研究課題/領域番号 |
23K20926
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補助金の研究課題番号 |
21H01297 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
玄 相昊 立命館大学, 理工学部, 教授 (30344691)
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研究分担者 |
田崎 勇一 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10547433)
織田 健吾 立命館大学, 理工学部, 助教 (10965776)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 油圧ロボット / ロボット / 油圧回路 / 運動制御 / 油圧制御 / 油圧 / 制御 |
研究開始時の研究の概要 |
過酷な作業現場で長時間の器用な力仕事を行うマニピュレータの性能を高めるにあたり、駆動源を手先から離して置ける液圧駆動(水圧や油圧駆動)が有望である。 本研究は、大小容量の各種ポンプとバルブをマトリクスで有機的に複合した液圧回路によって、手先の性能を最適化することを目的とする。 具体的に、手先が発揮できる力と速度の大きさ、分解能、動特性にフォーカスした液圧複合回路の構成法を明らかにし、その能力を最大限に活かす制御方法を導く。
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研究実績の概要 |
過酷な作業現場で長時間の器用な力仕事を行うマニピュレータの性能を高めるにあたり、駆動源を手先から離して置ける液圧駆動(水圧や油圧駆動)が有望である。本研究は、大小容量の各種ポンプとバルブをマトリクスで有機的に複合した液圧回路によって、手先の性能を最適化することを目的としている。具体的に、手先が発揮できる力と速度の大きさ、分解能、動特性にフォーカスした液圧複合回路の構成法を明らかにし、その能力を最大限に活かす制御アルゴリズムならびにアクチュエータ配置方法を理論的に導くことがゴールである。 2023年度は主に3つの課題:1)2022年度に発明したモジュラー油圧回路新しい回路「Modular Hydraulic Servo Booster(MHSB)」を2軸シリアルマニピュレータの運動制御に適用するための最適制御アルゴリズム導出と実証実験、2)同回路を組み込んだ新しいモジュラーロボットの設計と試作、3)液圧駆動回路の状態推定とフェイルセーフ制御にそれぞれ取り組み、全ての課題で学会発表に足る成果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)マニピュレータの幾何学を考慮した準静的タスクにおいて、最適経路探索問題とその軌道追従制御問題へ分解し、提案した油圧回路によって最適な軌道が生成され得ることを示すことができた。パラレルロボットなどの異なる構造のロボットについても、同様の解析が可能であると考えられる。新たに構築した4連装MHSB回路をマニピュレータに組み込んで実験している。広島で開催されるJFPS国際会議に発表することが確定している。
2)モジュラー構造と油圧回路の両方をモジュラー型にして動的に組み替えることで作業を達成するアイデアをRSJ2023で正式に提案し、モジュラーロボットの最適な構造決定問題と全身運動制御問題に着手した。これを実現すべく、新しい脱着機構と油圧カプラを含むハードウェアを設計しており、1次試作を開始した段階である。特許出願を準備している。
3)当初計画では設定していなかった課題であるが、増圧器を用いた水圧駆動回路の状態推定器を故障推定問題へ展開した。カルマンフィルタをベースにした古典的な方法であるが、ミリセカンド単位で異常を検出し、冗長なセンサ情報を用いてフェイルセーフ制御を行えることを示し、ジャーナル1本の採択確定、国際会議論文1本を発表、さらに24年度に国際会議で発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
与えられたマニピュレータ機構に最適な油圧回路を明らかにするという目標から、モジュラー構造を前提とした最適構造決定、油圧駆動回路再編成、最適制御を明らかにするという目標へ研究の重点がシフトしている。最終年度ではこのアイデアを少しでも前に進めるための取り組みを行う。 モジュラー油圧ロボットのハードウェア実現に不可欠な脱着機構と油圧オートカプラの設計を進めると同時に、昨年度着手したモジュラーロボットの最適な構造決定問題と全身運動制御問題をさらに展開する。動特性を含めた油圧ロボット全体の最適制御については、計算速度の問題で実用的な解を得ることが難しいため、空間探索アルゴリズムで空間軌道を限定したうえでの最適軌道追従制御法を検討する。余力があれば、昨年度着手した故障推定法をモジュラー油圧ロボットへ展開する。
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