研究課題/領域番号 |
23K21008
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補助金の研究課題番号 |
21H01546 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北村 充 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 特任教授 (40195293)
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研究分担者 |
山本 剛大 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (00802860)
野波 諒太 呉工業高等専門学校, 機械工学分野, 助教 (70849562)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 領域有限要素法 / 接続部材反推定 / 強化学習最適化 / 船体構造解析 / 構造最適設計 / 船体構造 / 領域有限要素 / 接続部材反力推定 / 最適化 / 船舶構造 |
研究開始時の研究の概要 |
船舶全体の構造解析に基づいて船体構造最適化を実施することを目的としている.その実現のために,自由度数を1/100以下に低減しても同等の解析結果が得られる構造解析手法と多数の設計変数が関連し合う一つの最適化問題を多数の独立した最適化問題に変換する方法を研究する.内部節点を消去する部分構造法を用いて,実際に解く自由度数を大幅に低減しても同等の解析結果を得る構造解析手法(領域有限要素法)を開発する.切り離された構造を擬似的な静定構造と捉え,剛性と変位・応力の関係性を容易に把握する方法を検討し,設計変数の更新に利用して.数理計画法や遺伝的アルゴリズムを必要としない高速な最適化計算法を開発する.
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研究実績の概要 |
深層強化学習の中でも広く用いられているDDQNをベースとして,大型構造物の板厚と補強材の形状を同時に,また,効率的に最適化計算を実施するために,次の2つのアルゴリズムを検討した.1)エリート保存:エリート保存を用いることにより効率的に最適解に到達することを可能とした.2)設計変数の上下限値の処理アルゴリズム:本アルゴリズムの導入により,従来のDDQNで発生する無駄な計算を削減し,最適化プロセスにおけるFEM計算回数を低減した.これら2つの提案アルゴリズムを組み込んだ構造最適化手法が大型構造物の最適化に対して有効な手法であることを確認した. 反復法における計算時間削減効果の向上のため,次の2つを検討した.1)スケーリング:解析対象の大規模化による計算効率の低下防止を目的として,各種スケーリング方法を検討した.コーディングが容易な対角スケーリングを導入することにより,マトリックスの固有値分布が改善され,解の収束性が向上することを確認した.2)応力評価要素の選別:領域有限要素法のアルゴリズムにおいて,応力評価のプロセスで大きな計算負荷が発生する.応力評価を実施する要素を特定し,それに関係する節点の縮約順序を終盤に配置することにより,計算時間を短縮できることを確認した. 簡易的な3次元組板構造物の解析モデルを作成し,これまでに構築した構造解析手法と最適化手法を適用した.これらが適切に機能することを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
深層強化学習の開発と大型構造物の最適化への適用が可能であることが確認できたため.
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今後の研究の推進方策 |
1.領域有限要素法の高速化:設計案の評価と設計変数の更新において,各設計変数がカバーするグループ内の最高応力値を求める必要がある.領域有限要素法の応力算出プロセスではバックプロバゲーション法を使用するため,応力評価が不必要な要素にも多大な計算時間とメモリーを消費してしまう.この問題点を解決するために,早い段階で当該要素を検出することが重要であり,効率的なその実現方法を検討する. 2.船体構造最適化システムの構築と検証:本年度までに研究した領域有限要素法,部材版力推定法,強化学習最適化を統合した船体構造最適化システムを構築し,計算速度,最適解の精度を以下の手順A), B), C)で確認する.手順A) 過去に計算事例のあるハッチカバーを対象として,板厚・鋼板材料・補強材料を設計変数とする最適化を実施する.手順B) バルクキャリアの一区画を対象として,板厚・鋼板材料・補強材料・補強材間隔を設計変数とする最適化を実施する.手順C) 区画数を増やしながら,最終的に船体全体構造を対象として,板厚・鋼板材料・補強材料・補強材間隔を設計変数とする最適化を実施する.そのために,関連する造船所を訪問する. 3.最適化プロセスの並列化:これまでに検討してきた最適化プロセスは並列化計算が可能である.対象構造物が大規模になるほど,並列化の効率は高まり,その使用の可否は重要になる.上記の船体構造最適化システムの構築と並行して,最適化プロセスの並列化の取り入れを検討する.
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