研究課題/領域番号 |
23K21126
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補助金の研究課題番号 |
21H01970 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
佐藤 香枝 日本女子大学, 理学部, 教授 (40373310)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | マイクロデバイス / 血液細胞分化 / OP9細胞 / 力学的刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
すべての血液の源である造血幹細胞は、胎性初期の大動脈で発生する。発生には血流による力学的刺激が重要であることがAdamoらにより報告され、それ以来、多くの研究者が細胞へ与えるずり応力に着目して研究を進めているが高効率な分化誘導法は確立されていない。一方、当研究室では血管壁への血流の与える刺激はずり応力以外に細胞の伸展刺激があると考え研究を進めている。 本研究では、細胞伸展デバイスを開発し、伸展刺激を与えたOP9細胞の機能の変化を、遺伝子の転写量、タンパク質の発現、サイトカイン類の分泌など調べる。最終的に力学的刺激を積極的に使った血液細胞分化誘導法の研究に貢献する基盤技術を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
今年度は、OP9細胞に伸展刺激を与えることで、培養上清中へ血液細胞分化誘導因子の分泌が増加するという仮説を立て、①OP9細胞の静置培養と伸展培養における分泌性血液細胞分化誘導因子の遺伝子転写産物の存在量比較、②培養上清中に分泌した分化誘導因子の定量を行った。
細胞培養チャンバーを持つ上部シートと、伸展刺激を与える際に空気を引く制御チャンバーを持つ下部シートの間に、細胞培養面となる薄膜を挟んだ伸展デバイスをポリジメチルシロキサン(PDMS)で作製した。伸展デバイス内で、72時間静置培養、続けて24時間静置または伸展培養したOP9細胞を用意した。細胞を溶解してRT-PCRを行うことで、分泌性血液細胞分化誘導因子であるSCF(幹細胞因子)、TGF-β1(トランスフォーミング増殖因子β1)、BMP2(骨形成タンパク質2)、BMP4(骨形成タンパク質4)、CXCL12(C-X-Cモチーフケモカインリガンド12)、EDN2(エンドセリン2)という6つの遺伝子転写産物の存在量を比較した。さらに、同様の条件でOP9細胞を静置または伸展培養し、培養上清を分取後、ELISA法を用いてSCFとTGF-β1の定量を行った。
分泌性血液細胞分化誘導因子の遺伝子転写産物の存在量を比較した結果、SCF、TGF-β1、BMP4については、静置培養と伸展培養で差は見られなかった。CXCL12は伸展培養で発現が多く見られたため、伸展刺激によって分泌が増加し、血液細胞産生を促進している可能性が示唆された。培養上清中の物質を定量した結果、SCF、TGF-β1ともに静置培養、伸展培養で分泌量に有意な差は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1-2年目から着手したかった細胞内外シグナル伝達物質の定量を行うことができたため、概ね計画通りに進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度から始めた細胞内外シグナル伝達物質の定量を引き続き行う。リアルタイムPCRによる定量を試みる。
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