研究課題/領域番号 |
23K21103
|
補助金の研究課題番号 |
21H01898 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
坪内 雅明 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 量子応用光学研究部, 上席研究員 (40392039)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 二次元振動分光 / 混合溶液 / テラヘルツ / 光音響波 / 光合成 / 二次元電子分光 |
研究開始時の研究の概要 |
水・アルコール混合溶液の局所構造を定量的に理解し、局所構造とマクロな物性との相関から混合溶液に見られる特異的な混合比依存性の解明を目指して、「光音響波励起-二次元振動分光検出法」を新たに開発する。圧力波の一種である光音響波により瞬間的・局所的に圧力操作を行い、それに伴う局所構造の変化や安定構造への緩和を観測することでマクロな物性の特異性のメカニズムに迫る。
|
研究実績の概要 |
本年度は光音響波励起と二次元振動分光を組み合わせることで過渡的局所構造からの緩和過程を追跡し、安定局所構造の再評価を行うために、中赤外光励起水中光音響波の効率的発生法の開発を行った。高強度ナノ秒中赤外光源(波長4500nm、繰り返し250Hz、パルス強度1 mJ)を用いて高強度水中光音響波発生を実現し、その観測を実施した。数ミリ程度の直径を有する大口径光音響波の長距離伝播(1cm以上)を実現させ、その非破壊イメージングへの適用デモンストレーションも実施した。 中赤外光を用いた二次元振動分光の実施に先駆けて、光合成タンパク質溶液に対してこれまで開発してきた可視二次元電子分光装置を適用し、色素分子間エネルギー移動や分子内振動コヒーレンスの観測を行った。光励起後に生じる色素分子間の高速エネルギー移動や、振動状態間の明瞭なコヒーレンスが観測された。我々が新たに開発した二次元電子分光装置により、これまでの研究と比べて高いシグナルノイズ比でかつ短時間に測定を完結させることができるため、これまでに得られている光合成アンテナタンパク質複合体における高効率エネルギー移動ダイナミクスに対する新たな知見を得ることができた。 本観測により準備した実験技術や解析手法は、新たに開発している二次元振動分光システムへ適用する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二次元分光に対する解析手法の確立、二次元電子分光装置の開発とそれを用いた水溶液中ダイナミクスの観測、光音響波発生技術の確立を終えており、残すは二次元振動分光装置の完成とそれの混合溶液への適用を残すのみである。 中赤外光発生の安定化に苦慮しており、二次元振動分光装置はまだ立ち上げ段階である。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度は中赤外光源の安定化を早急に実施し、二次元振動分光装置の早期完成を目指す。 混合溶液へ本手法を適用し、微視的構造やそのダイナミクスの解明を目指した観測を実現させる。
|