研究課題/領域番号 |
23K21027
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補助金の研究課題番号 |
21H01592 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
牛尾 知雄 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (50332961)
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研究分担者 |
黒田 大貴 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (20868731)
楠 研一 気象庁気象研究所, 台風・災害気象研究部, 室長 (40354485)
菊池 博史 電気通信大学, 宇宙・電磁環境研究センター, 准教授 (40783105)
和田 有希 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (40879144)
吉川 栄一 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主任研究開発員 (70619395)
北原 大地 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (20802094)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2024年度)
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配分額 *注記 |
14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | レーダ / フェーズドアレイ / 気象 / 気象レーダ / フェイズドアレイ / 圧縮センシング |
研究開始時の研究の概要 |
局地的な豪雨や竜巻など,地球温暖化や都市化の進行と共に,気象災害の防止に対する社会的な重要度は年々増している.こうした大気現象の3 次元構造を把握できる気象レーダは,その予報や警報発出に関する基盤的システムであるが,より高頻度・高解像度・高精度な次世代気象レーダが求められている.高頻度,高精度については,偏波フェーズドアレイレーダによって達成されているが,高解像度に関しては課題として残っている.本研究では,圧縮センシング理論等の最新の科学的モデリング手法を適用することによって,その高解像度化を理論的,実験的に検討し,竜巻や豪雨の予測改善・雨量精度向上の評価を行う.
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研究実績の概要 |
フェーズドアレイ気象レーダにおいて,複素受信信号(IQ信号)からドップラースペクトルを推定するため,スパース性と滑らかさを用いた正則化モデルを提案した.提案モデルの非負の変数によってドップラースペクトルが推定され,これは凸最適化によってスパース性と滑らかさを活用できるようになっているものとなっている.フェーズドアレイ気象レーダーにおける数値実験では,提案手法が従来のスパース推定モデルにスムージングを組み合わせた手法よりも優れた性能を発揮することが示された. また,偏波レーダにおいて高解像度かつ高精度な降水量推定アルゴリズムの検討を行った.従来の方法では,SNの低い箇所において,低域濾過フィルタの適用に伴って,空間解像度を劣化させることが問題となっていた.これに対して,偏波間位相差(Phi-DP)を各レンジビンにおいて,滑らかさやSNを考慮しつつ,最適化問題として解く手法を提案し,初期検討を行った.結果,空間解像度を劣化させることなく,比較的高精度で推定可能なことが,数値計算および実測データで示された. さらに,2重偏波フェーズドアレイレーダにおいて問題となるグランドクラッタの除去アルゴリズムの検討も行った.2重偏波フェーズドアレイレーダでは,送信に比較的ビーム幅の広いファンビームを送信するため,数km近辺までグランドクラッタの影響が出ることが分かっているが,これに対して適応的なフィルタを適用することによって,どの程度,反射因子のみならず,偏波間位相差や偏波間相関係数等の2重偏波パラメータの測定精度が向上するのか検討を行っている.アンテナ形状を考慮して,反射因子に関しては数十dB程度のクラッタレベルの低減が確認されており,今後,偏波間位相差の精度を確認予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブロックスパースによって,フェーズドアレイ気象レーダの高分解能化を実現する定式化が行われた.今後こうした手法の評価を行っていき,研究目的を達成する.
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今後の研究の推進方策 |
今後,ネットワーク環境下における高解像度化アルゴリズムの構築と評価を行なっていく予定である.また,高精度な降水量推定アルゴリズムの検討も行う予定である.こうした一連の検討によって,フェーズドアレイレーダネットワークにおける高解像度,高精度な降水量推定の可能性を示していく予定である.
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