研究課題/領域番号 |
23K20937
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補助金の研究課題番号 |
21H01335 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 (2022-2024) 東京医科歯科大学 (2021) |
研究代表者 |
當麻 浩司 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40732269)
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研究分担者 |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 免疫センサ / 薬剤 / モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、血液に代わり、採取時の痛みがほとんど無く、また連続的な採取に適した間質液から体内の治療薬濃度をモニタリングする「マイクロニードル型光免疫センサ」を開発する。これまで一定の間隔でしか得られなかった薬剤濃度情報をよりリアルタイムに評価することで、個人レベルで治療薬の投与量を微調整できるようになり、副作用を引き起こすカラダへの負担を低減しつつ、薬効の最大化を可能にするセンシング技術である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、血中濃度と相関のある間質液中の薬剤濃度を、皮膚に貼り付けることで極低侵襲かつin vivoに連続計測する「マイクロニードル型光免疫センサ」を開発することである。薬剤濃度変化をより連続的に捉えることで、個別に薬剤投与量の微調整を可能にし、最小の副作用と最大の薬効が得られる次世代治療薬物モニタリング(TDM)へ繋がる技術にむすびつくと考え、研究を進めてきた。 2023年度は、前年度に引き続き(I)間質液を採取するマイクロニードルの作製を行った。はじめにマイクロニードルについては座屈しないアスペクト比(縦横比で1以上)の形状で、前年度より針の数を増やし、中実の10×10個の針から成るマイクロニードルアレイを設計した。また鋳型形状の自由度を高めながら簡便に作製する方法として、アクリル板へのレーザー切削法を検討した。はじめにレーザー切削における光強度や走査速度が、切削深さや表面粗さに与える影響を調べた。その結果、低速度・低出力なほど粗さが小さくなることが分かった。また、23年度には前年度に引き続き治療薬物としてバンコマイシン(VCM)をターゲットとして、(II) VCM連続測定のための免疫センサの開発も行った。前年度に開発した長距離伝搬型表面プラズモン(LRSP)とペプチドアプタマーを組み合わせたバイオセンサについて、アプタマー固定時のpHや濃度など、性能向上のために条件の最適化を実施した。次に得られた条件をもとに作製したセンサ基板を、20%に希釈した血清中においてVCM測定に供したところ、緩衝液中と同様にVCMの濃度に依存したセンサ出力と治療有効濃度を含む定量特性が示された。以上のように、引き続き開発や高性能化に取り組んでいくが、当該年度に予定していた研究目的は概ね達成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請課題の目的は、血中濃度と相関のある間質液中の薬剤濃度を、皮膚に貼り付けることで極低侵襲かつin vivoに連続計測する「マイクロニードル型光免疫センサ」を開発することである。2023年度では(I)間質液を採取するマイクロニードルの作製と(II)バンコマイシン(VCM)半連続測定のための免疫センサの開発を計画していた。これに対し申請者は、マイクロニードの再設計や鋳型を迅速かつ高い自由度をもって簡便に作製する方法としてアクリル板へのレーザー切削加工を試みた。さらに、長距離伝搬型表面プラズモンアプタセンサを最適化し、20%血清中のVCMの高感度な連続測定の可能性を示し、2023年度の目標を概ね達成した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度で得られた結果をもとに、引き続き(I)間質液を採取するマイクロニードルの作製・改良を行っていく。特に簡便な鋳型作製方法を検討し、マイクロニードルを作製していく。さらに(II)で開発したバンコマイシン(VCM)用長距離伝搬型表面プラズモンアプタセンサの性能向上と、マイクロニードルとの融合の方法を検討・推進していく。将来的には、本研究で確立した要素技術を基礎とし、間質液中のVMC濃度変化を連続的に捉えるマイクロニードル型センサを構築し、個別に薬剤投与量の微調整を可能にし、最小の副作用と最大の薬効が得られる次世代TDMの確立へ応用・展開していきたいと考えている。
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