す人に対する評価も、すべての国において会話意図の正の有意な規定因となっていた。他者が省エネ問題についての会話を行っていると認知する人ほど、また省エネ問題について会話をする人に対する評価が肯定的であると捉える人ほど、自身も省エネ問題について会話をする意図が高かった。国による違いでは、省エネ問題に関する会話の実行度、会話意図、他者の会話行動の認知など、特に会話に関する変数では日本が他の国に比べて有意に低いことが示された。
予備調査の結果を日本グループ・ダイナミクス学会、及び日本環境心理学会において発表した。説得納得ゲームの長期的効果の検証の結果を日本シミュレーション&ゲーミング学会で発表した。また同結果をシミュレーション&ゲーミング誌に投稿し、採択された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国際比較調査の本調査は当初予定では2023年度に実施する予定であったが、予算の前倒しを行い、2022年度に実施することができた。国際比較調査に関しては、予定よりも早いスケジュールで進んでいる。一方、コロナ禍の影響により海外への渡航が制限されていたため、説得納得ゲームの実施に関して海外の共同研究者との打ち合わせは進んでいない。よって予定より早く進捗している部分と遅れている部分があるため、おおむね順調とした。

今後の研究の推進方策

2023年度は、国際比較調査に関しては分析を継続して行い、その結果を海外の学会において発表する予定である。また、説得納得ゲームの海外での実施の準備を行い、少なくとも1カ国において海外での説得納得ゲームの実施を行う。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 大学の環境政策科目でのオンラインによる説得納得ゲームの導入—対面での実践と比較して—2022

    • 著者名/発表者名
      前田 洋枝、杉浦 淳吉、安藤 香織
    • 雑誌名

      シミュレーション&ゲーミング

      巻: 32 号: 1 ページ: 12-23

    • DOI

      10.32165/jasag.32.1_12

    • ISSN
      1345-1499, 2434-0472
    • 年月日
      2022-06-30
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書 2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Seeking Harmony Rather Than Efficiency: The Effect of Self-Construal on Social Compensation2022

    • 著者名/発表者名
      Ako Agata,Kaori Ando,Yu Kasagi,& Naoki Kugihara
    • 雑誌名

      Japanese Psychological Research

      巻: - 号: 4 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1111/jpr.12399

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] オンラインで対話する:オンラインでのゲーム実施と対話的なレポート2021

    • 著者名/発表者名
      吉川肇子・中村美枝子・杉浦淳吉
    • 雑誌名

      シミュレーション&ゲーミング

      巻: 31 号: 1 ページ: 50-59

    • DOI

      10.32165/jasag.31.1_50

    • NAID

      130008059388

    • ISSN
      1345-1499, 2434-0472
    • 年月日
      2021-06-25
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] レジ袋有料化に伴うコンビニエンスストアにおけるレジ袋辞退率の変化2021

    • 著者名/発表者名
      足立千尋・大沼進
    • 雑誌名

      廃棄物資源循環学会論文誌

      巻: 32 号: 0 ページ: 65-71

    • DOI

      10.3985/jjsmcwm.32.65

    • NAID

      130008078047

    • ISSN
      1883-5856, 1883-5899
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 環境問題に関する会話は何に影響されるのか ―多元的無知の観点からの検討2022

    • 著者名/発表者名
      安藤香織・大沼進・神原歩・杉浦淳吉・金山英莉花・張 芸誼
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会第68回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 環境コミュニケーションにおける他者の影響の決定木分析2022

    • 著者名/発表者名
      安藤香織・足立千尋・神原歩・杉浦淳吉・張芸誼・大沼進
    • 学会等名
      日本社会心理学会第63回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] オンライン実施による説得納得ゲームの長期的効果の検証2022

    • 著者名/発表者名
      安藤香織・前田洋枝・杉浦淳吉・張芸誼
    • 学会等名
      日本シミュレーション&ゲーミング学会春期全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 自己や他者の関心の認知が環境問題についての会話行動に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      神原歩・安藤香織・杉浦淳吉・張芸誼・大沼進
    • 学会等名
      日本環境心理学会第16回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 中国のごみ分別行動における実施期間と情報接触の影響2022

    • 著者名/発表者名
      張芸誼・安藤香織
    • 学会等名
      日本環境心理学会第15回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 気候変動問題の理解を目指したゲーミング:メタファーとしての化学反応2021

    • 著者名/発表者名
      杉浦淳吉・フランツ レンツ
    • 学会等名
      日本シミュレーション&ゲーミング学会2021年度秋期全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Learning consensus building in conflicting situations using gaming simulation2021

    • 著者名/発表者名
      Sugiura, J. Ohnuma, S., & Hirose, Y.
    • 学会等名
      The 32nd International Congress of Psychology
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [図書] Cultural Context and Ethical Issues in the Case of SN Games. In Kikkawa, T. Kriz, W.C., & Sugiura, J. Eds Translational Systems Sciences, Vol. 28, : Gaming as a Cultural Commons. Chapter 72022

    • 著者名/発表者名
      Sugiura, J.
    • 総ページ数
      20
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      9789811903472
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 安藤香織研究室 科研費等による研究

    • URL

      https://ando.sakura.ne.jp/study_by_fund/

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 安藤香織研究室

    • URL

      https://ando.sakura.ne.jp/

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-08-08  

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