研究課題/領域番号 |
23K20906
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補助金の研究課題番号 |
21H01223 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小貫 哲平 茨城大学, 応用理工学野, 准教授 (70400447)
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研究分担者 |
清水 淳 茨城大学, 応用理工学野, 教授 (40292479)
山本 武幸 茨城大学, 工学部技術部, 技術主幹 (40396594)
周 立波 茨城大学, 応用理工学野, 特命研究員 (90235705)
尾嶌 裕隆 茨城大学, 応用理工学野, 准教授 (90375361)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 加工変質層 / 半導体ウエハ / 顕微Raman分光 / 断層イメージング / 非破壊計測 / 超解像 / Ramanイメージング / 断層計測 / 加工損傷 / 顕微Raman断層イメージング計測 / 無機材料 / 研削面 / 結晶構造 |
研究開始時の研究の概要 |
顕微Ramanイメージング計測技術を応用した材料表面および亜表面の結晶格子状態の可視化技術について、解像度と感度の向上のための技術研究を行う。液浸結像光学系を用いた解像度向上とスループット向上、ステージ位置決め精度と安定性の改善、光検出器の雑音特性改善から結晶格子中の特定結晶面に沿った欠陥の可視化を行う。理論的検証のために第一原理計算ラマンスペクトルシミュレーション法を確立する。 それらの技術を活用した、ワイドバンドギャップ半導体加工変質層定量化、狭バンドギャップ半導体の断層的計測、セラミックスカッターや砥石などの工具状態計測などの応用技術の研究を行う。
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研究実績の概要 |
【研究の目的】顕微Raman断層イメージング計測技術の解像度を高め、超解像Raman計測を実現する。超解像Raman計測システムを用いた半導体ウエハ加工変質層の非破壊観測による微視的な損傷機構の解明にむけた応用研究を行う。ウエハ表面品質評価以外の超解像Raman計測システムの応用先の検討を行う。 【成果の具体的内容】顕微鏡自動ステージの動作制御と、顕微鏡光学系の検討により、サブミクロン解像度の計測を実施できるようにした。サブミクロン解像度の計測により、GaNウエハ、SiCウエハの各ワイドバンドギャップ半導体の加工変質層の塑性変形や微小亀裂の生成特性の結晶学的な分析を行った。狭バンドギャップ特性のシリサイド系半導体の加工変質層観測の検討を行い、励起レーザ出力や波長が観測特性に及ぼす影響ついて明らかにした。セラミックス製工具刃先、半導体加工用砥石の作業面など工具状態の観測技術として顕微Ramanイメージング計測を応用する検討を行った。 【成果の意義・重要性】これまで断面TEM観測など破壊的な計測で行われてきた半導体ウエハ加工面の微視的な損傷の分析評価を、大気中で、前処理等なしで、非破壊的に行うことができる観測法として、サブミクロン解像度の計測を行うことを実現させた。実際に各種半導体ウエハ加工面への観測実験を行い、塑性変形や微小亀裂などの特定結晶面・方位に形成される様子を可視化できることを示した。機械加工用の工具など強度劣化の予兆を検出するための測定技術としての可能性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
【計測技術】一般的なステッピングモーター駆動の顕微鏡ステージによる位置決め限界となる0.3ミクロン刻みの計測を行う動作制御の検討を行い、高精細なデータ取得を実現させた。光学解像度を高めるための液浸計測も取り入れ、大幅なスループット改善が行われた。振動対策、検出器ノイズ対策、ステージ域決め精度などに改善余地があるが、当初計画の研究が進められている。 【半導体ウエハ加工品質評価応用】半導体材料種、研削加工条件、ウエハ上の位置、結晶方位と観測方位の関係などを条件等して系統的に観測データの取得が進められた。得られたデータ類の分析・評価が進行中である。第一原理計算を用いたRamanイメージの分析法についても各半導体材料に対して解析が進行中である。当初計画のとおり研究が進められている。 【応用展開】部分安定化ジルコニアセラミックス製工具刃先の目視では判別できない軽微な損傷の検出や、シリコンウエハ研削に用いられた研削砥石作業面の観測など、工具状態の分析技術としての応用検討が進められている。当初計画よりも順調に成果があげられている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であり、検討課題となっている、装置の環境振動対策、光検出器のノイズ対策、顕微鏡ステージの位置決め精度について対策を進めて行くことで、100nm以下の解像度の超解像計測を目指す。 各種計測結果のデータをまとめ、学術論文投稿、学会発表など成果発表に重点を置いて活動を行う。
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