研究開始時の研究の概要 |
生物活性天然物は、官能基や分子形状を介して生体内標的分子と相互作用することで生物活性を発現する。したがって、多官能基化された複雑系巨大天然物は強力な生物活性を持ちうる。本研究では、機器分析による構造決定が極めて困難な複雑系巨大天然物を研究対象とし、合成化学的手法を基盤とすることで、その構造を解明する。具体的には、2,860の分子量を有するシンビオジノライドおよび2,054の分子量を有するブレビスルセナール-Fを研究対象とする。合成においては、複数の立体異性体を共通の合成中間体から同様の変換反応により枝分かれ式に合成する、いわゆる立体発散的な合成ルートを採用することで、総工程数の軽減を図る。
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