研究課題/領域番号 |
23K20875
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補助金の研究課題番号 |
21H01151 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
深澤 倫子 明治大学, 理工学部, 専任教授 (40409496)
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研究分担者 |
関根 由莉奈 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究副主幹 (00636912)
渡辺 友亮 明治大学, 理工学部, 専任教授 (30345392)
香内 晃 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60161866)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | アモルファス氷 / ハイドレート / 星間分子雲 / 物質進化 / アモルファス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、電子線回折法、赤外分光法、中性子回折法を用いた構造解析と超高真空極低温透過型電子顕微鏡観察により、アモルファス氷から CO2 ハイドレートへの相転移機構の解明を目指す。この成果として、高真空域を含む広範囲の H2O-CO2 系の相図を完成し、CO2 ハイドレートが宇宙空間のどこにどのような構造で存在するかを提唱したいと考えている。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、超高真空条件におけるアモルファス氷から CO2 ハイドレートへの相転移機構を明らかにし、CO2 ハイドレートが宇宙空間のどこにどのような構造で存在するかを示すことにある。星間分子雲において鉱物微粒子上に凝集した水はアモルファス氷として存在することが知られているが、CO2 を含むアモルファス氷が一時的な昇温に伴って CO2 ハイドレートに相転移する可能性が示唆されている。これまでの研究から、CO2 を含むアモルファス氷を昇温した場合、100 K 付近でCO2 ハイドレートへ相転移する現象が見出されているが、その結晶相の構造特定には至っていない。本研究では、電子線回折法、赤外分光法、中性子回折法を用いた構造解析と超高真空極低温透過型電子顕微鏡観察により、アモルファス氷から生成する CO2 ハイドレートの構造特定を特定し、相転移機構を解き明かすことを目標としている。 これまでに、6 K から170 K の広い温度範囲で氷試料の蒸着実験を行い、その成果としてアモルファス氷の相転移温度が蒸着温度に依存して変化することを明らかにした。さらに2023年度は、CO2 を含むアモルファス氷についての実験を進め,蒸着温度に応じて純氷とは異なる相転移挙動を示すことを明らかにしている。今後はさらに組成や蒸着速度、昇温速度を変えて蒸着・昇温実験を行い、構造変化のメカニズムを明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに研究が進展している。これまでに広温度範囲での氷薄膜の生成法および電子線回折法および赤外分光法を用いた測定・解析法を確立し、アモルファス氷の相転移温度が蒸着温度に依存することを明らかにした。CO2 含有アモルファス氷についても順調に実験を進めており、蒸着条件に応じて純氷とは異なる相転移挙動を示すことを見出している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、電子線回折装置を組みこんだ低温真空チャンバーを製作し、赤外吸収スペクトルと電子線回折を同時にその場観察可能な構造解析システムを構築し、純氷およびCO2 含有について、蒸着条件および蒸着後の温度履歴に応じた構造変化の過程を解析した。この結果から、昇温に伴う相転移挙動が、蒸着温度と氷の組成に依存することが明らかになっている。今後はさらに、氷の組成や蒸着速度、昇温速度を変えて蒸着・昇温実験を行い、アモルファス氷-ハイドレート相転移のメカニズムを明らかにしたいと考えている。
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