研究課題/領域番号 |
23K20921
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補助金の研究課題番号 |
21H01282 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 江 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (20641880)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | ソフトロボット / バイオメカニクス解析 / ヒューマノイドロボット / ソフトロボティクス / デジタルヒューマン / 運動解析 |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツに特化した義肢装具の開発は、四肢欠損の障がいを持つ人がスポーツを楽しみ、競技の場に参加する扉を開く重要な技術である。剛体多リンク系に基づく筋骨格モデルを用いた研究が多く行われているが、スポーツ義足のような柔軟変形する構造は考慮されておらず、障がい者スポーツの解析の研究は少ない。本研究では、ソフトロボティクスの分野で研究されているPiecewise Constant Strain (PCS)モデルと剛体多リンク系を統合した力学、制御、最適化の計算モデルを構築する。これにより、柔軟変形を効率よく利用する運動の解析や、義肢装具の最適形状を設計することができ、障がい者のスポーツ科学へ貢献する。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、スポーツ義足をはじめとした柔軟変形する梁状の構造の力学を計算するpieace-wise constant strain (PCS)モデルと剛体多リンク系モデルを統合したハイブリッドリンク系の運動学・動力学計算ライブラリの開発を進め、特に以下の成果を得た。 1)スポーツ義足を装着した被験者のモーションキャプチャ計測と3次元再構成:下肢に障がいを持つ被験者を対象として、スポーツ義足を装着した際の歩行や走行動作のモーションキャプチャ計測を行い、光学式マーカの位置情報から骨格運動と義足の変形を同時に3次元再構成する逆運動学計算を実装した。これにより運動中の重心の揺動の様子や、義足の持つ弾性が身体部に与える影響をコンプライアンス楕円体として可視化する等を可視化することができ、運動解析への寄与が期待できる。 2) ハイブリッドリンク系の逆動力学計算と床反力推定:1)の3次元再構成結果から運動中に関節や義足に加わる力・モーメント、および床から受ける反作用力を同時推定する逆動力学計算を実装した。床反力の推定結果とモーションキャプチャにおいて計測した床反力の実際の値を比較し、誤差が小さいことから提案するハイブリッドリンク系の妥当性を示すことができた。 3) ハイブリッドリンク系の順動力学シミュレーションの高速化とロボット制御への応用:義足を装着したヒューマノイドロボットを主に想定し、順動力学シミュレーションの高速化について開発を進めた。計算プログラムの並列化、アルゴリズムの見直しによって昨年は数時間かかっていたシミュレーションを数分~数十分で行えるようになった。また、義足の柔軟性を考慮したヒューマノイドの全身運動制御法についてもあったらしいアルゴリズムを開発し、シミュレーションによって妥当性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
目標としていたモーションキャプチャ計測、逆運動学計算による3次元再構成、逆動力学による関節トルク・粘弾性力の同時推定の開発を達成しており、さらに床反力の推定、順動力学シミュレーションの高速化までを達成したことから当初の計画以上に進展していると考える。義足の粘弾性推定、筋張力推定についても目途が立っている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
逆動力学計算結果から、運動中に被験者の身体内部で発生する筋張力推定を実装する。その際、被験者のMRI画像等から下肢の筋配置を特定し筋骨格モデルへと反映する。また、順動力学シミュレーションに関して、陰的積分法の実装や各種物理量の変分計算アルゴリズムを開発することでシミュレーションの高速化を目指す。ロボット制御についてはシミュレーションだけでなく実際のロボットハードウェアを用いた実験検証についても取り組む。
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