研究課題/領域番号 |
23K20810
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補助金の研究課題番号 |
21H00998 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 東京女子大学 (2022-2024) 新潟大学 (2021) |
研究代表者 |
劉 雪峰 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (50571220)
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研究分担者 |
荻田 武史 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00339615)
中尾 充宏 早稲田大学, 理工学術院, その他(招聘研究員) (10136418)
小林 健太 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (60432902)
関根 晃太 千葉工業大学, 情報変革科学部, 准教授 (80732239)
渡部 善隆 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (90243972)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | ナビエ・ストークス方程式 / 計算機援用証明 / 厳密計算ライブラリ / 固有値問題の厳密評価 / 精度保証付き数値計算 / ナビエ・ストークス方程式の定常解 / 計算機援用証明法 / 非自己共役作用素 / 鞍点型の固有値問題 / 並列計算 / Divergence-free条件 / Hypercircle法 / 有限要素法 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では、3次元空間内を動く流体(液体や気体)の複雑な動きを新しい計算援用証明法で解析しています。特に、新たな誤差解析の理論とスーパーコンピュータを用いた計算法を開発し、レイノルズ数の大きい流れの効率的な検証方法を確立することを目指しています。このような流れの研究には、世界中の数学者が大きな関心を寄せており、本研究が成功すると、この学問領域に大きな影響を与える成果をもたらすことが期待されています。
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研究実績の概要 |
本研究では、複雑な構造を持つ流体の動きの解析にチャレンジして、レイノルズ数の大きい流れの効率的な検証方法を確立することを目指しています。2023年度の研究実績は以下の通りです。 (1)非自己共役微分作用素の固有値評価の問題に取り組みました。非自己共役微分作用素 T の固有値問題に対して、共役作用素T*を用いた「T*u = t v, Tv = t u 」という形式の固有値問題に変形し、さらに当該問題の弱形式で線形型有限要素法を用いて固有値を厳密に評価できるアルゴリズムを提案しました。また、楕円型線形作用素に対する近似逆作用素ノルムの収束性について考察して、その収束オーダー評価を与えました。(劉・中尾) (2)三次元領域の四面体分割の各要素に対してdivergence-free条件を満たすCrouzeix-Raviart有限要素法を利用して、Stokes微分作用素の固有値の厳密評価法を検討しました。(劉・小林) (3)流れの大規模並列計算の開発を推進しました。本研究で開発した「富岳」の計算環境に適用するライブラリを利用して、30万次元の行列に対して行列の厳密固有値評価を行いました。通常の計算サーバーにおける行列の固有値評価法と比較した結果、計算時間を1/10に短縮できることを確認しました。いくつかの計算例の実施によって、行列の厳密計算の並列計算化の有効性を検証しました。(劉・関根・荻田) (4)流れ問題を記述する基礎方程式であるNavier-Stokes方程式から導かれるProudman--Johnson方程式の解の存在と解の単峰性の検証に成功しました。今後、導出に用いた検証手順を層流問題に拡張・適用する予定です。また、発展方程式の基本形である熱方程式を対象として、空間・時間の同時離散化(全離散近似)スキームに対し計算機援用証明によらない構成的誤差評価法を導出しました。(渡部・中尾)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの計画通りの準備を進めた結果、最終年度には目標である「レイノルズ数100以上の流れを検証する」ことができる見込みです。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの誤差解析の理論と計算ライブラリ開発の準備を踏まえ、2024年度は目標である『レイノルズ数100以上の流れの検証』を実施する予定です。
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