研究課題/領域番号 |
23K21199
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補助金の研究課題番号 |
21H02205 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 和也 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (00648280)
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研究分担者 |
宮国 泰史 琉球大学, 地域連携推進機構 地域共創企画室, 特命講師 (00869290)
村上 貴弘 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40374706)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | シロアリ / 性決定 / 性染色体 / ゲノム / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫においては性決定遺伝子は驚異的な多様性を示す。しかし、その多様性ゆえに性決定遺伝子の特定が進んでいる昆虫種はショウジョウバエやミツバチなどの遺伝学が盛んなモデル生物種とその近縁種に限られており、シロアリをはじめとする不完全変態昆虫では未だに性決定遺伝子の特定には至っていない。本研究はスギオシロアリのオスにしかみられない遺伝子を足掛かりとしてシロアリの性決定遺伝子の特定を目指すものである。
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研究実績の概要 |
性決定は、動物の発生初期にその個体の発生運命を決定づける重要な分化プロセスである。本研究では、スギオシロアリにおいてオス特異的なマイクロサテライトアリルおよび当該遺伝子座と連鎖している機能遺伝子であるSymを性決定遺伝子の候補遺伝子として、これらの地理的変異に着目し、本種の性決定遺伝子特定と性決定メカニズムの進化史解明を目指している。今年度も引き続き、候補遺伝子の配列解析を雌雄それぞれで行うとともに、沖縄本島と石垣島の集団間比較を続けている。また、沖縄集団由来の単為生殖第系統については第二世代の作出・維持に成功しており、ヘテロ接合度の極めて低い純系個体作出により、性決定遺伝子をはじめとするゲノム構造の解明に貢献できるものと考えている。 染色体観察による性染色体推定も並行して進めており、C-band染色法での性染色体の特定を行ったほか、雌雄それぞれでテロメア、18S rDNAのFISHマッピングのサンプル数を増やし、特にテロメアシグナルが有意にメスよりオスで多いことを確認した。また、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を適用し、テロメアと18S rRNA領域を染色し、2024年の生態学会において発表を行った(Murakami et al. 2024)。現在、制限酵素処理により、性特異的(オスのみ)に検出されたバンドをDOP-PCRにより増幅し、プローブの作成を行った。Y染色体特異的にシグナルが検出できるか、今後確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたよりも地域変異が大きく、オス特異的マイクロサテライトアリル周辺の機能遺伝子配列の特定のためPCRプライマーの設計に手間取っており、解析が遅れている。 また、染色体観察に適した発生段階の特定とその段階の十分なサンプル数の確保に手間取ったため、実験が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はスギオシロアリのオス特異的マイクロサテライトアリル周辺の機能遺伝子配列の特定を進め、その配列特定および雌雄差の調査、琉球列島内における候補遺伝子の塩基配列の地理的変異の解明を目指す。 また、染色体観察については得られたデータをもとに論文化を進めるとともに、機能遺伝子Symの領域を染色し、染色体上での位置の特定を進める。
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