配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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研究実績の概要 |
金属素材産業において, 副生する高温で溶融した酸化物融体は均一な液相ではなく, 酸化物固体などが分散した複雑な流体を形成している. これら固相が共存したスラグ, フラックス, つまり高温酸化物サスペンションの流動特性は, 炉内の流れや耐火物へのスラグの浸透, スラグの結晶化挙動などに大きく影響するため, 酸化物融体の流動特性を十分に理解した上で反応器や装置は設計され, 融体の物性値が制御されている. しかし, 多成分系のスラグについては無数にあるため, 全ての粘度測定は不可能である.そのため申請者らは, これらの高温酸化物サスペンションのレオロジー特性について高温実験と機械学習を組み合わせることによって, 予測モデルを構築してきた. その結果, 室温系の300を超えるデータから数学的多重回帰したモデルが, 温度のみが異なる条件の高温系データを全くと言っていいほど, 再現しないことが分かった. この理由として, 高温酸化物サスペンション中に分散した酸化物固体と酸化物融体の界面において、室温系に比較して遥かに大きな界面電荷を有しているであろうことが示唆された. この界面電荷は, 水溶液系におけるゼータ電位に相当する物理量であると考えられており, 外部電場による流動特性の制御が期待されている.そこで当該年度の実験では, CaO-Al2O3-SiO2-MgO系スラグにCaOもしくはMgO粒子などを分散させた高温酸化物サスペンションを調製し,前年度に試作した高温酸化物サスペンションのエレクトロレオロジー評価装置を用いて,レオロジー特性に与える界面電荷および外部電場の影響を固相の割合,体積割合,ずり速度等をパラメータに系統的に調査した.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの実験において, CaO-Al2O3-SiO2-MgO系スラグにMgO粒子などを分散させた高温酸化物において, 溶融スラグ中に無数のイオンが存在しており, 固相であるMgO粒子表面の電荷が粘度に大きく影響を及ぼすことが分かっている. さらに, 室温系サスペンションよりも高温酸化物サスペンションの粒子は, 巨大な界面電荷を有しており, 粘度に及ぼす影響が大きいと考えられている. この高温酸化物サスペンションに電場を印加することで, 室温系サスペンションと同様に粘度が変化すると考えられる.今年度は前年度に引き続き,高温酸化物サスペンションのエレクトロレオロジー評価装置を用いて,レオロジー特性に与える 界面電荷および外部電場の影響を固相の割合,体積割合,ずり速度等をパラメータに系統的に調査する.
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