研究課題/領域番号 |
23K20908
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補助金の研究課題番号 |
21H01227 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岡本 康寛 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (40304331)
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研究分担者 |
岡田 晃 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (60263612)
篠永 東吾 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教 (60748507)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | 溶接 / 銅 / アルミニウム / 近赤外レーザ / 青色レーザ / 斜め照射 / 重畳 / 金属間化合物 / 近赤外線レーザ |
研究開始時の研究の概要 |
電気エネルギーの有効利用に向けて、比強度が高く貯蔵ケースに用いられるAlと電気配線として有用なCuに対するレーザ溶接技術を議論する。Cu側から高輝度近赤外レーザ光を照射しながらもAl側には穏やかな加熱を実現し、Al成分の多い金属間化合物の生成を抑制することで、高い機械的強度と低い電気抵抗率を目指す。高輝度近赤外レーザ光に大きな入射角を設けて照射し、キーホール内壁での2次光による加熱する。ここに低輝度であってもCuに対して安定的に光吸収される青色レーザ光を事前、事後加熱の役割として重畳して銅の溶接ビード表面の面粗さを低減して銅側からの照射によるCu/Alの高信頼性・高品位レーザ溶接を実現する。
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研究実績の概要 |
厚さ1mmの銅基板側から高輝度赤外線レーザの照射単体,もしくは低輝度青色レーザと高輝度近赤外レーザの2波長重畳照射による銅とアルミニウムの溶接の高品位化を目指して検討を行った. 銅基板側から高輝度近赤外レーザ光を垂直照射するときの溶融領域形成においてレーザ光をジグザグに走査するウィービング照射による検討を行ったが,レーザ光エネルギー吸収の安定性が低下し,銅とアルミニウム界面においてアルミニウムの突発的な流動を抑制することが難しかった.一方,高輝度近赤外レーザを斜角照射することで銅基板側からであっても銅とアルミニウム界面におけるパワー密度を低減して溶融アルミニウムの突発的な流動を抑制し,ぜい性を示す金属間化合物厚さ低減が可能であった. 本年度導入の高速度カメラを用いてレーザ光照射部を観察したところ,高輝度近赤外レーザ光の垂直照射では,銅の高い冷却性により高輝度近赤外レーザ光照射部に形成されたキーホール(金属蒸気により形成された穴)に走査方向後方より溶融銅が覆い被さり,キーホールの大きさが変動していた.一方,高輝度近赤外レーザ光の斜角照射ではキーホールの大きさがほぼ一様であったことからレーザ光エネルギーの吸収量が安定したと考えられる. 高速度観察でキーホールの大きさを安定させた条件でレーザ光出力と走査速度を適正化することで銅とアルミニウム界面の金属間化合物の形成厚さを小さくでき,2波長重畳照射の方がその効果は顕著であった. 形成した溶接継手の機械強度評価のために,銅とアルミニウムを十字状に配置した十字引張試験実施のための治具を設計,作製した.その装置を用いて銅とアルミニウムの界面をピーリング試験のように材料へ加重を付与したところ,金属間化合物の厚さが小さくなる条件で最も大きな破断力を得られた.今後は2波長重畳照射により作製した溶接継手の評価も進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の当初研究計画であげていた高輝度赤外線レーザの斜め照射と低輝度青色レーザ重畳照射でAlへの過度な入熱を抑えつつCuとAlを接合できる条件を議論できた.また,その接合部の観察,ならびに溶接継手の機械強度評価の実施へも進めたことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の当初計画に沿った内容を推進するとともに有益な結果も得られたことから,今後も基本的に当初の研究計画に沿って進めていく予定である.
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