研究課題/領域番号 |
23K20781
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補助金の研究課題番号 |
21H00968 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
番 浩志 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 主任研究員 (00467391)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 視覚 / 心理学 / 立体視 / VR / 知覚 / 3D / 脳機能イメージング / fMRI / 両眼視差 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請課題は、バーチャルリアリティ(VR)環境下において、ヒトがどのような画像・映像特徴を利用して3D(立体)視覚世界を構築しているのかを明らかにすることを目的とする。現行のVR研究の多くは、リアルな映像呈示技術の極限を追求することに重きが置かれているが、本研究ではVR技術そのものを追求するのではなく、VR環境下におけるヒトの視知覚特性を厳密に計測することを通じて、ヒトの立体視機能に関する未解明の問題の解決を目指した研究を進める。また、決してVR技術そのものと距離を置くのではなく、本研究成果のVR技術への還元をも視野に入れ、応用までを見据えた包括的な研究を展開したい。
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研究実績の概要 |
本申請課題は、バーチャルリアリティ(VR)環境下において、ヒトがどのような映像・画像特徴を利用して豊かな3D(立体)視覚世界を構築しているのかを明らかにすることを目的とする。この謎の解明のため、VRヘッドマウントディスプレイを利用し、条件を統制した3D映像を観察時のヒトの知覚パフォーマンスを計測する心理行動実験と、VR映像手掛かりを処理する脳内情報処理過程を明らかにするためのヒトEEG/fMRI/MEG脳機能イメージング研究を遂行する。 本年度は、3D反転知覚現象の情報処理機構を調べる心理行動予備実験を実施した。具体的には、VRの3D空間内に自分がいると知覚できるためには、視野周辺のどの程度(偏心度)まで両眼視差情報を付加する必要があるのかを検証した。結果、人は周辺視野から両眼視差手掛かりが失われるタイミングを感度良く検出できることが分かった。ただし、両眼視差手掛かりの消失ではなく、低次の画像特徴の変化(線分の途切れなど)を検出している可能性も考えられるため、それらを分離できるよう、本番実験に向けて刺激の微調整を行った。 また、アンサンブル3D知覚を調べる脳機能イメージング実験のデータに対してシミュレーション解析を適用し、背側視覚野V7で3D物体群の奥行きの平均と分散が表象されていることを明らかにした。今後、これらの結果をまとめて国際誌に投稿する予定である。 その他、VR酔いの防止に3D手掛かりが及ぼす影響を調べる心理行動実験を実施し、空間の遮蔽や分断が酔いに及ぼす影響を定量的に評価することができた。この実験は全てのデータ取得と解析を完了し、論文の第1稿を完成させた段階である。今後他の研究者からのコメントを反映させて原稿を改訂し、令和5年度以降に国際誌へ投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で実施する予定の実験の1つ、3D反転知覚現象の情報処理機構を調べる心理行動予備実験において、VRの3D空間内に自分がいると知覚できるためには、視野周辺のどの程度(偏心度)まで両眼視差情報を付加する必要があるのかを検証した。結果、研究実績の概要でも述べたとおり、人は周辺視野の変化を当初想定していた以上に感度良く検出できることが分かった。しかし、この検出が本当に3D手掛かり(両眼視差)によるのか、あるいはより低次の画像特徴の変化に依存しているのかは分離できなかった。この両者を区別できないまま本実験を実施しても結果の解釈が困難であると考えられる。そのため、刺激呈示法を改訂して本実験前にもうひとつの検証実験をする時間を確保しなければならない。よって、研究計画には少しの遅れが生じている。 しかしながら、追加実験によってより頑健な結果が得られると考えられるため、多少の遅れを許しても追加実験を実施する必要性、メリットはあると考えられる。追加実験後の予定を修正することで、令和5年度以降に遅れを取り戻したい。
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今後の研究の推進方策 |
3D反転知覚現象の情報処理機構を調べる心理行動予備実験に関して、上に述べた通り少しの遅れが生じているため、今後の計画を少し見直し、次年度以降に研究の遅れを取り戻すようにしたい。また、3D手掛かりのアンサンブル知覚研究については、全ての研究結果が揃ったので、その成果の論文化に早急に取り組みたい。また、計画に含まれるもう1つの研究、VR酔いの防止に3D手掛かりが及ぼす影響を調べる心理行動実験については、すでに論文の第1項が完成しているので、ブラッシュアップの後、令和5年度初期に国際誌へ投稿したい。
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