研究課題/領域番号 |
23K21017
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補助金の研究課題番号 |
21H01568 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
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研究分担者 |
鳥海 不二夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30377775)
秋山 英三 筑波大学, システム情報系, 教授 (40317300)
山本 仁志 立正大学, 経営学部, 教授 (70328574)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 信用スコア / 評判 / アップストリーム互恵性 / エコーチェンバー / 評判システム / 評判アルゴリズム / 評判管理システム |
研究開始時の研究の概要 |
これまで研究で地区された評判管理システムに関する理論的知見ならびにその受容可能性に関する被験者実験と誘因モデルの分析について統合し、評判管理システムの今後に関する一般向けの処方箋を提示する。
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研究実績の概要 |
第三年度では、被験者実験において、信用と評判に関してこれまでの理論研究から抽出された仮説を検証した。また、信用スコアが実装される際に検討すべき現実社会を模した多重ネットワークにおける協力関係をシミュレーションで分析した。また信用スコア社会では意見の分極化やエコーチェンバーといった情報現象が大きな影響を与えると推測されることからそれらのメカニズムについて検討した。 被験者実験:否定的な互恵感情のメカニズムを探るため、負のアップストリーム互恵性と呼ばれる現象が現実に発生しうるのか、またその原因は何かを約 600 人の被験者が参加した経済実験で明らかにした。具体的には、アップストリーム互恵性が正と負では異なることが判明した。この結果は、協力に関する将来の研究のためにさまざまな行動の選択肢を考慮する必要性を示唆している。この結果は定評のある国際誌 Plos ONE に掲載された。 多重ネットワークシミュレーション:多重ネットワークにおける協力関係として、コミュニケーションの範囲における対称性に焦点を当て、相互作用や戦略の置き換えの範囲が異なる場合に協力が促進されるか妨げられるかについてマルチエージェントシミュレーションの技法を用いて分析した。結果を Scientific Reports に公表した。 エコーチェンバーシミュレーション:SNS におけるトピックス数の増加が意見の分極化とエコーチェンバーに与える影響について分析した。ユーザーの推奨や再投稿などの SNS の一部の機能は、トピックの数に関係なくエコーチェンバーを促進するといった知見は、トピックの多様性とSNSプラットフォームの修正機能がエコーチェンバーの発生を減らす手段となる可能性を示唆するものであると評価され、人工知能学会論文誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では第三年度では被験者実験を中心として信用スコアが実現された社会における評判や信用のメカニズムについて分析を行いつつ、必要な理論的検討を行う予定であったが、その計画をおおむね達成できたと考えるから。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度ではこれまでの知見をまとめて、信用スコア社会に実現されると考える評判管理システムの設計・提案を行う。これまでに明らかとなった理論的知見を複数の実験(簡易版)で実証的に検証するとともに、参画したすべての研究者間で集中的に議論を行うことで本研究をまとめ、論文やシンポジウムでの公表を積極的に行うことで社会への還元を試みる。
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