研究課題/領域番号 |
23K21063
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補助金の研究課題番号 |
21H01739 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
古山 通久 信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 教授(特定雇用) (60372306)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 第一原理計算 / 実在系構造 / 機械学習 / 多元素ナノ合金 / 触媒活性 / 多元素合金 / ナノ粒子 / 実在系 / 吸着 / 合金ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
理論触媒科学において標準的概念である「dバンド中心」が提案されて20年以上が経った。その有用性は疑いがないものの、その限界も広く認知されている。現在のアプローチは、実在系の構造と乖離した構造に基づくものであり、活性予測に対する限界も指摘されている。本研究では、(1)ナノ粒子の不均一な構造を考慮した第一原理計算データの蓄積、(2) 記述子の網羅的探索による一般化記述子の構築、に取り組む。従来の簡易的なモデル構造を用いたdバンド中心の予測性の限界を突破し、合金ナノ粒子触媒への各種分子の吸着特性に関する一般化記述子を構築し、高活性触媒の創製に資する基盤技術の構築を目標とする。
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研究実績の概要 |
理論触媒科学において標準的概念である「dバンド中心」が提案されて20年以上が経った。“理論触媒科学の近年の進展にも関わらず、計算機支援による触媒材料設計は実現に遠い”とされる現状を打破し、理論・情報科学を活用した計算機支援による触媒材料設計を有効な選択肢の一つとするため、新たなアプローチが必要である。現在のアプローチは、実在系の構造と乖離した構造に基づくものであり、活性予測に対する限界も指摘されている。 本研究では、(1)ナノ粒子の不均一な構造を考慮した第一原理計算データの蓄積、(2) 記述子の網羅的探索による一般化記述子の構築、に取り組む。従来の簡易的なモデル構造を用いたdバンド中心の予測性の限界を突破し、合金ナノ粒子触媒への各種分子の吸着特性に関する一般化記述子を構築し、高活性触媒の創製に資する基盤技術の構築を目標とする。 本年度は、1.実在系第一原理計算データの蓄積、2.記述子の網羅的探索による一般化記述子の構築、に継続して取り組んだ。これまでに蓄積してきた2元・3元合金の吸着特性予測のためのデータに加えて、吸着特性予測の検証のための多元素合金への吸着特性についてもデータを蓄積した。 第一原理計算によるデータは、吸着特性の予測のみならず多様な用途への活用が期待されるため、再利用が可能な形で蓄積し、データベース化を進めた。具体的な多用途への蓄積データの活用例として、当初計画にはなかった局所状態密度の予測を着想し、予測手法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
データの蓄積と記述子の開発のためのツール開発を主眼として取り組んできており、計算資源は、東北大学金属材料研究所計算材料学センターのスーパーコンピューティングシステムに加えて、九州大学情報基盤研究開発センターのスーパーコンピューターの計算資源も確保することができ、データの蓄積を進めることができた。二元系、三元系の吸着特性データを蓄積し、多元素合金系の吸着特性予測もできるようになってきた。 当初予定されていた上記の項目に加えて、ナノ粒子を構成する原子一つ一つの局所状態密度の予測手法の開発にも成功した。 以上より、当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2元系で開発してきた元素固有の記述子に基づいて多元系の予測を実現することで、新たな第一原理計算をせずとも複雑な活性の予測をすることができる基盤技術の確立を目指す。状態密度の予測に成功しており、この情報も活用した吸着特性予測にも取り組む。
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