研究課題/領域番号 |
23K20984
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補助金の研究課題番号 |
21H01489 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大風 翼 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (40709739)
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研究分担者 |
大宮 哲 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員 (60718451)
新屋 啓文 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 准教授 (80794982)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 飛雪 / 吹きだまり / 防風植栽 / 防雪柵 / 野外観測 / 吹雪 / 境界層 / ラージ・エディ・シミュレーション / 視程 / LiDAR / 防雪フェンス / 数値解析 / 時空間変動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、吹雪境界層の野外観測、構造物や防風林周辺の吹きだまり観測を実施するとともに、乱流変動を高精度かつ非定常に予測可能なLarge-Eddy Simulationと粒子個々の運動を取り扱うラグランジュ的個別粒子モデルを連成させた数値モデルを用いて、暴風雪下で建物周辺の吹きだまりに関わる飛雪の空間密度を1m以下の空間分解能で数値予測し、乱流変動によって生じる暴風下での突風と、これによる雪の飛散、構造物周りでの堆積現象を系統的に取りまとめる。
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研究実績の概要 |
1)LESと個別粒子モデルを連成したオイラー・ラグラジアン飛雪モデルの構築:本研究は、研究計画最終年度前年度応募の課題として、継続して実施した。Large-eddy simulation (LES)と個別粒子モデルを連成したオイラー・ラグラジアン飛雪モデルを構築し、吹雪風洞実験との比較から、モデルの妥当性の検証を行った。続いて、防風林周りの吹雪の空間構造予測のため、防風植栽の数値サブモデルをLESに追加した。 2)吹雪境界層下での野外観測:北海道弟子屈町内の雪原で野外観測を実施した。2,3年目に実施する吹雪の空間構造を把握のための本観測の予備観測の位置づけで、超音波風速計とスノー・パーティクル・カウンター(SPC)を四方が開けた吹雪境界層中で4高度に設置し、風速及び雪の質量流量の鉛直分布を計測した。高さ1~3 m の雪の流量の最大瞬間値は,高さに寄らず10 分間平均値の15 倍程度となることが明らかとなった他、雪の質量流量と視程の関係について分析を行い、本観測のでの吹雪の空間構造把握のための知見を得た。 3)模擬フェンス周辺の吹きだまり成長過程詳細観測:上記2)の観測サイトにて、高さ1m開口率0%の模擬フェンスを設置し、1つの吹雪イベントについて、小型LiDARを用いて吹きだまりの成長過程を記録する集中観測を実施した。LiDARで計測した吹きだまりの形状は、UAVを用いた空撮画像より吹雪イベント前後の差分から推定した手法と比較し、数cmの誤差に収まっていることを確認した。さらに、LiDARでノイズのように記録された空間の吹雪粒子について、その除去方法の検討を行い、強風の地吹雪下で雪面形状を取得するための知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、野外観測で使用する測器の一部の納期が遅延し、当初予定していた吹雪の水平方向の空間構造を測定する観測を次年度に延期したが、その他の飛雪モデルの構築や野外観測はおおむね予定通り実施でき、次年度の本観測のための有益な知見を蓄積できた。
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今後の研究の推進方策 |
1)防風植栽周りの気流解析 昨年度開発した植生の抵抗を表現するサブモデルの精度検証ため、防風植栽周りのLarge-eddy simulation (LES)を実施する。防風植栽の平均風速だけでなく、乱流統計量など風速変動に対応する要素についても比較を行い、必要に応じて、LESと個別粒子モデルを連成したオイラー・ラグラジアン飛雪モデルの改良を行う。4)で実施する野外観測との比較を行う他、防風植栽の、高さや葉の茂り具合を系統的に変化させた解析を行い、流れ場や雪の吹きだまりの形成要因との関係性について考察を加える。 2)吹雪境界層下での野外観測:野外観測は、現在実施中の課題で借用している北海道弟子屈町内のフィールドで継続して行う。吹雪の空間構造を把握するために、超音波風速計とスノー・パーティクル・カウンター(SPC)を四方が開けた吹雪境界層中に設置し、風速及び雪の空間密度、視程などを計測する。昨年度の観測結果を踏まえ、雪の空間密度の空間相関を計測するため、SPCの設置位置を検討する。本年12月~翌年3月までの4カ月間データを取得するほか、1月から2月にかけてのいずれかで、3日ほど集中観測を実施する。 3)模擬フェンス周辺の吹きだまり成長過程詳細観測高さ1m開口率0%の模擬フェンスを設置し、吹きだまりの成長過程を記録する集中観測を実施する。吹きだまり形状は、UAVを用いて空撮画像から推定するほか、小型のLiDARでの計測を試みる。 4) 防風植栽、防雪柵周辺の吹きだまりのフィールド観測:北海道を中心に、防風植栽や防雪柵など、構造物周辺に形成される吹きだまりを、小型のLiDARを用いて、空間的に計測し、防風植栽の葉の茂り具合やフェンスの開口率や高さなどと吹きだまりの形状の関係について分析を行う。
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