研究課題/領域番号 |
23K20777
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補助金の研究課題番号 |
21H00962 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
池田 譲 琉球大学, 理学部, 教授 (30342744)
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研究分担者 |
伊澤 栄一 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (10433731)
川合 伸幸 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (30335062)
村山 美穂 京都大学, 野生動物研究センター, 教授 (60293552)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 頭足類 / 鳥類 / 霊長類 / 社会 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は頭足類(イカ・タコ)が作る短時間で構成員が入れ替わる「個のない社会」の形成過程と維持機構を検証する。そこで、「個のない社会」は同種個体に近づく、遠ざかるという行動から作られ、性格に基づく構成員の個々特異な行動により維持されるとの仮説を立て、アニメーションを被験体に提示して反応を観ることで検証する。さらに、性格を生み出す遺伝的基盤を解析する。これらの検証をカラスとサルでも行って比較し、頭足類に見る社会の特異性を鮮明化する。
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研究実績の概要 |
頭足類:アオリイカに同種のアニメーションを提示し、体色や個体数、前後の動きなどがアオリイカ本来のアニメーションに近い距離で定位したことから、アオリイカの形や動きが同種を惹きつける可能性を見出した。また、捕食者のアニメーションに対して、アオリイカの墨吐きや移動量に個体差があること、それが性格に呼応することを見出した。 霊長類:マーモセットを対象に、対面するマーモセットのどこを注視しているか、頭上から撮影した映像に対してDeepLabCutを用いることで、額と両耳の位置の関係から推定する手法を開発した。動画ごとにわずか150フレームで正確に追従できることが示された。このことにより、動物にマーカーをつけなくても、どこを注視しているかを調べられることがあきらかとなった。今後、動物のVR画像へも応用可能だと考えられる。 鳥類:群れの社会構造の維持メカニズムを調べるために、飼育下のカラスの群れ2群を対象に,群れの成員除去実験を行い、群れの順位構造および個体の社会行動への影響を検証した。1位個体を24時間除去すると、順位構造は維持されたまま、2位個体が上位特異的な攻撃音声を発するようになった。下位個体の除去は順位構造も社会行動にも影響しなかった。この結果は、1位の音声によって2位個体の攻撃が抑制され、順位が維持されている可能性を示唆する。 遺伝子解析:本年度は、ネコの質問紙による性格評定と、オキシトシン受容体やアンドロゲン受容体などの遺伝子型の関連解析を行い、活動性や発声と遺伝子型の関連を見いだした。マーモセット、アカゲザル、カニクイザルについて、ミエリンの形成と維持に関わるスフィンゴ脂質代謝遺伝子の多型と性格や行動の関連を解析した。アジアとガーナの在来犬やオオカミを対象に、全ゲノムシークエンスを行って、データベースに登録されている各地の在来犬と、性格に関連するゲノム領域を比較した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ヴァーチャル・リアリティを活用して社会性に関わる事柄を検証できたことに加え、霊長類の行動追跡の新たな手法を確立し、オキシトシン受容体に加えアンドロゲン受容体などの遺伝子型の解析から行動との関連を明らかにするなど、今後の研究展開につながる大きな成果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の中心的な手法であるヴァーチャル・リアリティを用い、社会性の形成と性格に関わる事柄を具体的に検証できた。また、行動に関わる遺伝子についての調査を進めることもできた。今後はこれらを踏まえ、頭足類を中心に個体の性格と社会性との関係の検証を進めるとともに、性格に関わるホルモン受容体遺伝子とその多型の解析を進めていく。研究の進捗について、代表者と分担者で積極的に相互確認し、意見交換を行ない、改良すべき点が見つかれば適宜改変を加え、的確なデータの取得に努めるようにする。
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