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聴覚における選択的聴取の発達メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K20763
補助金の研究課題番号 21H00941 (2021-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2021-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分10020:教育心理学関連
研究機関同志社大学

研究代表者

加藤 正晴  同志社大学, 研究開発推進機構, 准教授 (20408470)

研究分担者 木谷 俊介  北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (70635367)
嶋田 容子  同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (60422903)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
キーワード選択的聴取 / 標準化 / 疫学的アプローチ / 心理物理的アプローチ / 心理物理学的アプローチ / 聴力 / 発達 / 幼児 / 学童 / 聴覚
研究開始時の研究の概要

本研究は、子どもたちはなぜ選択的聴取の発達が遅いのか、なぜ通常よりも苦手な子どもがいるのかを、1. 日本語環境における選択的聴取能力の標準化検査の開発、2. 出生コホート研究と標準化検査を連結しての疫学的解明(遺伝的環境的研究)、さらに3. 聴取能力の発達の遅れの原因を心理物理学的手法を用いて明らかにする。
本研究は近年報告が多い選択的聴取の苦手な子どもを早期発見し、彼らを適切な学習支援へとつなげることに貢献する。

研究実績の概要

騒がしい中で聞きたい音を聞きとる聴覚的能力である選択的聴取は、いわゆる聴力検査で測定される純音検出能力とは異なり、発達がゆっくりである。小学校高学年になっても大人よりも選択的聴取の成績が低いことはあまり知られておらず、日本では検査方法も確立されていないため見逃されてきた。そこで標準化された選択的聴取能力の検査を開発し、選択的聴取が特に苦手な子どもを早く発見することは、社会福祉的にも意義のあることである。2年目である本年は、昨年までと異なり、小学校やこども園に直接出向き、出前授業をさせていただくことと合わせて子どもたちを対象に調査をする方式を採用した。そのおかげで調査協力者は一年間で250名前後まで増加し、研究が前進した。
エコチル調査の学童期検査の追加調査として小学2年生を対象とした調査も予定通り行うことができた。
ここまで得られた成果について中間的な報告を、国内学会および国際学会にて行った。
昨年度は小学2年生と成人の成績の比較を行ったが、今年度は、未就学児(5歳児クラス)と2,3,5年生のデータも加わり、FG課題およびCW課題の成績の年齢との相関を明らかにした。同時にその相関のカーブは2課題で異なることも明らかになった。
研究分担者により選択的聴取能力と関連する基礎的な聴覚能力があるかどうかを成人を対象とした心理物理実験を行い明らかにすることを試みた。その結果マスキング閾値がFG課題の成績と相関することが示されたが、ギャップ検出閾値はCW課題の成績とは相関しなかった。こうした結果は翌年度の学会にて発表することとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度と異なり、徐々にコロナの影響が減ってきたため、小学校やこども園等に出張しての調査が行われるようになってきたが、まだまだそれでも受け入れていただくことは難しく、全面展開には至らなかった。それでも研究の目的に興味を持っていただき実施協力をしてくださるところがいくつもあり、そうしたところに支えられて研究を進めることができたおかげで遅れが生じることはなかった。
異年齢でのデータを集めることができたため、(もちろん標準化のためにはまだまだたくさん集める必要があるが)年齢ごとの違いを明らかにすることができた。こうした結果は国内や国外の学会で発表した。
また分担研究者の組織においても調査を実施しやすい環境となってきており、データが集まるようになってきた。

今後の研究の推進方策

今年度始めた小学校や子ども園などに伺っての出張調査の実施を精力的に実施していく。疫学的データ収集のため、引き続きエコチル調査の追加調査を実施する。しっかり実施していきたい。分担研究者による心理物理的アプローチによる選択的聴取能力を支える基礎聴覚能力との関係についてもコロナの影響がよわまってきたため、より積極的に実施していきたい。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Physiological arousal explains infant gaze following in various social contexts2022

