研究課題/領域番号 |
23K21200
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補助金の研究課題番号 |
21H02206 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
鈴木 康嗣 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 特定准教授 (00896087)
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研究分担者 |
堀江 真行 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (20725981)
渡辺 幸三 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (80634435)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 内在性ウイルス配列 / 媒介蚊 / 昆虫免疫 / ウイルス / 昆虫特異的ウイルス / ネッタイシマカ / 蚊特異的ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫を含む生物のゲノムには内在性ウイルス配列と呼ばれるウイルス由来の配列が組み込まれている。そのほとんどの機能は未解明であったが、近年、多くのウイルスの媒介蚊として知られるシマカの内在性ウイルス配列が、同一の核酸配列を持つウイルスの複製を蚊個体、特に卵巣において抑制する抗ウイルス機構が申請者らにより発見された。しかし、この抗ウイルス機構が蚊の生存や繁殖にどのような利点を持つのかは、明らかになっていない。本研究は、シマカが有する内在性ウイルス配列による抗ウイルス機構の生存戦略上の意義を理解を目指す。
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研究実績の概要 |
内在性ウイルス配列(EVE)による抗ウイルス機構が、蚊の生存や繁殖に対して、どのような利点があるのかを検討するため、本年度は、CFAV自然感染蚊系統(CFAV-EVE非保有)とCFAV非感染・CFAV-EVE保有系統を掛け合わせることで、遺伝的背景を均一にしたCFAV自然感・CFAV-EVE保有もしくは非保有系統の作製を行った。CFAV-EVEの保有と非保有系統の作製においては、それぞれのホモ接合体を持つ個体を生存したまま選別する必要がある。そのため、蚊の脚を用いた簡便かつ迅速なジェノタイピング法を構築した。この方法を用いることで、CFAV自然感・CFAV-EVE保有(+/+)もしくは非保有(-/-)系統を作製することが可能となった。さらに上記2つのネッタイシマカ系統におけるCFAVの感染率は、その親世代と同様に100%に近いことが観察された。またCFAV自然感染蚊個体の頭部、脚、中腸や卵巣といった器官においても、CFAV RNAが検出されていることから、当初の計画通りEVEが蚊の繁殖、特に産卵や孵化の段階に機能することを検証するために感染蚊個体のCFAV RNA量とともに産卵数と孵化率への影響の評価にも着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝的背景を均一にしたCFAV自然感・CFAV-EVE保有(+/+)もしくは非保有(-/-)系統の作製に伴い、効率的なジェノタイピング法を構築し、目的の2つの系統も作製することができた。これらの2系統のネッタイシマカを用いて、蚊の繁殖にどのようにEVEが影響するのかを評価する実験にも着手している。また、自然界におけるCFAVとCFAV-EVEの相互作用を明らかにするための野生蚊採取や実験の打ち合わせも共同研究者と進めている。よって、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に構築した2つのCFAV自然感染・CFAV-EVE保有・非保有ネッタイシマカ系統を用いて、CFAV RNA量の比較や産卵数と孵化率への影響の評価を継続する。またsmall RNA解析を行うことで、CFAVとCFAV-EVEがpiRNA経路を介した相互作用を起こしているかを明らかにする。さらに野生のネッタイシマカにおけるCFAVの感染とCFAV-EVEの検出も行う。
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