研究課題/領域番号 |
23K21184
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補助金の研究課題番号 |
21H02165 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山崎 将紀 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00432550)
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研究分担者 |
松葉 修一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (00370594)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | イネ / 高温登熟耐性と感受性 / 大規模交雑集団 / 遺伝・形態・環境要因 / 高温登熟性 / 気象条件 / 出穂期 / QTL / 品種選抜 |
研究開始時の研究の概要 |
日本全国で夏場の高温が続くため、イネの高温登熟に伴う白未熟粒発生要因の解明と対策が必要である。将来においてもコメの生産を大きく担う、北海道は高温登熟を警戒すべき時期が到来している。大規模な日本水稲交雑集団より高温登熟耐性系統を選抜して、4地点(北海道、新潟、福井、兵庫)で栽培して高温登熟性やイネの形態ならびに環境を複数年にわたって調査し、遺伝的要因も含めた特性を解明していく。また、これらの系統は高温登熟耐性育種への母本としての貢献が期待できる。その一方で、日本水稲における高温登熟性の遺伝様式を明らかにする。高温登熟耐性を付与するために、日本各地に最適なハプロタイプ組み合わせが提唱できる。
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研究実績の概要 |
日本全国で夏場の高温が続くため、イネの高温登熟に伴う白未熟粒発生要因の解明と対策が必要である。将来においてもコメの生産を大きく担う、北海道は高温登熟を警戒すべき時期が到来している。大規模な日本水稲交雑集団より高温登熟耐性系統を選抜して、3地点(北海道、福井、兵庫)で栽培して高温登熟性やイネの形態ならびに環境を複数年にわたって調査し、全ゲノム解読や遺伝子型決定によって遺伝的要因も含めた特性を解明していく。また、これらの系統は高温登熟耐性育種への母本としての貢献が期待できる。その一方で、日本水稲における高温登熟性の遺伝様式を明らかにするため、QTL解析を行う。高温登熟耐性を付与するために、日本各地に最適なハプロタイプ組み合わせが提唱できる。 本年度は日本水稲RIL集団から2019年度と2018年度兵庫県加西市で栽培された種子で調査を開始し、兵庫県加西市、札幌市、福井市でRIL集団を栽培して、高温登熟に関する種子形質を調べ、整粒率が高い系統を高温登熟耐性候補系統として選出した。各RIL集団はGRAS-Di技術による遺伝子型が決定されて連鎖地図が作成され、各RILゲノムの概要が把握できた。各形質についてQTL解析を行い、出穂期の影響と登熟気温の影響を受けながらも複数QTLの関与が考えられた。 当初申請していた兵庫県加西市、札幌市、福井市で得られた形質データや環境データは貴重であり、引き続きデータの収集に努めていく。代表者が2022年度から新潟大学へ異動となり、新潟市でのデータを収集しこの地域での高温登熟性と高温登熟耐性育種の研究を推進していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
兵庫県加西市で2018, 2019, 2021年度に栽培された組換え自殖系統(RIL)集団を、穀粒判別器(サタケRGQI20A)などを利用して測定したところ、各系統の出穂期や千粒重ならびに高温登熟耐性には年次間に正の相関関係が認められ、年次変動は確実に認められるものの、各系統の形質の傾向は同様であった。高温登熟耐性の指標としている整粒比と収量性との相関は高くなく、白未熟粒である乳白や基白の発生率と弱い相関がある環境で検出された。「コシヒカリ」/「きらら397」RILからは2系統、「コシヒカリ」/「アケボノ」RILからは2系統が、早生で高い整粒率、収量性は「コシヒカリ」並を示す候補として選抜できた。またこの系統については、札幌市や福井市でも同様の結果が得られ、引き続き栽培試験を重ねていく。 「コシヒカリ」/「きらら397」RILは出穂期遺伝子Ghd7、Hd2、Hd16が検出され、稈長はGA20ox1、穂長や整粒率については出穂期の影響を受けていると考えられた。千粒重は札幌市と兵庫県加西市での高温条件で共通の新規QTLが検出され、粒型や粒重に影響を及ぼしていることが考えられた。 「コシヒカリ」/「アケボノ」RILは出穂期遺伝子Hd6、Hd16、Hd17が検出され、整粒率については出穂期の影響を受けているだけでなく新規QTLの関与がと考えられた。 高温登熟に関する形質は出穂期の影響、粒型や粒重、複数QTLが関わることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
当初申請していた兵庫県加西市、札幌市、福井市で得られた形質データや環境データは貴重であり、引き続きデータの収集に努めていく。代表者が2022年度から新潟大学へ異動となり、新潟市でのデータを収集しこの地域での高温登熟性と高温登熟耐性育種の研究を推進していく。
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