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa Mitsuhiko、Senju Atsushi、Kato Masaharu、Itakura Shoji
    • 雑誌名

      Royal Society Open Science

      巻: 9 号: 8 ページ: 220592-220592

    • DOI

      10.1098/rsos.220592

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 学童期における日本語を用いた選択的聴取能力2021

    • 著者名/発表者名
      加藤 正晴、嶋田 容子、木谷 俊介
    • 雑誌名

      日本音響学会誌

      巻: 77 号: 8 ページ: 500-503

    • DOI

      10.20697/jasj.77.8_500

    • NAID

      130008081949

    • ISSN
      0369-4232, 2432-2040
    • 年月日
      2021-08-01
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Baby’s Online Live Database: An Open Platform for Developmental Science2021

    • 著者名/発表者名
      Kato Masaharu、Doi Hirokazu、Meng Xianwei、Murakami Taro、Kajikawa Sachiyo、Otani Takashi、Itakura Shoji
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 12 ページ: 1-6

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2021.729302

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 『視知覚における抑制メカニズムの発達(中島論文)』へのコメント論文2021

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴
    • 雑誌名

      ベビーサイエンス

      巻: 21 ページ: 14-14

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 簡易な聴覚心理実験による選択的聴取能力推定の検討2023

    • 著者名/発表者名
      木谷俊介,加藤正晴,嶋田容子
    • 学会等名
      聴覚研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 選択的聴取能力と耳音響放射特性の関係性の検討2023

    • 著者名/発表者名
      宮家一真,木谷俊介,鵜木祐史
    • 学会等名
      日本音響学会2023年春季研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 子どもの発話の持続性と音環境の関連2023

    • 著者名/発表者名
      嶋田容子
    • 学会等名
      日本発達心理学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] The relationship between informational masking and dichotic listening; a developmental study2023

    • 著者名/発表者名
      Masaharu Kato, Yohko Shimada, Shunsuke Kidani
    • 学会等名
      Budapest CEU Conference on Cognitive Development
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 幼児期の「聞く」と「話す」の関係の解明に向けた一検討2022

    • 著者名/発表者名
      木谷俊介
    • 学会等名
      第22回日本赤ちゃん学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 音環境の変化と子どもの集団行動・会話2022

    • 著者名/発表者名
      嶋田容子
    • 学会等名
      日本発達神経科学会 第 11 回学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] オンライン型縦断発達データベースのBOLDの現状20222022

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴
    • 学会等名
      第22回日本赤ちゃん学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 出生週数および出生時の両親の年齢と生後10か月児の乳児の発達との関連2022

    • 著者名/発表者名
      大谷多加志, 原田喜充, 加藤正晴, 郷間英世
    • 学会等名
      第22回日本赤ちゃん学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 対人印象における引き込み現象が与える影響について2022

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴
    • 学会等名
      社会性研究4拠点連携シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 未就学から小学 低学年までの選択的聴取能力2022

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴, 嶋田容子, 木谷俊介
    • 学会等名
      日本発達神経科学会 第 11 回学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] オンライン型縦断発達データベースの開発2021

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴, 梶川祥世
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] オンライン型発達研究用参加者マネジメントシステムについて2021

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴
    • 学会等名
      関西心理学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 並んで歩くと仲良くなれる?歩調の引き込みと対人関係2021

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴
    • 学会等名
      電子情報通信学会 魅力工学研究会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 睡眠時の心電図から子どもの体調変化を推定可能か2021

    • 著者名/発表者名
      加藤正晴, Michal Joachimczak, Juan Liu, 安藤広志
    • 学会等名
      日本臨床睡眠医学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 聴覚末梢のゲインコントロール ―オリーブ蝸牛束反射によるゲインコントロール―(心理学的アプローチ)2021

    • 著者名/発表者名
      木谷俊介
    • 学会等名
      内耳ひずみ研究会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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