研究課題/領域番号 |
23K21057
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補助金の研究課題番号 |
21H01699 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 弘和 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70701340)
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研究分担者 |
矢作 尚久 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 教授 (30365431)
太田 誠一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40723284)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 医薬品製造プロセス / パンデミック / モデリング / シミュレーション / 最適化 / ワクチン供給 / 治療薬供給 / プロセス設計 / COVID-19 / モデル化 / 感染予測 / コンパニオン診断 / 感染症数理モデル / ダイナミックシミュレーション / ワクチン・治療薬 / デュアルユース / 診断・治療用ナノ粒子 / パンデミック治療薬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、感染症の流行を予測し、治療薬の迅速生産委つなげるための、生産支援システムの構築である。研究では、医療や人流・気温の情報からの感染予測を介して、治療薬の需要予測を得る「需要予測モジュール」と、与えられた需要予測に対して、速度やコスト面の最適プロセスを得る「プロセス設計モジュール」を構築する。これらを統合し、需要変動への追従を可能にするための「統合生産システム」を構築する。さらに、新規治療薬・診断薬の費用対効果分析や供給安定性に関する分析も実施し、分子・細胞スケールからプロセススケール、社会スケールの連動性を意識した研究を展開する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、感染症流行をいち早く検知してワクチン・治療薬を迅速に供給するための、生産支援システムの構築である。研究では、ワクチン・治療薬の需要予測を得る「需要予測モジュール」と、与えられた需要予測に対して、速度やコスト面の最適プロセスを得る「プロセス設計モジュール」を構築し、これらを統合した「統合生産システム」につなげていく。2年目である2022年度は、当初計画に従い、遂行項目①「需要予測モジュールの構築」と②「プロセス設計モジュールの構築」、④「システムのソフトウェア実装」に取り組んだ。「需要予測モジュールの構築」としては感染予測モデルの開発を進めた。研究には、既に構築したSEIRモデル(Susceptible-Exposed-Infected Recovered:SEIRモデル)に、人流・気象データを用いてパラメータを動的に推定するという、独自の改良を加えたものを用いた。更なる改良を加えたうえで、モデルが日本国内のCOVID-19に適用可能であることを確認し、分析結果とともに論文投稿した。さらに、患者の生体シグナルからいち早く感染拡大の予兆を掴むための、診断・治療用ナノ粒子開発や、コンパニオン診断技術の開発、評価基盤構築にも継続して取り組んだ。寒冷刺激を組み込んだモデルの応用も検討を進めた。「プロセス設計モジュールの構築」としては、既存薬の製造設備を、感染拡大時にワクチン等の生産に転用するデュアルユース設備の推進策に注目し、国内のCOVID-19に関して、設備切り替えのタイミングと感染拡大の関係を上記SEIRモデルと連動させつつ分析した。コンパニオン診断に関する診療プロセスのモデル化も実施し、成果を論文投稿した。「システムのソフトウェア実装」としては、上記研究で個別に構築したモデルを連結・統合して利用するための予備的検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遂行項目①「需要予測モジュールの構築」については、人流・気象データを用いた感染予測モデルを発展させた。生体シグナルから感染拡大の予兆を掴むための要素技術開発や評価基盤構築にも研究を展開した。項目②「プロセス設計モジュールの構築」については、デュアルユース推進策に関して、切り替えタイミングと感染拡大を結び付ける分析モデルを構築した。さらに、サプライチェーンのリスク評価モデル構築や、コンパニオン診断に関する診療プロセスのモデル化にも取り組んだ。項目④「システムのソフトウェア実装」についても、個別モデルのモジュール化と統合化に向けた検討を実施した。発表した成果のうち、サプライチェーンに関する内容について化学工学会第88年会で学生奨励賞(ポスター賞)を得た。
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今後の研究の推進方策 |
3年目の2023年度は、当初計画に従い、遂行項目①「需要予測モジュールの構築」と②「プロセス設計モジュールの構築」、④「システムのソフトウェア実装」に引き続き取り組みつつ、③「統合生産システム構築」にも着手する。項目①については、構築した感染予測モデルを発展させていくとともに、生体シグナル計測のための要素技術開発などを進めていく。項目②については、サプライチェーンのリスク評価モデルやコンパニオン診断の評価基盤モデルの構築を進めていく。さらに、感染症対策も含めて急速に多様化する新規モダリティに関しても分析を進めていく。項目④については、個別モデルのモジュール化と統合化に向けた検討を進めていく。さらに項目③として、複数の要素を連動させた分析に着手する。
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