研究課題/領域番号 |
23K21039
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補助金の研究課題番号 |
21H01623 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岸本 昭 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (30211874)
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研究分担者 |
須田 聖一 静岡大学, 工学部, 教授 (50226578)
寺西 貴志 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (90598690)
近藤 真矢 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教 (20890205)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | ミリ波加熱 / 高温電気化学デバイス / 非熱効果 / 迅速起動 / 高温酸化物形燃料電池 / 電気化学的インピーダンス |
研究開始時の研究の概要 |
ミリ波照射下で動作する高温酸化物形燃料電池(SOFC)を作製する。昇温したときの電流-電圧特性から燃料電池の発電効率を評価する。このときの昇温を通常の電気炉およびミリ波照射加熱で行い、発電効率を比較する。 発電効率の向上が認められる系について以下の電気化学評価を行う。まず、電気化学的インピーダンス(EIS)測定を行い、全抵抗から界面抵抗(アノード、カソード)を分離する。電解質、二種類の電極の抵抗減少から、発電効率向上への寄与を定量的に評価する。得られた知見をフィードバックスし、アノードの組成やカソード物質の最適化を行い、更なる発電効率向上を図る
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研究実績の概要 |
蛍石蛍石型およびペロブスカイト型酸化物セラミックスのイオン伝導度を、ミリ波照射加熱時と通常の電気炉加熱時で比較したところ、同じ温度でも前者の導電率が高いことを見出した。自己発熱をもたらし対象物質のみを昇温できるミリ波加熱は、エネルギー効率の高い加熱方法として知られていた。加えて今回見出されたイオン伝導促進により、これまでの作動温度で運転した場合、オーム損失の少ない固体電解質からなるデバイスを構成できる可能性が示された。また、電解質部の導電率を保ったまま作動温度を低下させることも可能であり、電解質のみの選択加熱効果を考慮すれば、電解質以外の構成部品を更に低温に保つことができる。 本研究は、高温で動作する電気化学デバイスの加熱方式をミリ波照射に変更することにより、選択加熱効果および導電率向上による加熱エネルギーおよびオーム損失の低減を図り、エネルギー効率向上の可能性を探ることを目的としている。ミリ波照射下での電解質の特性について評価した。安定化ジルコニア、セリア、ランタンガレートについてミリ波加熱促進効果を確認した。高温電気化学デバイスとしてまず、通常電気炉で動作する高温酸化物形燃料電池(SOFC)を作製した。電解質にはこれまでに最適化されたジルコニア系酸化物イオン伝導体を用い、アノード(水素極)にはNi-YSZ系サーメット、カソードとしてはLa0.8Sr0.2MnO3(LSM)をそれぞれ用いる。昇温したときの電流-電圧特性から燃料電池の発電効率を評価した。燃料電池をミリ波照射下で作動させ、電気炉昇温の時に比べ発電効率が向上していることを見出した。 電気炉昇温電気化学評価を行った。具体的には電気化学的インピーダンス(EIS)測定を行い、全抵抗から界面抵抗(アノード、カソード)を分離することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ミリ波照射下での電解質の特性向上を確認した。高温酸化物形燃料電池でのミリ波照射下での発電効率の向上を見出した。電極反応について電気化学的インピーダンス測定を行い界面抵抗を評価することができた。
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今後の研究の推進方策 |
ジルコニア系高温酸化物形燃料電池に続き高温水蒸気電解セルにおいてミリ波照射下での特性評価を行う。電極反応について電気化学的インピーダンス測定を行い、ミリ波照射下と通常電気炉昇温での特性を比較する。
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