研究課題/領域番号 |
23K21089
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補助金の研究課題番号 |
21H01866 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
愛知 正温 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (40645917)
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研究分担者 |
田部 一憲 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (80816075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | 除荷過程 / 多孔質材料 / 連成現象 / 室内実験 / 数値シミュレーション / 連成解析 / 逆解析 / 透明模擬地盤 |
研究開始時の研究の概要 |
地盤材料によく似た性質をもつ代替材料を用いて室内実験することで、内部の変形挙動を可視化した状態で荷重や間隙水の圧力を増減させることによって、局所的・一時的に生じうる収縮・膨張などの分布を明らかにし、変形メカニズムについて解明することを目指す。また、コンピュータによるシミュレーションを用いて分析することにより、ありうるメカニズムに対して理論的かつ定量的な解釈・検証を試みる。
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研究実績の概要 |
室内実験による検討では、試作供試体での検討および模擬地盤の作製を通じた検討により、地盤の透明性や安定性を検証した。また、流体の流出入および載荷・除荷を制御する装置を構築した。その後、砂地盤の上位に模擬地盤を設置した二層地盤を実験タンク内に作製し、模擬地盤内に埋め込んだ追跡粒子の挙動を画像撮影しながら挙動解析する装置を付加した。このように構築した実験システムを用いて、予備実験を実施し、実験システム全体の動作を検証するとともに、載荷・除荷装置や画像撮影に関する動作課題を抽出して改善した。その後、構築した実験システムによる本実験を実施した。実験タンクに設置した模擬井戸を用いて砂地盤から揚水する期間と揚水を休止している期間を複数回繰り返す実験を行い、模擬地盤が載荷・除荷過程によって収縮・膨張する様子を、追跡粒子を用いて画像解析することに成功した。その結果、模擬地盤内での上部と下部で変形挙動に相違が見られることが分かった。上部では累積変形は収縮側であったのに対して、下部は累積変形が膨張側であり、さらに井戸から遠ざかる方向の水平変位も見られた。これは、帯水層に接している粘土層下部の収縮が大きく、また揚水井に向かって水平変位するという従来の一般的な地盤沈下挙動の理解とは異なる結果であり、除荷過程に関する検討の重要性が示唆された。また、数値解析技術による検討では、室内実験を模擬した予察的な解析を行った。検討の結果、このような変形挙動は全応力変化の影響があり、条件によっては類似する現象が実地盤でも発生しうる可能性があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数値計算に基づく実験条件の検討や着目している除荷過程の現象の仮説検証や特性の理解への活用を開始できた。 室内実験においては必要なシステムの構築が完了し、さまざまな実験を開始している。その結果、新規性の高い事象の実験的観測に成功し、従来の理解では解釈が困難であったフィールドデータの解釈が可能になる可能性が示唆されるなど、いくつか興味深い結果が得られ始めている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)引き続き、数値解析技術のパートでは、昨年度に構築した多相流・多孔質弾性シミュレータ(有限要素法)を用いて室内実験を模擬した解析を行って室内実験計画を支援するとともに、除荷過程に発生しうる現象の整理を行う。 (2)室内実験のパートでは、引き続き、流体の流出入と載荷・除荷を制御可能なタンクおよび計測装置を備えた実験システムを用いて、さまざまな載荷・除荷条件による実験を進める。また、異なる密度の材料による模擬地盤を用いた変形挙動の違いについても検討し、仮説検証を進める。
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