研究課題/領域番号 |
23K20760
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補助金の研究課題番号 |
21H00938 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 知靖 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30251614)
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研究分担者 |
山下 洋 九州大学, 大学病院, 特任准教授 (20253403)
徳永 豊 福岡大学, 人文学部, 教授 (30217492)
實藤 和佳子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60551752)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 発達障害 / コホート研究 / 発達支援 / 項目反応理論 / 教育心理学 / 自閉スペクトラム症 / 発達心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
ASDの診断基準となっている「社会的コミュニケーション能力」と「常同行動と限定的興味」を測定する1次スクリーニングテストを18か月児ならびに3歳児向けに開発する。また,3歳児に関しては,対象児の行動特徴をより具体的に把握するために,養育者が容易に回答可能となる多肢選択肢を用意した2次スクリーニングテストの開発も行う。いずれも,項目反応理論を利用し,測定精度の高いテスト開発を目指す。さらに,ASD児の特性に応じた発達支援を行うため,1次ならびに2次スクリーニングテストの特性値や各項目への反応からASDの特徴を量的ならびに質的に捉えることができる評価シートを開発し,発達支援へと繋げる。
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研究実績の概要 |
2022年度に作成した改訂版3歳児向け1次ならびに2次スクリーニングテストについて2022年11月から2023年12月までの3歳児健診において調査を実施し,832名の養育者から回答を得た。1次スクリーニングテストについては,コミュニケーション能力に関する項目群と限定した興味と反復行動に関する項目群に分け,それぞれについて項目反応理論の2パラメータロジスティックモデルを用いて分析を行った。その結果,コミュニケーション能力については,10項目を利用し能力を測定することは可能であったが,2項目の項目パラメータの標準誤差が大きく,最終的には8項目で能力値を計算することとした。また,RMSEAが0.03であり,モデル全体として十分な適合度を有していることがわかった。限定した興味と反復行動については,7項目全てを利用して特性を測定することが可能で,RMSEAが0.02であり,モデル全体として十分な適合度を有していることが分かった。 2次スクリーニングテストについては,一般化部分得点モデルを用いて分析を行った結果,RMSEAが0.03であり,15項目を利用して自閉スペクトラム症傾向を測定可能であることが分かった。しかしながら,因子負荷量を見ると,0.3を下回る項目も多く,また,1次スクリーニングテストの限定した興味と反復行動に関わる特性値と2次スクリーニングテストの自閉スペクトラム症傾向得点との相関係数が-.003と関連性がないことから,2次スクリーニングテストを1次元として捉えることが困難な可能性がある。今後,1次スクリーニングテストと同様に,内容面から複数のサブテストを構成し,自閉スペクトラム症傾向を測定することも検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3歳児向けスクリーニングテストについては,1次ならびに2次スクリーニングテストともに項目を確定し,調査によって分析上必要とするサンプルサイズを確保し,項目反応理論によるデータ分析を行うことができた。しかしながら,研究協力協定を結んでいる自治体からスクリーニングテスト開発に必要なASDに関わる情報を十分に得ることができておらず,スクリーニングの精度を確認できていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力協定を結んでいる自治体担当者と連絡を密にし,個人情報の取り扱いにも十分に配慮した上で,ASDに関わる情報提供について協議する予定である。
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