研究課題/領域番号 |
23K21071
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補助金の研究課題番号 |
21H01783 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
秋山 佳丈 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (80585878)
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研究分担者 |
保地 眞一 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10283243)
諫田 泰成 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 部長 (70510387)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 凍結保存 / 急速解凍 / レーザ加熱 / レーザ解凍 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の凍結保存法では、凍結保護剤の添加が必須であるにもかかわらず、その毒性や分化誘導効果などが問題となっていた。それに対し、代表者は、細胞を微小液滴化し超瞬間的に凍結することで、凍結保護剤フリーで細胞を凍結保存することに世界で初めて成功した。本研究では、液滴のさらなる微小化により冷却速度を究極的に高めると共に、液滴単独解凍やレーザ加熱により解凍工程も超瞬間的に行う技術を開発し、次世代凍結保存技術を確立する。そして、医療において特に重要な幹細胞や生殖細胞、凍結困難な微生物等バイオリソースへと展開し、その実用化を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、従来のように凍結保護剤により化学的もしくは生物学的に細胞内外の水をガラス化するのではなく、物理的アプローチにより凍結および解凍の速度を究極的に高めることで、様々な細胞に対応可能な凍結保護剤フリーの次世代凍結保存技術を創出することを目指している。この新しい凍結保存技術の確立に向けて、本年度は以下の項目に取り組んだ。 1.超瞬間凍結法の凍結困難サンプルへの適用:2つの凍結困難サンプルに超瞬間凍結法の適用を試みた。具体的には、低温保存も難しく保存期間が一週間程度と短いヒト血小板および共生関係などからバイオリソースとして注目されるゾウリムシを対象とした。血小板は数マイクロメートルと微小ではあるが、凍結により大幅な機能低下が知られる。インクジェット凍結したものが惹起物質による凝集能を保持していることを確認した。ゾウリムシについては、動物細胞に比べて大型のため、まず100マイクロメートルを越えるサンプルを安定して吐出可能な技術を確立した。そして凍結保存を行なったが、生きたゾウリムシは回収できなかった。 2.レーザ加熱による超瞬間解凍:レーザ照射による解凍をおこなったが、レーザ出力の調整等が難しく、適切な解凍ができなかった。 3.液滴単独落下による超瞬間解凍:液滴単独落下による超瞬間解凍法を完成させた。細胞を含むインクジェット液滴を液体窒素冷却した凍結基板上に堆積させた後に、基板から液滴のみを衝撃で落下させることで、液滴単独で解凍出来る技術を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レーザ解凍に関しては十分な進捗が得られなかったが、血小板凍結における良好な結果が得られ、さらに血小板凍結に関連して新たな改良をインクジェット凍結に加えることが出来たことから、概ね予定通り進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,以下を予定している. 1.超瞬間凍結法の凍結困難サンプルへの適用:超瞬間凍結法により凝集能を保持したままヒト血小板を凍結できることが確認できたので、凍結血小板の詳細な評価を行ない、その有効性を検証する。また、ゾウリムシについては、各種凍結保護剤の可能性を検討すると共に、凍結保存技術確立を目指す。 2.レーザ加熱による超瞬間解凍:過加熱となり試料を損傷しないようなレーザ解凍条件を有限要素解析等を利用し探索する。それによりレーザによる超瞬間解凍技術の確立を目指す。
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