研究課題/領域番号 |
23K21016
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補助金の研究課題番号 |
21H01567 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
蓮池 隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50557949)
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研究分担者 |
松本 慎平 広島工業大学, 情報学部, 教授 (30455183)
加島 智子 近畿大学, 工学部, 准教授 (30581219)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 農産物流通システム / 全体最適化 / 情報共有システム / 地産地消 / 農産物流通 / 情報共有技術 / 数理最適化 / シミュレーション分析 / 情報システム |
研究開始時の研究の概要 |
農産の生産・流通・販売までの一気通貫したサプライチェーンにおける数理最適化手法,情報共有システムとそこから得られるデータに対する分析技術を融合して,補助事業期間中に実フィールドでの実証実験を実施し,取得されるデータの分析を行う.具体的には,本研究の応用先として検討して,東広島市近郊の状況を考慮し,地産地消モデルとして学校給食に焦点を当て,いかに廃棄量を少なくしながら周辺地域の就農者の利益を確保し,かつ給食であるということからも質を担保した生産が可能となるかを,研究代表者である蓮池が数理的側面から,研究分担者である松本と加島が情報共有システム運用の両側面から検討する.
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研究実績の概要 |
今年度は地産地消の農産物流通に関する数理モデリングの発展,ならびに情報技術の応用を中心に,2021年度の発展的な内容に取り組んだ.具体的には,農産物流通に関する数理モデリングとして,領域内に多様な需要が発生する中で,供給者と消費者のマッチングを考慮し,輸送コスト最小化と供給者の利益平準化を可能とする数理モデルを構築した.この研究は供給者を農家と置き換えることで,地産地消モデルへすぐにでも応用可能なモデルである.また情報技術に関しては,就農者と消費者間での有益な情報収集のためのシステムの精緻化のみならず,AR技術を応用したスマートフォン用アプリケーションの開発・評価や,地域情報共有サービスにおける閲覧数予測機能の有用性の検証など,農家と消費者をつなぐ情報技術の各要素に関する技術開発を進めた.これらの成果を2023年度においては,開発している地産地消の情報共有システムに組み込み,システムのユーザビリティの向上,収集データの分析につなげる. さらに,研究を進めていく中で,地産地消の有効例の1つとして,給食センターでの利用という着眼点を得た.給食センターでは献立を作成するとともに,食材はできるだけ地域の物という地産地消にうってつけの応用事例である.この着眼点を得,2023年度はこの状況の数理モデリングと最適化の研究を進めていく. 成果発表の観点では,2022年度は研究論文,学会発表のみならず,これまでの成果と本研究に関わる先端事例による特集記事として,日本オペレーションズ・リサーチ学会の機関誌にて,特集「次世代の農業・森林産業へ向けた先端事例」を組み,研究者・実務家に向けて,広く研究成果を公表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数理モデリングにおいては,2022年度までは実用まで結び付いていなかったものの,研究を進めていく中で,農家の生産物を地域の給食センターに納め,給食の献立作成も同時に考慮した地産地消のモデルの有用性がわかり,2023年度においては,この観点を中心に数理モデリング,最適化手法の開発,実現場への適用も兼ねたプロトタイプの作成を行っていく. 情報共有システムの開発においては,各要素技術は2022年度も順調に開発を行ってきた.2023年度においては,これらを融合することが求められるが,共有された情報のさらなる分析も必要となってくる.さらに,上記,給食で必要な食材の提供可能性や価格設定など,地域農家の労働環境,収益改善も行うことができるような,情報共有システムへの発展を目指す.
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況にも示したように,2023年度においては,農家の生産物を地域の給食センターに納め,学校等の公共施設で消費する地産地消モデルを中心に,数理最適化手法の開発,実現場への適用も兼ねたプロトタイプの作成を行っていく.さらに,給食で必要な食材の提供可能性や価格設定など,地域農家の労働環境,収益改善も行うことができるような,情報共有システムへの発展を目指す. また,給食現場だけでなく,地域のスーパーや小売店などの大型消費場所を中心に,廃棄を極力減らすことができる農産物提供方法の検討を農家での生産量,販売価格,2次活用等もふまえて検討していく.
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