研究課題/領域番号 |
23K21066
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補助金の研究課題番号 |
21H01749 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
森山 悟士 東京電機大学, 工学部, 教授 (00415324)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | グラフェン / 超格子 / 六方晶窒化ホウ素 / TMDC / ファンデルワールス積層技術 / 量子輸送 / トポロジカル物性 / バレーホール効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,グラフェンと六方晶窒化ホウ素の積層構造で形成されるモアレ超格子系をチャネルとしたデバイスを中心に,異種の機能を持つ原子層材料を積層化した電子素子を開発する。原子層材料を用いた量子情報処理システムやエレクトロニクスへの応用に関して,物理現象の解明から基本設計・デバイス化までの基盤技術を確立し,さらに超格子構造で発現する,バレーという量子自由度を操作する新しいエレクトロニクスへの展開,超伝導やトポロジカル物性を活かした量子機能の実現を目指す研究である。
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研究実績の概要 |
本研究は,グラフェンと六方晶窒化ホウ素(hBN)の積層構造で形成されるモアレ超格子系をチャネルとしたデバイスを中心に,遷移金属カルコゲナイド(TMDC)薄膜など異種の機能を持つ原子層材料を、ファンデルワールス積層技術を用いて積層化した、原子層ヘテロ積層構造を有する電子素子を開発する。2023年度は、作製したグラフェン/hBNへテロ構造素子の電子輸送特性から、複数の素子において高い移動度を持つことを確認し、ファンデルワールス積層プロセスおよびデバイス作製プロセスを確立することができた。そして本素子における近赤外領域の光応答検出を試み、波長750 nmおよび1,550 nmの光検出に成功した。光応答特性から、pn接合を設計していないデバイスにおいてもゼロバイアス光電流が検出され、その生成メカニズムは光熱電効果が支配的であることを定性的に確認した。本実験で得られた知見は、今後検討していくグラフェン光検出デバイスの評価・構造最適化の基礎になるものである。またTMDC材料として、2次元半導体材料である六方晶型二テルル化モリブデン(2H-MoTe2)に対してグラファイトを電極材料として用いる原子層積層デバイスを作製し、グラファイト/TMDC積層におけるファンデルワールス積層プロセスの確立、そして作製した複数のデバイスに対する電気伝導特性評価から2H-MoTe2の膜厚が電子輸送に与える影響など、基礎的な知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数のグラフェン/hBN構造の素子作製とその電気伝導特性、光応答特性評価に成功した。また2次元半導体材料である六方晶型二テルル化モリブデン(2H-MoTe2)を用いた原子層積層積層構造の作製と電子輸送特性評価を進めることができており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
グラフェン/hBN構造をベースとして、支持基板や積層構造を含めたデバイス構造を改良して光応答性の向上を検討する。また2次元半導体材料である、六方晶型二テルル化モリブデン(2H-MoTe2)を用いた原子層積層デバイスで得られた電子輸送特性の物性解明を進めるため、2次元材料として単斜晶型MoTe2や二硫化モリブデン(MoS2)で同様の構造を作製し動作比較を検証する。
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