研究課題/領域番号 |
23K20889
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補助金の研究課題番号 |
21H01179 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
米田 明 大阪大学, 大学院理学研究科, 招へい研究員 (10262841)
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研究分担者 |
近藤 忠 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (20252223)
寺崎 英紀 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50374898)
山崎 大輔 岡山大学, 惑星物質研究所, 准教授 (90346693)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | mantle minerals / GHz-DAC音速法 / マントル / スピン転移 / GHz音速法 / ダイヤモンドアンビルセル / 下部マントル / 地震波速度構造 / GHz音速測定 / DACセル / 弾性波速度 / 含鉄物質 / コア / 鉄 / 鉄スピン転移 / 鉄の高圧相 / 弾性波速度異常 / 下部マントル組成 |
研究開始時の研究の概要 |
2024年度中にスピン転移に関する測定を完了させることが最重要課題と認識している。その後はブリッジマナイト、ポストペロブスカイトなどが測定対象となる。出発資料となるブリッジマナイトの合成を岡山大学惑星物質研究所で行った。酸化物ケイ酸塩試料の測定は大阪大学で実施する予定である。 一方、鉄を含む試料についても鉄原子価不均化反応やマントル最下部の地震波速度異常など魅力的なテーマがあり、岡山大学をメインとして遂行していく予定である。
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研究実績の概要 |
本課題開始後3年が経過し、66GPaでのP波トラベルタイム測定に成功した。試料はフェロペリクレース(鉄含量17%)である。今後、S波測定も同時に行い降圧過程での計測を進めていき、フェロペリクレース中の鉄イオンのスピン転移に伴う弾性異常を解明していく予定である。降圧過程で測定するのは、試料厚みを拘束するにあたってガスケットの塑性変形を最小限に抑えるためである。 GHz-DAC音速法の圧力上限が拡大したのは、本課題において実施した様々な技術開発の総和としての結果である。シールドボックス、高性能同軸ケーブル、RFスイッチ、低ノイズアンプの導入などが測定装置面での改良で合った。スマートフォン等の生活ノイズの影響を避けるために、深夜測定をスタンダードにしたことも大きく寄与している。 測定技術面からは、アンモニア水による洗浄、グリセリンやメタルカップラーの導入が大きく貢献した。今後はZnO圧電素子膜の性能向上をとバッファロッドとダイヤモンドアンビルの接合方法の改善を行っていく。 直近の1年でGHz-DAC音速法の研究の拡がりを実現した。岡山大学理学部(寺崎英紀教授、分担者)にもGHz装置を立ち上げ、鉄系試料の測定を開始したところである。このテーマはコア形成過程を念頭に置いたものである。最初のテーマとしてε鉄の音速測定に取り組んでいる。 もう一つは、水・氷試料への応用である。こちらのテーマは氷惑星・衛星を念頭においている。水・氷試料は金属酸化物より音速が遅く、GHz音速法でより測定しやすい。 以上の成果を学会発表や論文として公表していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れている原因は三つある。第一はコロナ禍の影響である。本計画では岡山大学惑星研の装置利用を前提としていたが、長期にわたり来訪できなくなり、GHz音速法の要ともいえるバッファロッドの製作に支障をきたした。二つ目は、代表者の健康問題であった。2022年度において三カ月入院した。幸い健康が回復し現場復帰できた。三つめは、長期に渡る装置の不調である。2023年夏ごろにGHzシグナルの劣化が認められた。原因究明に手間取り、約半年をロスしてしまった。原因は、RFスイッチの劣化である。この経験は非常に教訓的であり、再度起こった場合には迅速に対応できるよう、状況を学生の修士論文に纏めた上で、予備のRFスイッチも確保している。様々な困難に出会ったが、何とか切り抜けてきており、今後の展望は明るいと感じている。
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今後の研究の推進方策 |
前欄でも記載した通り、今GHz-DAC音速法では三つのプロジェクトが同時進行している。作業の効率化を進めて、早期にGHz-DAC音速法の成果を世に問う時機である。 そのためにも測定技術の改良を継続する。もう一つの側面は、データ解析法の革新である。本作業は代表者が見直しを行い、従来よりも簡便にトラベルタイムを決定できるようになった。試料長計測も重要であり、大阪大学に導入したダイヤモンドアンビル背面間距離測定装置を岡山大学にも設置するよう準備中である。
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