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高温酸化物サスペンションのレオロジー特性に及ぼす界面電気物性の影響

研究課題

研究課題/領域番号 23K21053
補助金の研究課題番号 21H01684 (2021-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2021-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分26060:金属生産および資源生産関連
研究機関九州大学

研究代表者

齊藤 敬高  九州大学, 工学研究院, 准教授 (80432855)

研究分担者 西郷 浩人  九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (90586124)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
キーワードレオロジー特性 / 界面電荷 / 酸化物 / 機械学習 / サスペンション / 粘度
研究開始時の研究の概要

申請者らは,高温酸化物サスペンションのレオロジー特性について高温実験と機械学習を組み合わせることによって,予測モデルを構築してきた.しかしながら現状では,酸化物固体と巨大な比誘電率を有している酸化物融体の界面における「電荷」による斥力が, マクロなレオロジー特性に与える影響を考慮できていない.そこで本申請課題では,交流インピーダンス法を用いて高温酸化物融体と固体間の界面電荷を定量的に測定し,またその電荷によるレオロジー特性の変化を高精度に測定する.さらに,構築してきたレオロジー特性予測モデルについて,界面電荷の観点から高精度化・ロバスト化を図る.

研究実績の概要

金属素材産業において, 副生する高温で溶融した酸化物融体は均一な液相ではなく, 酸化物固体などが分散した複雑な流体を形成している. これら固相が共存したスラグ, フラックス, つまり高温酸化物サスペンションの流動特性は, 炉内の流れや耐火物へのスラグの浸透, スラグの結晶化挙動などに大きく影響するため, 酸化物融体の流動特性を十分に理解した上で反応器や装置は設計され, 融体の物性値が制御されている. しかし, 多成分系のスラグについては無数にあるため, 全ての粘度測定は不可能である.そのため申請者らは, これらの高温酸化物サスペンションのレオロジー特性について高温実験と機械学習を組み合わせることによって, 予測モデルを構築してきた. その結果, 室温系の300を超えるデータから数学的多重回帰したモデルが, 温度のみが異なる条件の高温系データを全くと言っていいほど, 再現しないことが分かった. この理由として, 高温酸化物サスペンション中に分散した酸化物固体と酸化物融体の界面において、室温系に比較して遥かに大きな界面電荷を有しているであろうことが示唆された. この界面電荷は, 水溶液系におけるゼータ電位に相当する物理量であると考えられており, 外部電場による流動特性の制御が期待されている.そこで当該年度の実験では, CaO-Al2O3-SiO2-MgO系スラグにCaOもしくはMgO粒子などを分散させた高温酸化物サスペンションを調製し,前年度に試作した高温酸化物サスペンションのエレクトロレオロジー評価装置を用いて,レオロジー特性に与える界面電荷および外部電場の影響を固相の割合,体積割合,ずり速度等をパラメータに系統的に調査した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度においては,CaO-SiO2系スラグにMgO粒子などを分散させた高温酸化物サスペンションを調製し,前年度に試作した高温酸化物サスペンションのエレクトロレオロジー評価装置を用いて,レオロジー特性に与える界面電荷および外部電場の影響を固相の割合,体積割合,ずり速度等をパラメータに系統的に調査した.その結果,10~30vol%の固体MgOを含む高温酸化物サスペンションの粘度は外部直流電場(~100mV)の影響を受けて低下することが明らかとなった.これは,溶融酸化物と分散させた固体MgOの界面に存在すると考えられる電気二重層による斥力が外部電場によって弱められたためであると推定される.

今後の研究の推進方策

これまでの実験において, CaO-Al2O3-SiO2-MgO系スラグにMgO粒子などを分散させた高温酸化物において, 溶融スラグ中に無数のイオンが存在しており, 固相であるMgO粒子表面の電荷が粘度に大きく影響を及ぼすことが分かっている. さらに, 室温系サスペンションよりも高温酸化物サスペンションの粒子は, 巨大な界面電荷を有しており, 粘度に及ぼす影響が大きいと考えられている. この高温酸化物サスペンションに電場を印加することで, 室温系サスペンションと同様に粘度が変化すると考えられる.今年度は前年度に引き続き,高温酸化物サスペンションのエレクトロレオロジー評価装置を用いて,レオロジー特性に与える 界面電荷および外部電場の影響を固相の割合,体積割合,ずり速度等をパラメータに系統的に調査する.

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] CaO-SiO2-Al2O3-MgO 系固液共存スラグの粘度に及ぼす外部電場の影響2024

    • 著者名/発表者名
      畠山大知,墨田岳大,齊藤敬高,中島邦彦
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会 第187回春季講演大会 第 59 回学生ポスターセッション
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] サスペンションのみかけ粘度に及ぼす固液界面電荷の影響2023

    • 著者名/発表者名
      畠山大知,墨田岳大,齊藤敬高,中島邦彦
    • 学会等名
      資源・素材学会九州支部 令和5年度春季例会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 室温サスペンションの見かけ粘性に及ぼす外部電場の影響2023

    • 著者名/発表者名
      畠山大知,墨田岳大,齊藤敬高,中島邦彦
    • 学会等名
      日本金属学会九州支部 日本鉄鋼協会九州支部 令和5年度共催合同学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] サスペンションの粘性挙動に及ぼす外部電場の影響2023

    • 著者名/発表者名
      畠山大知,墨田岳大,齊藤敬高,中島邦彦
    • 学会等名
      日本実験力学会 2023年度年次講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Some Electrical Properties of Molten Slags Characterized under Various AC Electric Field2023

    • 著者名/発表者名
      Noritaka SAITO
    • 学会等名
      3rd ISIJ-VDEh-Jernkontoret-Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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