研究課題/領域番号 |
23K20881
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補助金の研究課題番号 |
21H01158 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
張 代洲 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (90322726)
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研究分担者 |
河本 和明 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (10353450)
早坂 忠裕 東北大学, 理学研究科, 教授 (40202262)
外村 彩夏 東海大学, 農学部, 特任講師 (50762704)
牧 輝弥 近畿大学, 理工学部, 教授 (70345601)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
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キーワード | 黄砂 / 長距離輸送 / 組成変化 / 光吸収散乱 / 気候影響 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,中国砂漠域,中国東部沿岸域,九州西岸において採集される黄砂試料の化学組成と微生物群集を分析し,広域に拡散する黄砂粒子の内部混合の変化を解析する。さらに,地上観測で得られた地上付近及び上空に漂っている黄砂粒子の放射特性と雲の衛星観測で得られた黄砂が影響した雲の放射特性を合わせて解析することにより,東アジア広域における黄砂の化学的・生物的組成の変化がその直接効果と間接効果に及ぼす影響を定性的・定量的に解明する.
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症が継続していたため,中国北西部砂漠現地と中国東部沿岸域の観測の調査活動を全て中国側の研究協力者に依頼して,連携で観測活動を実施した.常時観測の他に,令和5年3月下旬にテンゲル砂漠のTARO,中国東部沿岸域青島市BARO,天草西岸AERUの同時期観測が実現し,同一の黄砂イベントについて砂漠から九州西岸までの観測ができた.また,衛星搭載のライダーと放射計のデータを用いてダストの消散係数と過冷却水滴の光学的厚さと粒径,温度の関係の解析を進めた.その他,年度期間中に定期的にオンライン検討会議と打ち合わせを行い,国内のメンバーは研究計画の進行状況及び今後の推進方法について研究集会も開催した. これまでに取得したデータの解析とまとめで,多数の研究成果が得られ,その中から例として次の研究成果が挙げられる:①個別粒子レベルで砂漠における発生直後の黄砂粒子の形状、元素組成、鉱物構成、大きさ分布を解明した;②砂漠においてバックグラウンドの硝酸塩の日循環を発見し,それが世界中の主な砂漠に生じることを示した;③鉱物粒子の落下による積雪表面の太陽光アルベド効果が粒子の形状と大きさに依存することを初めて評価した.④黄砂粒子中に塩分の割合が砂丘表層の砂中よりはるかに富むことを解明した;⑤黄砂を含むエアロゾル粒子中の鉄成分が非水溶性から水溶性に変化する割合を左右する要因を特定し,各大洋で観測された結果をモデルで再現できた;⑥長距離輸送の黄砂気団中の浮遊微生物の減少は黄砂粒子の減少に左右されていることを発見した;⑦九州西岸において,黄砂の飛来による浮遊微生物の濃度は粗大粒子のサイズ範囲において顕著に増加した;⑧積雪表層の光吸収と光反射は,その中に含まれる黄砂やスス等の粒子に大きく左右されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症が終息せず,計画された令和3年度からの中国北西部砂漠と中国東部沿岸域の観測の準備及び観測活動を,海外研究協力者に頼んでようやく令和4年の夏季から徐々に実施し始めた。砂漠域及び中国沿岸域の現場観測活動は予定より大幅に遅れていたが,観測計画を修正し,令和5年3月から当初の計画より観測規模を拡大し,砂漠域,中国沿岸域及び天草西岸の連携観測は実現した.砂漠域において観測した黄砂粒子の光学特性のデータについては現在確認と解析中である.ただし,昨年度からの積雪に落下した黄砂による積雪表面の光吸収と光反射の調査において複数の研究成果を得られた.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度までの進歩状況では,現場観測の延期と砂漠域における黄砂粒子の光学特性のデータの不足が生じている.令和5年5月現在,新型コロナウイルス感染症の終息により,今年度には砂漠域の観測活動を重点的に推進する.常時観測,令和5年5月と令和6年3月に予定されている集中観測を計画のとおりに実施する.また,令和4年度の経験を踏まえて年度中の冬季に黄砂粒子が積雪の光吸収と光反射への影響に関する調査を実施する予定である。 サンプルの分析,データ解析,及び研究成果の発表はこれまでのとおりで,組織メンバー及び海外研究協力者と連携して積極的に遂行する.
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